mysound SPECIAL INTERVIEW!! ドミコ

ギター&ボーカルとドラムの2ピースとは思えない迫力とユニークな音楽性を持つドミコが、昨年11月に初のフル・アルバム『soo coo?』をリリースしました。ガレージ、ローファイ、サイケなどそもそもの持ち味も残しつつ、一度聴いただけで耳に残る、さかしたひかるのクセになるボーカル、メロディのキャッチーさがさらに打ち出されているのも聴きどころ。今回は、ひかるが「もし自分がハイボールバーを開いたらかけたい曲」という謎のテーマでプレイリストを作成。そこにはどんな意図が?そしてドミコの音楽性との関連は?探りながらお聞きしました。
NEW RELEASE
INTERVIEW
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"でかい人だけが歌えるとかじゃないっていうところで勇気が出て来るんです。"
――今回のアルバムは1曲1曲の輪郭がはっきりしましたね。
曲単体で、その曲の形が見えるようにシンプルに仕上げて行きましたね。いい曲っていうのは弾き語りやミニマルな編成、変な形のバンドで聴かせてもいいものじゃないといけないっていうルールが自分の中であって、そこは深いところで意識していたのかなと思います。
――今回のプレイリストに一組は入ってるんですが、ホール&オーツと奥田民生が好きだとか。
そうですね。好きなアーティストはギタリストでもなく、ボーカリストでもなく、もうその人そのもの、象徴みたいな人が好きですね。
――今回のアルバムはこれまでドミコにもたれていた、今の時代のローファイでインディなサイケというカテゴライズから抜けられたと思いますか?
いい意味でそういうところは意識しないというか、自分の中では「ドミコっぽい」ものになったと思います。「ああ、これあそこ界隈ぽいな」というものじゃなくて。作ってくうちにもうちょっとロックンロールに聴こえた方がいいなと思ったんですよね。
――確かに理屈抜きにロックンロールとしか言いようのない音像だと思います。ではプレイリストを紹介してもらうんですが、「ハイボールバーを開いたときにかけたい曲」という設定はどこから?(笑)
やりたいとか全く思ってないんですけど、妄想で・・・バーを、こういうテーブルから配置とかたまに考えたりするんですよ。そんな広くない感じで。暗すぎず、ガヤガヤしててもいいなと。でもチャージ1000円ぐらいで大学生が来ない感じがいいんですけど(笑)。街はできれば海が見えるところ、たとえば房総半島がいいですね。
――では、プレイリストに移ります。1曲目は50年代後半の黒人女性ボーカルグループの曲ですね。
もともとビートルズのBBCアルバムに"Baby It's You"ってカバー曲が入ってて、その原曲はこの人たちでもないんだろうなと思うんですけど、この人たちのバージョンが好きだなと思って。総じてジャングリーな感じとかが好きで。これ土日の天気のいい昼間にかけたいなっていう感じですかね(笑)。 -
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―ー転してニール・ヤングの淡々とした名曲です。
これは「もうダメだわ・・・」って、なってる人に聴かせてあげたいですね。昔、ニール・ヤングって名前に惹かれてそっからずっと聴いてて、弾き語りでたまにやったりするぐらい好きな曲です。 -
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この人(スティーヴ・マリオット)めちゃくちゃソウルフルな歌い方するじゃないですか?で、この歌い方を勉強しようと大学のとき思ったんですけど、全然できなくて。この人も小柄な人なんですけどパワフルで。別にでかい人だけが歌えるとかじゃないっていうところで勇気が出て来るんです。 -
--そしてひかるさんの奥田民生と並ぶルーツのホール&オーツからはこの2曲。
"She's Gone"ってちょっと悲しい曲なんですけど、曲自体がすごく好きで。自分の感性が入りすぎてるんで、11時半ぐらいとか、お客さんがあんまりいない時間にかけていこうかなってとこですかね(笑)。 -
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--ホール&オーツは濃いルーツなんですか?
そこまで実は消化できてなくて。歌しか聴いてないんで、とにかく歌いたい、っていう(笑)。"She's Gone"はサビを掛け合いで歌ってるんですけど、僕、一人で歌いますから(笑)。わかりやすく言えばチャゲアスぐらい歌ってますよね。その掛け合いがめっちゃカッコいいんですよね、特にこの時期は。
--じゃあここはマスターのプライベートタイム(笑)ということで。
そうですね(笑)。仲いい奴が来た時しかかけない。でもニール・ヤングを聴いてたお客さんが酒も回って来たら、"She's gone"をかけて号泣させて、全部、膿を出してもらうっていうのもアリですね。
"大阪遠征の行き帰り15時間、一切CD変えずにリピートして聴いてます(笑)"
--(笑)、優しいですね。続いてはキャロル・キングの名盤『つづれおり』から。
伸びがある声なんですけど、かすれ具合が絶妙なんですよ。曲のイメージは違いますけどジョニ・ミッチェルも好きで、そこから女性ボーカルのハスキー系の人がめちゃめちゃ好きになりましたね。中でもキャロル・キングのこのアルバムは、大阪遠征の行き帰り15時間、一切CD変えずににリピートして聴いてました(笑)。 -
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--そしてガラッと変わって現代のアーティストでジェシー・ウェアを選んだ理由は?
サンファが最近めちゃ好きになって、そこからなんですけど、この人も歌声がめっちゃかっこいいなと思って。これは"お店的"には若い人向けで、これを入り口にしてソウルフルな歌声を知っていってほしいなって感じですね。 -
これは曲自体が有名ですね。あんまり音楽聴かない人でもどっか引っかかるんじゃないか?と思うんで。この曲は絶対、お店にあった方がいいと思いますね。昔、セッティングの時にかっこいいから使ってた時もありますね。これとはまた違うテイクではあるんですけど。とにかくこの曲が好きなんです。 -
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--意外ですが、ひかるさんが言うロックンロールの一端なんでしょうか。
これも超テンション上がるんですよ(笑)。イントロの鐘みたいなやつとか、あんなシンプルで別にかっこいいとも思えないやつをよく思いついたなと思って。でもそれが曲の壮大さというか、アメリカン!て感じするんですよ。曲の展開もダサいんですよ(笑)。でもそれがシンプルないいイントロと合うなぁっていうか。なんか男のデカさを感じる。 -
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--他の人が歌ったら身も蓋もない曲かもしれない。
そうなんですよ!でもそれがいいなと思える歳になりました(笑)。
--そしてラストはサム・クックです。
これもまぁ夜に普通にかけたいし、ウィスキーっぽいというか。 -
--ハイボールじゃなくなりますね(笑)。ソウルを色々聴いていくとアクセスするのかもしれませんが、サム・クックは何きっかけだったんですか?
これもニール・ヤングみたいにCDをぱって買って聴いたとかだった気がします。ベストに入ってたんだと思います。
--これはハイボールバーでかけたい10曲ですけど、ドミコの音楽に関係ないわけもなくて。
だといいですね。聴いてみると質感とかはすげえ憧れてるんで。こういうのってローファイとはまた違ってマイクの目の前で録ってるみたいな音ではあるんですよ。その感じがどの時代も超好きで、そういうところはドミコもあります。
--架空のお店のプレイリストではありますが、ひかるさんはもともと歌うのが好きな人なのかなと。
家でずっと歌ってるタイプの人間です。ボイスメモをひたすらかけっぱなしにして、その間、適当に歌って気に入ったフレーズからメロディも作ります。ジャンルは散らかってますよね、かなり。でもそれが楽しくていいですね。
--ちなみにお店の名前は何に?
「ハイ&ボール」・・・ホール&オーツが好きな人はもしかしたら気づくかもしれないので(笑)。
MESSAGE
ORIGINAL PLAYLIST
もし自分がハイボールバーを開いたらかけたい楽曲プレイリスト
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text&interview by Yuka Ishizumi
Photo by Mayuko Yamaguchi
DISCOGRAPHY
PROFILE
2011年結成。さかしたひかる(vo/g)と長谷川啓太(dr)の2人からなる独自性、独創性で他とは一線を画す存在として活動。自主制作盤『わお、だいびんぐ』(現在入手不可)、全国流通盤『深層快感ですか?』と『Delivery Songs』のミニ・アルバム2枚をリリース。これまで、全てセルフ・レコーディング、セルフ・ミックスで制作を行ってきた。バンドの音楽性はガレージ、ローファイ、サイケ等多面的に形容される事が多いが、その個性的なサウンドは確実にドミコそのものである。埼玉を拠点としながら定期的にライブを行い、一目で釘づけになる常習性の高いライブで定評がある。2016年3月31日、会場限定シングル『ooo mai gaaa!!!』をリリース。タイトル曲の“おーまいがー”は『ニンジャスレイヤーフロムアニメイシヨン』第4話EDに抜擢、7月には同曲を収録したコンピレーションにも収録。同年4月には全世界でブレイク中のスペインのバンドHiNDS来日公演のオープニング・アクトを務める等、活動の幅を広げており、2016年11月9日初めてのフル・アルバム『soo(そー) coo(くーる)? 』をリリース。11月30日渋谷Chelsea Hotelのアウトストアを皮切りに現在ドミコ初の全国ツアー、ドミコ「soo coo?」Release Tourの真っ最中。
LIVE
■ドミコ『soo coo?』Release Tour
日程:2017年1月26日(木)
会場:LIVE HOUSE Pangea
時間:OPEN 18:30/START 19:00
料金:ADV ¥2,500
日程:2017年1月27日(金)
会場:広島・4.14
時間:OPEN 18:00/START 19:00
料金:ADV ¥2,500
日程:2017年1月29日(日)
会場:graf
時間:OPEN 17:30/START 18:00
料金:ADV ¥2,500
日程:2017年2月4日(土)<ワンマン/ファイナル>
会場:LIVE HOUSE FEVER
時間:OPEN 17:30/START 18:00
料金:ADV ¥2,500
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