－－上口さんが上京したきっかけは何ですか？
上口 僕は地元の福井でバンドをやっていたんです。でも、バンド活動が伸び悩んでしまって、「どこかに就職して、たまに音楽をする方が音楽人として幸せな生き方なのかな」と思っていたんです。でもそれを僕のギターの師匠に相談したら、「それは、幸せな生き方じゃなくて楽な生き方やろ」と言われました。確かにその通りだと思って、師匠が背中を押してくれたので上京しました。

－－"ギターの師匠"とは何者なんですか？
上口 地元のライブハウスのオーナーさんですね。良いミュージシャンを育てたいという思いが大きい人で、僕にライブハウスの鍵を渡してくれて、「暇な時に練習しに来い」と言ってくれたんです。そのライブハウスに夜な夜な行って、朝4時くらいまでセッションやって、朝9時からバイトに行くという生活でした（笑）。音楽にどっぷり浸かった環境の中で過ごしていましたね。僕は中1から自分で曲作りをスタートさせていたんですが、師匠からは、プロとして活動するためのギター理論や手法も教わりました。

－－2人の音楽性はとても豊かだという印象を受けたのですが、過去にはどんな音楽を聴いてきたのですか？
うらら 私は主にポップスを聴いてきましたね。子どもの頃から、家では親の世代に流行っていたビートルズやクイーン、TOTOやアース・ウインド&ファイヤー、マイケル・ジャクソンが、よく流れていました。その後は、姉が聴いていた90年代のJ-POPですね。小沢健二さんやスピッツさんは今でも好きで聴いてます。
上口 僕は、兄貴がMTVをよく見ていたので、その影響で主に洋楽を聴いてきましたね。特に好きなのは、オアシスやコールドプレイですね。ギター・プレーヤーとしては、ジョン・メイヤーが好きです。モータウン系やフュージョン系、アレンジ方法を学ぶためにクインシー・ジョーンズなども聴いて勉強しましたね。日本のロックバンドではGRAPEVINEさんが大好きですね。

－－デビューシングル「赤い靴」は、いつ頃どんな想いで作られたのですか？
上口 切なくて強い歌を作りたいと思って作りました。実は最初、四つ打ちにすることに抵抗があったんです。簡単にキャッチーになっちゃうしな、と。でも、うららと一緒にSalleyとして曲を作る時は、今までの自分の考え方を捨てて新しいものを作ろうと思ったし、最終的にカッコ良かったらOKだと思って、こういう形になりました。
うらら 歌詞を書いた時は、大学を卒業する年で、ちょうど上京した頃でした。周りは就職したり結婚したりして、みんなが社会の一員となっていく時に、自分だけ音楽をやるために東京に出てきて、ふっと「こんなことしてていいのかな」と思う瞬間があったんです。でも、「私には、音楽しかない！」と思った時に作った曲で、"踊る"というのは、"音楽"という意味も含まれていて、どんな時も"音楽を止められない"という自分の状況が反映されていますね。

－－聴く人によって、それぞれ自分が夢中になっていることを"赤い靴"に当てはめられるかもしれませんね。では最後に、Salleyとしての目標を教えてください。
うらら 今後は、色んなジャンルがある中でも「Salleyの音楽はいいよね」と思われるようになりたいです。「俺、J-POP聴かへんし」みたいな人もいるけど、そういう人が聴いても「良いもんは良い」と言ってもらえるように、Salleyでいけたらなと思っています。
上口 フェスに出てもカッコいいと思われるようになりたいですね。ライブがいいアーティストになりたいです。それと、僕が作る曲は、冷んやりしたり切なくなったりするんですけど、うららの声にはハッピーな曲もハマるので、Salleyとして色んな音楽性にチャレンジしていきたいと思っています。

－－今後のリリースも楽しみにしています！