High UNIT Vol.2 Hiroyoshi Kato & Friends/加藤博啓

アルバム

High UNIT Vol.2 Hiroyoshi Kato & Friends

加藤博啓

2014/6/18リリース

23曲収録

2,514

再生時間:71分26秒 / コーデック:AAC(320Kbps)

ファイルサイズ:172.15 MB

■97年のアルバム「High Unit Vol.1」で、元ベンチャーズのNokie Edwardsの奏法を駆使してベンチャーズやカントリー、スタンダード等の曲を快奏した加藤博啓の第二作。今回は加藤の友人であり、師でもあるKing of Guitar Nokie Edwardsのルーツの一つ、アメリカンモダンギターの魔術師Les Poulものを積極的に採り上げ、前作とは違ったアプローチでリスナーを楽しませてくれる。聞き所は加藤がNokieのバックボーンに流れているエレキギターの曾祖父Lesの味付けを見事に見抜き、それを自らのギタースタイルにまで昇華させている点だ。収録されている曲は全編を通して楽しく聴くことができるが、加藤の爪弾く一つ一つのフレーズに耳を傾けると、そこにアメリカンギターの歴史と変遷が凝縮されていることに気付く。そしてそれを可能にしているのは加藤の演奏家としての高い技術であり、真摯な探求心であり、豊富な経験なのだと思い至る。つまり今回のアルバムは加藤博啓というギタリストが真のエレキギター伝道者であることを我々に告げている。
さて前作ではベンチャーズナンバーを数多く採り上げていたが、本作では、そのベンチャーズと比肩するエレキインストバンドの雄、英国のシャドウズのナンバーも幾つか手がけ、加藤博啓のジャンルに拘わらない幅広さを見せている。勿論、加藤が得意とするカントリーナンバーはアコースティックで魅了してくれるし、日本の名曲が収録されている所もリスナーとしては嬉しい限りだ。
レコーディングメンバー(High Unit)は、暖かみのあるベースの斉藤晴重と、クールなタッチのキーボード加藤典子は前回と同じだが、今回はドラムスに若手スタジオプレイヤーの佐野正佳を迎えている。(佐野はFEIレコードの教則ビデオでもおなじみ。)佐野は小気味よいモダンビートを叩き出し、そのツボを得たドラミングは加藤博啓のギターを見事にサポートし、アルバムの仕上がりをビシッと決めている。またシャドウズナンバーと「君といつまでも」、「想い出の渚」ではサイドギターに菊地信一を加え、その長い経験に培われた安定感のあるコードストロークと貫禄十分の名脇役ぶりは楽曲を一層引き立てている。
前作と本作で実に多彩なギタープレイを饒舌に歌い上げている加藤博啓だが、ここで聴ける彼のプレイは、おそらく加藤が持つ音楽的側面のごく一部に過ぎないであろう。今後の彼の活躍と共に、音楽館FEIレコードとしての次回作を期待して止まない。

収録曲

加藤博啓の他のアルバム アルバム一覧

アルバムの閲覧履歴