The Stories of You and Me - The Archi-tet 3/Akihiro Yamamoto

アルバム

The Stories of You and Me - The Archi-tet 3

Akihiro Yamamoto

2020/4/1リリース

5曲収録

1,045

再生時間:27分06秒 / コーデック:AAC(320Kbps)

ファイルサイズ:63.53 MB

■<タイトル>
the stories of you and me
ザ ストーリーズ オブ ユー アンド ミー


ポップなメロディーと、ニューヨーク仕立ての本格ジャズが融合した、聴きやすく、かつ聴き応えのあるジャズアルバム。英語で歌われる事が多いジャズの歌モノには珍しく、オリジナルの日本語の歌詞で、誰もが口ずさみながら世界を共感できるメロディー。本場のSwingの迫力と躍動感、色彩溢れる華やかなアレンジ、耳馴染みの良さを兼ね揃えた楽曲は、作詞作曲、編曲ともベーシストであるリーダーの山本章弘が手がけている。本人の住むニューヨークで、共に活躍する本格ミュージシャンを率いたバンド、The Archi-tetの3枚目の作品になるが、このアルバムでは同じくニューヨークで磨きをかけたシンガー兼ユーホニウム奏者の香月保乃(かつき・やすの)がコラボレート。しなやかで甘い歌声が、歌詞の世界を表現している。また歌だけではなく、軽やかにSwingするソロを聴かせるユーホニウムも香月保乃の魅力の一つとして加わっている。

魅力溢れるバンドメンバーは、キラキラと色味が溢れるピアノはAlan Eicher (アラン・エイカー)、叙情的でメロディアス、かつ色気のある柔らかな音色を聴かせるサックスはMichael Wilkens(マイケル・ウィルキンス)、安定した躍動感を聴かせるドラムスはJordan Young(ジョーダン・ヤング)による。そこにリーダー山本が、生き生きとしたメロディックなベース聴かせ、 全体を柔らかにまとめてあげている。

『おしゃれなサウンドに仕上げつつ、音楽的にも充実した内容が込められたアルバム』『日本人が一緒に口ずさみながら楽しむ事ができるジャズにする』そして『一人部屋で聴いた時にも、穏やかな心で、疲れや寂しさを忘れ、朗らかな気持ちで楽しめる楽曲』というコンセプトを目標に作られたこのアルバム。パッと聴くと、まるでポップスを聴いているかのようにすんなりに耳に馴染むサウンドに仕上がっている。しかし、聴き込んでみると、各楽器が遊び心を忘れずに自由にアドリブを聴かせ、ジャズの魅力を十分に発揮し、ミュージシャン達の実力が垣間見られる。そこに押し付けられたものはなく、ミュージシャンもリスナーも空間と時間を自由に楽しめるように仕上げられた。シンガー香月の柔らかな声と、物語を語る歌は、まさしくコンセプトにぴったりシンクロし、世界観を作り上げている。

アルバムのタイトル『the stories of you and me』は、それぞれの曲が、「誰かの事」を想っている様子が描かれているという事からつけられている。その「誰か」というのはオーディエンスが自由に想像してそれぞれの世界を描いてもらえるようにという願いが込められている。アメリカで生まれたジャズには、当然英語で歌われる欧米の恋愛感の内容が多いのに対し、このアルバムでは、日本人が日本人らしく誰かの事を想う様子が歌われ、歌謡曲としての要素が盛り込まれている。これはインストを中心とするジャズが多い中、ジャズに馴染みにないオーディエンスにもジャズに親しんでもらいたいというリーダー山本の意図によるもの。是非とも、歌の世界を想像しながら聞き込んでもらいたい。

収録曲