INTERVIEW

--＜Re:animation＞の発端は杉本さんとお仲間の『交響詩篇エウレカセブン』のオフ会が源流だとか。

その頃はビジョンも何もなくて、僕が東京に出てきたのが今からちょうど10年前で友達もいなくて、週末暇なんでオフ会でもやってみようかなぐらいの感じだったんです。『エウレカセブン』ってある程度クラブに寄り添ったアニメというか、各エピソードのタイトルがテクノやハウスの名曲だったりして、割とクラブ好きが反応するキーワードがちりばめられていたんです。

--比べて回を重ねていくにつれて客層はどう変化しましたか？

当初はアニメソングで盛り上がろうって雰囲気とはちょっと違う人が多かったんですけど、10年代に入ってアニメソングでもクラブでプレイしやすい曲が増えてきたんですね。なので今は萌え萌えの曲もかかりますし、がっつりかっこいい劇伴もかかったりアニメの選曲の幅は広くなりました。一方、ダンスミュージックの方ももともとはオールドスクールなハウス、テクノばかりだったんですけど、今はEDMもヒップホップもドラムンベースもかかりますね。

--今年の出演者は層が厚いですが、例えばHIROSHI WATANABEさんはどういう経緯で出演が決まったんですか？

現場にいるのはオタクなのであんまりクラブミュージック・サイドの大きなゲストとのつながりがなかったんですよ。でも長く活動を続けていると気づいてくれる人がいて、去年はDJ AKIさんというWOMBのレジデントのDJさんが出てくれたんですけど、それで縁ができて。実はHIROSHI WATANABEさんは『エウレカセブン』に楽曲提供している人なんですけど、そこにようやくたどり着けたみたいなところもあって。

--具体的なコーナーでいうとサイレントディスコは面白そうですね。

そうですね、全く新しい取り組みなんですけど、野外でやっているとどうしてもどれだけ気をつけていても怒られる時は騒音で怒られるので、なにか面白いネタがないかなと思って探していたら、どうやらニューヨーク辺りで流行っているらしいっていうので、うちもちょっとやってみましょうと。しかもうちで使っているのはどっちかというと音質より数を重視していて、理論上、端末を何個増やしてもいけるっていうシステムなんですよ。

--ラインナップ的なこだわりはありますか？

『Re:ゼロから始まる異世界生活』ってアニメのタイアップがあり、それのオープニング、エンディングを歌っているアーティストのMYTH & ROIDの出演ですかね。ライブの映像に実際アニメで放映してる映像を直接借りてきてVJをやるので、そのあたりもアニソンDJイベントが活躍の範囲を拡げて行くための布石としてやっているので見てもらえると嬉しいですね。

--今後の展開ももうあるのでしょうか？

イベントではない部分でいうと7月6日（水）に『Re:Boots』という名のアニソンのリミックスアルバムが出ます。ブートレグじゃなくてちゃんとオフィシャルに許諾を得て音源化していこうという試みなんですけど、それをやるとインディーズでやっている人にもちゃんとバックがあります。アングラでやっていることをちょっとずつオーバーグラウンドに出していこうっていう活動になっていけばいいなと思っています。

text＆interview by Yuka Ishizumii

ORIGINAL PLAYLIST

mysound×Re:animation特別企画として、「お勧めしたいアニソン10選」というテーマで杉本さんにプレイリストを作ってもらいました。
チェックしておくと7/10のRe:animation9をより楽しめるハズ！

PROFILE

杉本真之（ちへ）

都内を中心に活動するアニソン系DJイベントのプロデューサー兼オーガナイザー。
2005年頃、当時ブームになっていたmixiアニメファンのオフ会が人気を集めた頃、近年盛り上がりを見せるアニソン系DJイベント（通称"アニクラ"）の黎明期における"伝説的"イベントとなった「GEKKO NIGHT」を開催。
2010年には、新宿歌舞伎町で超都市型野外DJイベント「Re:animation」を旗揚げ。同イベントはアニメファンとクラブファンのクロスオーバー、繁華街の中心やターミナル駅の至近距離での野外レイヴ、クラウドファンディングによるイベント入場料無料化など、思いもよらないコンセプトがヒットし、中野区役所敷地と中野サンプラザ前広場を使用した「Re:animation 8」では約3500人が終結。

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