■鈴木諭の浮世絵愛、ここに極まれり。
令和三年秋に初めて美術館で浮世絵を見て以降、美術に傾倒し続ける氏の想いが「音楽」という形で爆発した。
楽曲の題材に目を向けると、浮世絵のみならず琳派・文人画・新版画と、凡そ日本画を愛する者には馴染深いジャンルが幅広く網羅されている。
基本的に画家個人に焦点が当てられており、この二年で氏が多大な影響を受けた人物が一目で分かるだろう。
昨年十月の『落書き帳』から始まり、只管に「絵」を主題とした楽曲が発表されてきた。
まさに連作という捉え方が自然であり、本作はその一連の流れに一区切りを付ける記念すべき作品である。
我々はこの作品を通し、「美」というものに改めて向き合ってゆく事となる筈だ。
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