First Song/西村知恵

アルバム

First Song

西村知恵

2020/9/1リリース

10曲収録

2,445

再生時間:49分39秒 / コーデック:AAC(320Kbps)

ファイルサイズ:116.62 MB

■【 CHIE & MAY DUO 】
西村知恵Vocal
井上銘Guitar,Arrange
2015年に結成したボーカル西村知恵とギター井上銘の印象派JAZZユニット。壮大な世界観を繰り広げるべく重なる瞬間がどんどん繋がっていき、また交差して物語の情景を描くDUO。
聴く者の心に沁みて人気を博しており幅広い年齢層から愛されている。それはジャズの精霊(スピリット)が側にいるかのよう。多くの注目を集める今、ユニット第一作目になる本作品でCHIE & MAY DUOは奇跡的な融合を遂げた。

【 Liner Notes 】
このアルバム制作時期にあたる2020年上半期、未曽有のウイルス禍が地球規模で広がり続けていた。これを書いている時点で世界の感染者数は1千万人を超え、死者は52万人に達した。ライヴもコンサートも多くが中止となった。人々はどこに行くにもマスクを着用し、接触を避け、手指を消毒し、あらゆるところにプラスティックの透明なシールドが設置された。ようやく再開した小中学校では、音楽の授業でさえ歌うことが自粛され吹奏楽器も鳴りをひそめた。このパンデミックがいつ終わるのか誰にもわからない。世界は大きく変わりつつあるけれど、誰にも止められない。抗えない。

生き生きとした声がどんどん失われる中、このアルバムを聴いた。聴覚が一気に拡張し、さまざまな情景と感情が流れ込んできた。
歌声を聴く--それは歌手の心身すべてを受け取る親密な行為だ。なぜなら、声はその人そのものだから。肉体と脳のすべて、そしてその人の経験すべてが今の声を作り出しているのだから。西村さんの太く力強く、豊かな倍音に支えられた声は、彼女が踏みしめてきた大地、彼女の心身の根っこを育んできた大きな存在を感じさせる。それはたくさんの痛みも悲しみも喜びも全部内包して、たしかな生命力となって輝いていた。声が「今」を歌っている。声を出す身体が「今」を賛美している。どんな世界であろうと、どんな状況であろうと、今あなたが生きていることはただただ美しいのだ、と。

自分自身にも人に対しても、神の手のごとく作用する声がある。それを私は「オーセンティックヴォイス(真実の声)」と呼ぶが、この声で話せる人も、歌える人も希少だ。誰もが持っているにもかかわらず、多くの人は人生におけるさまざまな抑圧によって、この声を忘れたり覆い隠してしまったりしているからだ。 西村さんの歌声は見事なオーセンティックヴォイスだ。この声は、歌えば歌うほど心身に力がみなぎって健康になる。聴く人の脳を覚醒させ、ときには鎮静させ、力を与え、心身を癒す。
人間は耳で音を聴いていると思っているけれど、実は全身の細胞ひとつひとつでも音を受け取っている。これは科学的に証明されていることだ。声という偉大な音は、聴き手にその人のすべてを伝えながら、細胞を、もっといえば身体をも新しく作っていく力がある。これもまた科学で証明されている。
彼女の生の歌声は、同じ空間で聴く人の心身にどれほどの力を及ぼすことだろう。まさに「恵みの声」の持ち主である。

このアルバムでもうひとつ特筆すべきは井上さんのギターだ。まるで風の音を紡いだかのように、あらゆるニュアンスを表現する。余分な音はひとつもなく、研ぎ澄まされた弦の響きは天を仰ぎたくなるほど美しい。それは西村さんのブルース・ヴォイスと相絡まり、立体的で深い音世界を織り上げる。奇跡的ともいえるコンビネーションだ。

音楽の起源は言語よりも古い。人類は音楽なしには進化できなかった。人間は音楽なしには生き延びられなかった。これからの世界がどんなふうに変わろうとも、決してなくならないものは音楽だ。
このふたりの音楽は、世界はなんと素晴らしいのだろうと気づかせてくれる。そう、緑の木々も花々も、青い空と白い雲、聖なる夜も。人の喜びも悲しみも。心を開いて深く呼吸して、音楽を全身に浴びよう。今、この声を、このギターを、この歌を聴けることに感謝。
ミュージックソムリエ協会
音・人・心研究所 山崎広子

Recording & Mixing Engineer:
Shuichi Morita at ReBorn Wood
Sudio Mastering Engineer:
Gene Paul at G&J Audio (NJ)

収録曲

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