mysound SPECIAL INTERVIEW!! OGRE YOU ASSHOLE

NEW RELEASE
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- ハンドルを放す前に
- OGRE YOU ASSHOLE
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前作から2年ぶりとなる待望のアルバムは、久しぶりのセルフ・プロデュースで、過去最長の制作期間を費やして生み出された、オウガの新しいフェーズが始まったことを予感させる作品。
- アルバム
- 10曲収録
INTERVIEW
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L:馬渕啓(Gt)、R:出戸学(Vo、Gt)
出戸"今回は後退してるかもしれないですね。"
――今回はデビューアルバム以来のセルフプロデュースで、そこには何か大きな理由があったんですか?
出戸:大きな理由は特にないんですけど、自分たちで音のジャッジしてみたいと思って、それを試したかったっていうのが一番ですね。
――前作の『ペーパークラフト』も相当、音数は少ないと思ったんですが、さらに音の隙間が多いアルバムだなという印象を持ったんですけど、それもやはりそういうビジョンがあったからなんですか?
出戸:そう、例えばドラムだと、あんまり部屋鳴りとかリバーヴとかなくして、タイトにしてそのぶん音の隙間を開けて、とか、そういう質感のものは揃えていった感じですね。
――ジャケットのアートワークも含め、トータルで「先に進んでいいのか、後退した方がいいのか」という気持ちにさせるんですが。
出戸:今回は考え方によっては後退してるかもしれないですね。三部作はどっちかというとハンドルを放した状態のものが多くて。ちょっとまぁ諦め感とかが強く出てたと思うんですけど、今回は放す前ってことなんで、時系列で言うとちょっと手前の感じですね。今の世の中って、思ったよりも悪くもならないし、かと言って決して良くもなってないんですけど、何か起こりそうな雰囲気は常にあるっていう感じが、今回の歌詞を作った要因の一つかもしれないですね。
――隙間だけでなくて、以前からあるメロウでちょっと気が遠くなる感じの曲にも新しい聴感がありました。例えば"なくした"とか。
馬渕:ちょっとソウルっぽい要素もあるんですけど、いわゆるソウルって感じにしたくなくて、こう、ロボットが血の通った音楽をやっているというか、そういうちょっと変な感じにしたかったんですよね。
――ではお二人に選んでいただいた「最近のお気に入り」について伺います。David Axelrodはギターの音など、OGREの音が好きな人も納得な印象です。
出戸:60年代からサイケやジャズのバンドのプロデューサーをやっていた人のソロ作品です。このスキャットというかハミングの気だるい感じの音がすごい好きで。あとは録音の質感とかもすごい好きですね。 -
- シングル
- アルバム
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――ソウルフルなバンドのイメージが強いBooker t.& the m.g.'sにこういうマイナー調の曲があるのかと驚きました。
出戸:はい。ほんとは別のアルバムで、再結成後の77年リリースの『Universal Language』に入ってる曲"Last Tango In Memphis"が最近はお気に入りなんですけど、まぁこっちはこっちでいいんです。出だしのイントロのベースとかが結構好きな音の感じなんですよね。 -
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――何がきっかけで触れたんですか?
出戸:子供の頃から家にレコードがあったりして、聴き馴染みもあるんですけど。これもそうなんですけど、最近実家の倉庫にあったレコードを引っ張り出してきて、何百枚かあるのを一個一個綺麗にして聴き直して、「ああ、こんな曲あるんだ」みたいな感じで再発見してるんです。
――J.J.caleの中ではこの曲はどんな曲なんでしょう。
出戸:J.J.caleも70年代の頭ぐらいまでの音は質感が面白いのが多くて。ドラムとかも止まってて、あんまり響きがないって感じっていうか。これもレゲエっぽいけどいわゆるレゲエに聴こえなのが面白くて好きですね。で、J.J.caleのこの頃の曲は、今回のアルバムを作る前に「なんかこういう感じはいいよね」って話をした中の一つですね。 -
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――また有名どころですが、この曲はちょっと楽器の位置が不思議ですね。
出戸:この曲いいっすよね。コンガの感じが好きで。キャロル・キング、いい曲多いし、普通に好きなの多いんです。 -
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――スモーキー・ロビンソンのこの曲に関しては?
出戸:メロウでいい曲だなって感じですね。ノーテーションズ(シカゴのソウル・ボーカル・グループ)だっけ?変な歌い方はこの人の歌い方に少し似てるよね。
――語尾をシャウトするような感じですね。昔なんで当然ですけどトラック数もすごく少なくて、ギターがずっと左で鳴ってます(笑)。
出戸:(笑)。タイトルがなんだっけな?"苦悩とエクスタシー"(笑)。 -
――出戸さんの5曲に関してはBooker.T以降は「実家再探索」ということで。
出戸:そうですね(笑)。有名どころで好きなテイストのものを選んだって感じですね。
馬渕"なんか充実感がないっていうか、足りない感じがいいですよね。"
――次は馬渕さん。この曲に関してはどういうところが?
馬淵:どういうところすかね?質感かな(笑)。ブルース・ギタリストなんですけど、このアルバムは変な曲が多くて。リズムボックスを多用しているので、宅録ですかね?曲が良くて実験的っていうところもすごいです。
出戸:リズムボックス使ってるソウルって好きな曲多いですよ。
馬淵:多い。そもそもリズムボックスが好きなんですよ(笑)。 -
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――次はマニュエル・ゲッチングのAshraですね。
馬淵:この人の曲、だいたい似てるんですけど。ギターとシンセと打ち込みなのかな? リズムが生のやつもあるのかな。気持ちのいい感じのクラウトロックですけど、こういうギターの使い方があるのか?と初めて聴いたときに思いました。ライブ・アレンジでもちょっとこのイメージを取り入れたりしてましたね。 -
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――この中で一番有名どころですね。
馬淵:これは・・・過剰なアレンジのコーラス、バックが面白い。10ccはアレンジが面白いですよね。(イントロを聴く)この感じはないですよね、10cc以外は。
出戸:腰が砕けるような(笑)。「なんだこれ」っていう。
馬淵:こういう感じもちょっとやりたかったんですけど、なかなか難しくて。 -
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――Andras Fox、無機質で何も起こらないところがいいです。
馬淵:これ、今の最近の人で出戸に教えてもらったんですけど。オーストラリアのDJですね。ほんとはこの作品の一個前に出てるやつが好きなんですけど。この人もなんかこう、なかなか腰が砕けるところがあって。「ボイラールーム」とかでDJとかしてても、緩いんですよ。
出戸:平面的な感じだけど、それがいいよね、軽薄さがあって。
馬淵:まぁ全部これだからアルバム聴くと飽きるんですけどね。でもまた聴きたくなるというかクセになる感じはありますよね。 -
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――またまたリズムボックスが登場しますね。
馬淵:これもリズムボックス・シリーズで。曲自体は普通なんですけどリズムボックスとオルガンって組み合わせが面白いというか。
――最近、打ち込みを生で再現するようなことも流行ってますけど、むしろ逆というか。
馬淵:リズムボックスのチープな感じで揺れる感じが気持ちいい。ボリュームとかも一定じゃないと思うんですね、アナログなんで。その感じがいいんですよね。完全にデジタルでパキッとしたリズムが入っちゃうとまた違う感じがする。このアナログのヨレ感みたいなのが人間の演奏と合うんですよね。 -
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――今回はお二人にmysoundのアーカイヴから選んで頂きましたが、今の気分というところでは繋がりますか?
出戸:そうですね。好きな質感というところでは選んでると思うんで。似てる部分というか、気分として共通してる部分はあると思います。
馬淵:なんか充実感がないっていうか、足りない感じがいいですよね。
ORIGINAL PLAYLIST
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出戸学(Vo、Gt)
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馬渕啓(Gt)
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text&interview by Yuka Ishizumi
photo by Mayuko Yamaguchi
DISCOGRAPHY
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- アルバム
- 7曲収録
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- アルバム
- 10曲収録
PROFILE
メンバーは出戸学(Vo,Gt)、馬渕啓(Gt)、勝浦隆嗣(Drs)、清水隆史(Ba)の4 人。
2005 年にセルフタイトルの1st アルバムをリリース。2007年前後から、大型ロックフェス出演やメジャー・シーンのオルタナティブ・バンドとのツアー、海外有名アーティストのサポートなどで日本のメジャー音楽シーンで知られるようになった。2009年3月に〈バップ〉へ移籍し、シングル『ピンホール』でメジャーデビュー。2010年11月にはモントリオール出身のWolf Paradeと共に全米+カナダの18ヶ所をまわるアメリカ・ツアーを行った。2012年に5th アルバム『100 年後』をリリース。2013年2月にはリミックス・リアレンジアルバム『confidential』をリリース。2014年7月には<FUJIROCK FESTIVAL>ホワイトステージに登場、10月には6thアルバム『ペーパークラフト』を〈P-VINE RECORDS〉よりリリース。2015年6月、バンド初となるライブアルバム『workshop』をリリース、7月には活動10周年記念ワンマンライブ<OGRE YOU ASSHOLE LIVE 10th anniversary>を各地で開催。2016年11月に1st以来となるセルフ・プロデュースによる7thアルバム『ハンドルを放す前に』をリリース。
LIVE
■OGRE YOU ASSHOLE ニューアルバム リリースツアー 2016-2017
日程:2016年12月3日(土)
会場:札幌ベッシーホール
時間:OPEN 18:00/START 18:30
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
日程:2016年12月9日(金)
会場:長野 ネオンホール
時間:OPEN 18:30/START 19:00
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
日程:2016年12月10日(土)
会場:金沢 vanvanV4
時間:OPEN 18:30/START 19:00
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
日程:2016年12月11日(日)
会場:甲府桜座
時間:OPEN 17:30/START 18:00
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
日程:2016年12月15日(木)
会場:京都メトロ
時間:OPEN 19:00/START 19:30
料金:ADV ¥4,500/DOOR ¥5,000
日程:2016年12月16日(金)
会場:岡山 YEBIS YA PRO
時間:OPEN 18:30/START 19:00
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
日程:2016年12月17日(土)
会場:広島 4.14
時間:OPEN 18:00/START 19:00
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
日程:2017年1月14日(土)
会場:福岡 BEAT STATION
時間:OPEN 18:30/START 19:00
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
日程:2017年1月15日(日)
会場:鹿児島 SRホール
時間:OPEN 18:00/START 18:30
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
日程:2017年1月21日(土)
会場:名古屋 CLUB QUATTRO
時間:OPEN 17:00/START 18:00
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
日程:2017年1月22日(日)
会場:大阪 umeda AKASO
時間:OPEN 17:00/START 18:00
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
日程:2017年1月28日(土)
会場:松本Alecx
時間:OPEN 17:30/START 18:00
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
日程:2017年2月4日(土)
会場:東京・恵比寿 LIQUIDROOM
時間:OPEN 18:00/START 19:00
料金:ADV ¥3,600/DOOR ¥4,100
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