■このアルバムは、宮崎県在住のピアニスト横山起朗の5作目のCDである。
ピアノは一音鳴らすとその音は減衰しやがて消滅する。
その最も美しい去りきってしまう前の残響を丁寧に掬い上げることにより
静けさの中、どこか淡い光を感じる作品に仕上がった。
最小限のハーモニーで作られた(M-1) sae はアルバムのテーマであり
(M-5) itsuka では音の消えゆく瞬間まで耳を傾けさせる。
そして(M-12) minori では新しい季節の喜びを告げるように音が跳ねる。
本作の quiet new という二つの形容詞を並べただけの
シンプルなタイトルには、聴き手の自由な解釈で
美しい空気を浴びるように聴いて欲しいという願いが込められている。
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