mysound SPECIAL INTERVIEW!! tricot

mysound SPECIAL INTERVIEW!! tricot

様々なアーティストや著名人にお気に入りの楽曲をセレクトしてもらうことで、その人の音楽観や楽曲との思い出を紐解くプレイリスト企画。今回は海外での精力的なツアーなどでも鍛え上げた変拍子満載の演奏でライヴにも定評がある実力派バンド、tricotの登場です。
16年4月にはオーディションで選んだ4人のドラマーと『KABUKU EP』を完成させたtricot。彼女たちは11月2日に初のライヴ映像作品『KABUKU TOUR 2016 FINAL at AKASAKA BLITZ』をリリースします。中嶋イッキュウ(Vo,G)はソロ活動も始動。ますます活躍の舞台を広げる3人に、「最近刺激を受けた楽曲」を3曲ずつ選んでもらいました。









New Release

INTERVIEW


  • L→R:中嶋イッキュウ(Vo, G)、キダモティフォ(G,Cho)、ヒロミ・ヒロヒロ(B,Cho)

    中嶋"『KABUKU EP』は初期衝動が戻ってきたような感覚"


    ――『KABUKU TOUR 2016 FINAL at AKASAKA BLITZ』には、今年リリースした『KABUKU EP』のツアーの様子が収められていますね。このEPではオーディションで選んだ4人のドラマーと制作していますが、これまでとどんな違いを感じましたか?

    中嶋:14年にドラマーのkomaki♂が脱退してからサポートを入れて活動してきて、15年の『A N D』は一緒にやりたい憧れの人たちにお願いをしたんですけど、『KABUKU EP』は逆に「tricotでドラムを叩きたい」という思いを持った人たちと作る事が出来ました。それもあって、『A N D』での胸を借りているような気持ちとは間逆でしたね。4人のドラマーに引っ張られて、こっちも演奏がパワフルになって。初期衝動が戻ってきたような感覚でした。そこに、tricotの持ち味であるコーラスワークを生かした、(3人だけで制作したドラムレスの)"Nichijo_Seikatsu"がポンッ!とあったら、EP全体のストーリーも見えると思ったんですよ。

    ――その"Nichijo_Seikatsu"を、今回のDVDではなんとドラマー5人と一緒に披露していますが、これはどんなアイディアだったんでしょう?

    中嶋:ツアーファイナルのセットリストを決める時に("Nichijo_Seikatsu"の直前に演奏した)"庭"を「5人でやろう」という話になって、その流れだったと思いますね。初めて合わせた時は、とにかく「うるさ!」って感じでした(笑)。でも、美代さん(サポートの山口美代子)が仕切ってくれて、そこにみんなが合わせてくれてまとまっていきました。

    ――tricotの場合、ツアーの移動中などに音楽を教え合うことはありますか?

    ヒロミ:たまに誰かがいいと思った曲があったら聴かせてもらうくらいですね。

    中嶋:いいと思う確率はそんなに高くないけど、思ったら絶対言いますね。

    ――(笑)。学生時代だとどうですか?

    中嶋:それこそ、tricotを始めるか始めないかぐらいの時に先輩(キダ)にMASS OF THE FERMENTING DREGSのCDを借りて聴いてましたね。ミドリは一緒にライヴに行かせてもらったりもして。

    キダ:高校時代は軽音楽部で、基本はコピー・バンドだったんで、どんな曲がやりたいか持ち寄って聴いてました。あとは、先輩がやっているのを見て新しいバンドを知ったり、イーグルスをコピーする機会があったり。当時はアース・ウィンド&ファイアもコピーしてましたね。

    ヒロミ:私も軽音楽部で先輩が弾いてるものを「いいなぁ」と思ったりしていて。高校の時はメロコアやパンク、インキュバス、レッチリ辺りを聴いていて、他にもBLINK-182をやってる人がいたりしました。その後、大学に入ってからtoeやマイス・パレードのようなポストロックも聴くようになったんです。

    ギダ"(水曜日のカンパネラは)目が離せない人たち"


    ――今回は「最近刺激を受けた曲」というテーマで3曲ずつ選んでもらったので、その曲を知ったきっかけや、曲に感じる魅力を教えてください。まず、中嶋さんの1曲目はドミコの"oh diver"ですね。

    中嶋:友達のDENIMSのライヴを観に行った時に一緒に出ていて、すごくカッコいいと思ったんですよ。ドミコの曲って歌詞が音として入ってくる感じがあると思うんですけど、この曲は歌詞カードを見たくなる感じがすごく好きです。次のRADWIMPSは今までちゃんと聴く機会が無かったんですけど、きのこ帝国のようにtricotと仲のいい人たちもツアーに呼ばれていて。それで「どんな感じなんやろう?」と聴いてみたら、この曲で度肝を抜かれました。イメージと全然違ったんです。

  • oh diver/ドミコ
    oh diver
    ドミコ

    • シングル
    • アルバム
  • 実況中継/RADWIMPS
    実況中継
    RADWIMPS

    • シングル
    • アルバム
    • 着うた®

  • ――次のムラ・マサはビート・ミュージックで、音楽的には少し毛色が違いますね?

    中嶋:私はライヴを観て好きになることが多いんですけど、これは今年の<フジロック>がきかっけでした。出演者が発表された時に、最初は勘違いして(解散したスカバンドの)ムラマサ☆かと思ったんです(笑)。それがきっかけで調べてみたらめちゃくちゃかっこいいし、<フジロック>でのライヴもすごくよくて。元々ヒップホップが好きというのもあって、ビートがあるものも好きなんですよ。

  • What If I Go? (featuring Bonzai)/ムラ・マサ

  • ―― 一方、キダさんの1曲目はムー(MO)の"Final Song"です。

    キダ:今年の<サマーソニック>で予備知識もなく観に行ったんですけど、そのライヴがめちゃくちゃよくて。初来日だったんで、お客さんの反応が自分たちが海外でやる時の雰囲気と重なって見えた部分もありますね。ライヴが進むに連れて反応が返ってくるような感じで。この曲は、中でも一番惹かれた曲です。次のチューン・ヤーズは、<HOSTESS CLUB WEEKENDER>で来日した時に、ライヴには行けなかったものの初めて聴きました。この人の音楽は「野生」って感じで、感じたままが出ているのがいいと思うんです。

  • Final Song/MO
    Final Song
    MO

    • シングル
    • 着メロ
  • Gangsta/tUnE-yArDs
    Gangsta
    tUnE-yArDs

    • シングル
    • アルバム

  • ――水曜日のカンパネラはどうですか?

    キダ:沖縄で対バンさせてもらったんですけど、それまで私は、バンドだと思っていたんです(笑)。でも対バンの前に色々観てみたら、ライヴでは一人でやっていて。

    中嶋:それこそ、水曜日のカンパネラは私たちにも教えてくれましたね。「これいいで」って。

    キダ:特に『ジパング』からはコムアイの歌もすごく表情豊かになった感じがするし、目が離せない人たちですね。

  • チュパカブラ/水曜日のカンパネラ
    チュパカブラ
    水曜日のカンパネラ

    REDBULLとのコラボレーション楽曲!2016/6/22発売のアルバムから先行配信!

    • シングル

  • ヒロミ:私の1曲目のイントゥ・イット・オーヴァー・イット(アメリカの初期エモ・バンド、アメリカン・フットボールのメンバー、マイク・キンセラと親交のある人物)も、今度対バンをするんです。私はもともとエモが好きで、アメリカン・フットボールも好きなんですけど、調べてみたら「やっぱりか」という感じで。次のくるりは高校の頃から聴いていたし、私の地元の京都出身ですよね。新しいアルバムの中でも、"琥珀色の街、上海蟹の朝"はヒップホップ調で、サビも「上海蟹食べたい」みたいな感じのくるりっぽさがあると思うし、サウンドはお洒落でありつつ遊び心もあるのがすごく好きなんです。最後のハイエイタス・カイヨーテは、友達にCDを借りて「これはやばい」と思いました。世界観がすごいバンドで、ヴォーカルの人の見た目も含めてイッてる感がいいなと思います(笑)。音楽的にも、色んな音楽のいいとこどりをして、この人たち流にアレンジしていますよね。

  • 琥珀色の街、上海蟹の朝/くるり
    琥珀色の街、上海蟹の朝
    くるり

    • シングル
    • アルバム
    • 着メロ
  • Shaolin Monk Motherfunk/Hiatus Kaiyote

  • ヒロミ"感情をえぐられるような音楽が好き"


    ――3人がリスナーとして惹かれるのは、どんな部分だと思いますか?

    キダ:私は「その発想はなかったわ」という感じで裏切られるのが好きですね。たとえば・・・赤い公園は、バンドの編成は似ていますけど、tricotでは絶対に出せない音を鳴らしてると思うんですよ。

    ヒロミ:私はメロディに惹かれるタイプです。イントゥ・イット・オーヴァー・イットもそうですけど、キャッチーでちょっと切ないコードを入れられると堪らないというか。感情をえぐられるような音楽が好きなんだと思いますね。

    中嶋:私の場合は「裏切られる」に近いんですけど、「セコイな」と思わされる音楽ですね。意味が分からない曲をずっとやられた後に、劇的に分かりやすいバラードで終わられるとか、見た目と音楽が全然違うとか。「こんなん勝てへんやん!」って思わされるのが好きなので。

    ――tricotにも、そういう雰囲気がありますよね。ドラマーをオーディションして4人とEPを作ろうというのも、なかなか出てこない発想だと思います。

    ヒロミ:それはやっぱり、自主レーベルで、自分たちのやりたいことを理解してくれるマネージャーと4人でやっているのが大きいんだと思います。半分呆れられてるかもしれないですけど、でも面白がってくれていて(笑)。だから、自分たちが面白いと思えることをやっていきたいですね。海外に行ったのも大きかったと思います。色んなことが分かった上で、最近は自分たちの好きなように、やりたいようにやれるようになってきているんですよ。


ORIGINAL PLAYLIST

tricotが最近刺激を受けた楽曲プレイリスト

DISCOGRAPHY

PROFILE

「このメンバーなら凄い事が出来る(絶対)!」と確信し、それまでの各々のバンド活動を終え、2010年9月1日、中嶋イッキュウ(Vo,G)、キダ モティフォ(G,Cho)、ヒロミ・ヒロヒロ(B,Cho)の3人でtricotを結成。2011年5月にサポートメンバーであった komaki♂(Drums)が正式加入。直後に自主レーベル、BAKURETSU RECORDSを立ち上げる。展開の予測できない独特でスリリングな楽曲と、エモーショナルな力強さと心の琴線に触れる繊細さを併せ持つヴォーカルが絶妙にマッチし唯一無二の世界観を生み出している。抜群の演奏力と圧倒的なライブパフォーマンスには定評があり、国内のみならず海外でも注目度が急上昇中のロックバンド。

アーティストページ

LIVE

■MOROHA Ⅲ RELEASE TOUR
日程:2016年10月26日(水)
会場:高松TOONICE
時間:OPEN 18:30/START 19:00
料金:ADV ¥3,000

日程:2016年10月28日(金)
会場:松山Double-U Studio
時間:OPEN 18:30/START 19:00
料金:ADV ¥3,000


■えびすロックフェスティバル vol.2
日程:2016年10月29日(土)
会場:兵庫・西宮市民会館アミティホール
時間:OPEN 16:30/START 17:00
料金:ADV ¥3,800


■Exploding!!!
日程:2016年11月3日(木)
会場:東京ビジュアルアーツ 2号館 B2F メディアホール
時間:OPEN 13:30/START 14:00
料金:ADV ¥2,500/DOOR ¥3,000


■爆祭-BAKUSAI-vol.11
日程:2016年11月6日(日)
会場:恵比寿LIQUIDROOM
時間:OPEN 17:00/START 18:00
料金:ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500


■女MATSURI 2016~札幌vs仙台 仙台編~
日程:2016年11月13日(日)
会場:仙台PARK SQUARE
時間:OPEN 18:30/START 19:00
料金:ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500


■女MATSURI 2016~札幌vs仙台 札幌編~
日程:2016年12月4日(日)
会場:札幌 SPIRITUAL LOUNGE
時間:OPEN 17:30/START 18:00
料金:ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500


■術ノ穴presents『ササクレフェス2016』
日程:2016年11月19日(土)
会場:渋谷WOMB
時間:START 14:00/CLOSE 21:00
料金:ADV ¥3,500/DOOR ¥4,000


■LEGO BIG MORL 10th anniversary tour 「Lovers, Best, Music」
日程:2016年11月30日(水)
会場:京都磔磔
時間:OPEN 18:00/START 18:30
料金:ADV ¥3,500


■LEGO BIG MORL 10th anniversary tour 「Lovers, Best, Music」
日程:2016年12月2日(金)
会場:神戸太陽と虎
時間:OPEN 18:30/START 19:00
料金:ADV ¥3,500


■the lost boys presents INTO IT. OVER IT. JAPAN 2016
日程:2016年12月14日(水)
会場:名古屋 TIGHT ROPE
時間:START 18:00/START 19:00
料金:ADV ¥3,500/DOOR ¥3,500


■jizue 10th Anniversary「What's Your Story」
日程:2016年12月23日(金)
会場:大阪 UMEDA AKASO
時間:START 17:15/START 18:00
料金:ADV ¥3.800/DOOR ¥4,500


詳細はオフィシャルサイトで

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