mysound SPECIAL INTERVIEW!! LITE

mysound SPECIAL INTERVIEW!! LITE

<FUJI ROCK FES.>など国内外のフェスに出演し、イギリスのブリストルで開催されたポストロックバンドが集結する<ArcTanGent Festivak2015>ではヘッドライナーを務めるなど、現在のインスト/ポストロック・シーンのキーマンとなったLITE。前作から3年5ヶ月ぶりとなるフルアルバム『Cubic』では、削ぎ落としたアンサンブルと磨き抜かれた一音一音が難解さを軽々と超え、音で会話するような愉快ささえ作り出しています。今回はニューアルバムのリリースを機に、ギタリストでメインコンポーザーの武田信幸に、彼が影響を受けた日本のアーティストをmysoundのアーカイブからチョイスしてもらい、ニューアルバムの曲作りにも影響を与えたアーティストやその音楽性についても触れるプレイリストを紹介します。









NEW RELEASE

INTERVIEW



  • 武田"「これ笑っちゃうよね」みたいなのはすごく大事"


    ――非常に楽しいアルバムになったなという印象を持ちました。

    すごく嬉しいです。前回『Installation』でできなかったことの一つに、どうしても僕一人のラップトップで完結してしまうようなところがあったり、レコーディング直前に作って、みんな個々に落とし込めなかった、プレイに落とし込めなかったところが、どうしてもあったんですね。で、アルバム作り終わった後もそういうディスカッションをして、もっと個々に落とし込んだ作品にしていこうって方向性が決まりました。その落とし込んだ曲っていうのは、アメリカツアーとか海外ツアー回った時に、ものすごい直接的にお客さんとつながれると思ったんですよ。

    ――今回は音そのものとか構成そのもので笑えるというか、すごく楽しくなれる部分が多いと思いまして。

    (笑)。そうですね、そうあってほしいですね。それはまさに結構前から僕らも言ってたことなんですけど、「これなんか笑えるよね」みたいな、っていうのが"Else"(1曲目に収録)だったと思うんですよね、一番最初にできた時、もう爆笑だったわけですよ、僕らの中では。なんか「これ笑っちゃうよね」みたいなのはすごく大事だなと思って。その後も曲作りの中でそれは息づいてるものがありますね。

    ――懐かしいワードですが人力ブレイクビーツ的な曲もありますね。

    "Warp"とかは、ブレイクビーツとかテクノというか、そういうところが多分着想だと思います。しかもどんな環境のライヴでも再現するというのが一つのテーマでもあったんで、シンセとかの上物を使わないという意味で、僕があえて歌うっていうのが必要だったんですよね。そこでもちょっと笑って欲しかったというか、「あ、LITE歌っちゃったよ」って(笑)。あと、タイトにすればするほどミニマルになっていくところもあるし、そういう冷たいような印象は・・・このアルバムの雰囲気からすると逆行してるみたいなんですけど、自分たちがやりたいものとか、作ってきたものだったんですよね。それって、ずーっとルーツを辿るとここ(影響を受けた音楽)に戻ると、54-71ってほんとに無駄を削ぎ落としていて、そういう潔い手法があることに感銘を受けてきたので。やりたいことって結局、そこに端を発しているっていうのがどうしてもあるので、今回の『Cubic』でそこに帰ってきた感じですかね。

    ――今回は新作にもつながる部分で、mysoundの楽曲の中から武田さんが「影響を受けた日本のアーティスト」をチョイスしていただきました。まずはtoe。

    僕らがインスト始めた時からいたバンドなので、「日本にもこういうバンドがいるのか」っていうのはすごい衝撃でしたよね。真似したいけど真似できない。toeでしかない曲だなっていう曲は、僕の中ではこの曲かなって感じです。

  • I Dance Alone Light On Light Mix/toe

  • ――次に挙げていただいた54-71はミニマルなアンサンブルが特徴です。

    最初は全然わかんなかったんですけど、やろうとしてることをだんだん理解するようになると無駄を削ぎ落としていて、かつ音楽で笑かそうとしてる活動自体に衝撃を受けて。僕らがタイトに曲をやっていきたいなってルーツがここにあるんです。

  • i’m in love/54-71

  • ――NUMBER GIRLとの出会いも時期的には近いですか?

    時期的には近いですよね。高校3年とか大学で聴いてて、「こんなに荒々しいバンドがいるのか」という感じで。あとは曲構成じゃないですかね。「これがいわゆるプログレッシヴな曲ってやつか」みたいな(笑)。プログレへの目覚めでした、当時は。

  • NUM-AMI-DABUTZ/NUMBER GIRL
    NUM-AMI-DABUTZ
    NUMBER GIRL

    • シングル
    • アルバム

  • ――他に近い時期に出会ったバンドと言えば?

    54-71と並行してdownyも一緒にやってるライヴを見に行きました。「これ日本語なんだ?」っていうのが衝撃で。日本語がこれだけ溶けてるっていうのは単純にすごいなと思いましたね。で、今回のLITEのアルバムで"Warp"って曲を作ってる時も少なからず意識したというか。「なに歌ってるかわかんない」みたいなところは、結構、引用させてもらってるところはあると思います。

  • 弌/downy
    downy

    • シングル
    • アルバム

  • ――そして人力トランスの元祖とも言えるROVO。

    LITE結成前の段階にも前身バンドが実はあって。その時はそれこそROVOみたいな人力トランスの曲をやってたんです。ひたすらミニマルで繰り返しで。その当時、実は僕も歌ってたんですよ(笑)。

  • 極星/ROVO
    極星
    ROVO

    • シングル
    • アルバム

  • 武田"挙げてきたバンドの中でも転機になったのは、僕の中では54-71"


    ――LITEの前身バンドへの影響が大きかったと。BOOM BOOM SATELITESのこの曲は初期のナンバーですね。

    それに加えてBOOM BOOM SATELLITESのこの曲を聴いた時には、ROVOとかの流れの中にこういう要素があったらかっこいいだろうなと思ってましたね。

  • Scatterin' Monkey/BOOM BOOM SATELLITES
    Scatterin' Monkey
    BOOM BOOM SATELLITES

    • シングル
    • アルバム
    • 着うた®

  • ――はっぴいえんどは少し意外でしたが、どんな影響が?

    はっぴいえんども今回の"Warp"を作ってた時になんとなくイメージしてたんですよね。単純なメロディで単純な言葉で、決して熱くないし冷たいんだけど曲はポップみたいなっていうところははっぴいえんど的なものを意識してたのかな?と今になって思いましたね。

  • Kaze Wo Atsumete/Happy End
    Kaze Wo Atsumete
    Happy End

    • シングル
    • アルバム

  • ――TM Networkは意外でした。

    実は物心ついた時に聴いてたようなバンドで(笑)、当時はCD屋に行ったらTM Networkしか売ってないと思ってたぐらい(笑)、うちにはTM Networkしかなかったんですよ。でもやっぱり・・・メロディセンスみたいなところは根底には絶対残ってるんですよね、それを素で出しちゃうと恥ずかしいことになっちゃうんですけど、あえてLITEの楽曲の中でそれっぽい乗せ方をするみたいな。だからギターのフレーズとかにもなんとなく乗ってるような気がしないでもないです。


  • ――ハイスタは存在ですか?音楽性というより。

    音楽性は今に直結はしないと思うんですけど、僕の世代でいうとハイスタが出て来た時が、一番日本のインディーズが盛り上がってたのかなって気がします。

  • STAY GOLD/Hi-STANDARD
    STAY GOLD
    Hi-STANDARD

    遂に2011年復活したハイスタの名曲中の名曲が配信開始!!

    • 着メロ

  • ――ブルーハーツも存在感でしょうか?それとも曲?

    すごい曲ですよね。これ、中学生ぐらいですね、人生変わったと思います。すごい単純なコード進行で1曲を作っていくっていうところが、幼心でなんとなくパンクに目覚めつつあったというか。こういう単純な、「下手くそでもバンドってできるんだな」みたいなのを教えてくれたのがブルーハーツだったのかな?って気がしますね。

  • 青空(デジタル・リマスター・バージョン)/THE BLUE HEARTS

  • ――10曲挙げていただきましたが、バンドの発端につながるとこで言えば?

    挙げてきたバンドの中でも転機になったのは、僕の中では54-71なんですよね。いろんな音楽を経て行かないとそこには行きつけなかったと思うので、それ以前の過去が起点としてありながらなんですが、そこがいわゆるLITEとしての一つの原点みたいなところになったと思うんですよ。結局やりたいことって形は違えど、方向性っていうのはこのあたりに帰ってくるのかな?っていうのを今回のアルバムを作って再認識したような感じですね。





ORIGINAL PLAYLIST

日本のアーティストで影響を受けた楽曲プレイリスト

DISCOGRAPHY

PROFILE

2003年結成、4人組インストロックバンド。これまでに4枚のフルアルバムをリリース。ポストロックというジャンルに位置づけられながらもエッジーなギターリフから成るオリジナリティ溢れる楽曲とエモーショナルでアグレッシブなライブは、ジャンルや国境を越えて国内外のリスナーから賞賛を浴び続けている。国内では、恵比寿LIQUIDROOMでの単独公演を成功させ、<FUJI R OCK F ESTIVAL>のRED M ARQUEEを満員にするなど、その評価は確固たるものに。また海外でのフェスティバルにも過去数多く出演し、イギリスのブリストルで開催された<ArcTanGent Festival 2015>では各国を代表するポストロックバンドが集まる中でヘッドライナーを務める等、国外での評価は日本のそれを越えつつある。活動10年を経てもなお、枠に囚われず柔軟に変化、成長し続けるバンドは、そのジャンルレス且つボーダレスな精力的活動により国内外問わず多くのファンを魅了している。

アーティストページ

LIVE

■<HELLO INDIE 2016>
日程:2016年12月10日(土)
会場:仙台市内5会場 (Rensa・CLUB JUNK BOX・PARQSQUARE・retro BackPage・SENDAI KOFFEE CO.)
時間:OPEN 13:00/START 13:30
料金:ADV ¥4,500/DOOR 未定


■<Red Rising>
日程:2016年12月12日(月)
会場:新代田 FEVER
時間:OPEN 18:00/START 18:30
料金:ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500


■"jizue 10th Anniversary
<What's Your Story>
日程:2016年12月23日(金)
会場:梅田 AKASO
時間:OPEN 17:15/START 18:00
料金:ADV ¥3,800/DOOR 未定


■<HELLO INDIE 2016>
日程:2017年01月14日(土)
会場:さいたま市内3会場 (KYARA・Ayers・DISK UNION北浦和店)
時間:OPEN 13:00/START 13:30
料金:ADV ¥4,500/DOOR 未定


■<LITE Cubic Tour 2017>
日程:2017年02月02日(木)
会場:梅田Shangri-La
時間:OPEN 19:00/START 19:30

日程:2017年02月03日(金)
会場:名古屋JAMMIN'
時間:OPEN 19:00/START 19:30

日程:2017年02月04日(土)
会場:渋谷WWW X
時間:OPEN 18:00/START 19:00

日程:2017年02月10日(金)
会場:広島4.14
時間:OPEN 19:00/START 19:30

日程:2017年02月11日(土)
会場:福岡UTERO
時間:OPEN 18:30/START 19:00

日程:2017年02月12日 (日)
会場:高松TOONICE
時間:OPEN 18:30/START 19:00

日程:2017年02月18日(金)
会場:札幌BESSIE HALL
時間:OPEN 19:00/START 19:30

料金:ADV ¥3,500/DOOR ¥4,000
発売日: 2016年12月3日(土)


詳細はオフィシャルサイトで

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