mysound SPECIAL INTERVIEW!! ミツメ


様々なアーティストにテーマに沿った選曲をしてもらうことで、その人ならではのリスナー体験や音楽にまつわる思い出を語ってもらうプレイリスト企画。今回は東京のインディ・シーンを拠点に活動し、6月8日(水)に通算4作目となるフルアルバム『A Long Day』をリリースする4人組、ミツメの登場です。

些細な変化が積み重なって気付けば全く違う風景に辿り着いていく、まるで「長い一日」のドキュメントのような『A Long Day』の楽曲は、ささやかながらも人を惹きつけてやまない楽曲で人気を獲得してきた、このバンド自体の魅力ともリンクするような雰囲気を持っています。

今回は大竹雅生(G, Key)を除いた川辺素(Vo, G)、ナカヤーン(B)、須田洋次郎(Dr)の3人に、それぞれ3曲ずつ「自分のルーツ」と言える楽曲を選んでもらいました。









NEW RELEASE

  • 『A Long Day』
    ミツメ

    2016.06.08 Release
    CD:MITSUME-014/PECF-1136/¥2,500(+tax)
    LP:MITSUME-015/PEJF-91013/¥3,000(+tax)


  • アルバム/A Long Day/ミツメ
    A Long Day
    ミツメ

    バンドで演奏することにこだわって制作した待望の新作!

    • アルバム
    • 10曲収録

INTERVIEW


  • ナカヤーン"『A Long Day』は夢を見ているような感じもあると思う"



    ――15年のシングル『めまい』は、多重録音を生かしてスタジオで出来ることを追究した前作『ささやき』とは対照的に4人の演奏に焦点を当てた作品になっていましたが、今回の新作『A Long Day』も引き続き、ライヴで再現可能なものになっていますね?

    須田:そうですね。ライヴに限らずとも、聴いた時に「4人で演奏している姿」が浮かんでくるようなものにしたかったんです。これは『めまい』の頃から出ていた話ですね。

    ――とはいえ、シンプルなアルバムかと言うとそうでもないというのが面白いです。たとえば、"漂う船"はインストゥルメンタルの8分弱もある曲になっていますし。

    ナカヤーン:それは曲と曲を「繋ぐ」ということを意識した曲でした。

    川辺:今回は、最近のライヴでもやっている「曲と曲の間を出来るだけシームレスに繋ぐ」ということをアルバムに持ち込みたいと思ったんです。そこで今回はレコーディング前に曲順を決めて、「この順番だから、この曲とこの曲の間はこうしよう」と作業をしていきました。DJミックス的とまではいかないですけど、「気づいたら場面が移り変わっていて、入口と出口とでは全然違うところにいる」。そういう感覚を出せたらいいなと思っていました。

    ――タイトルの『A Long Day』(=長い一日)も、そうした時間の経過を連想させるような言葉ですが、特にどんな部分がこのタイトルに合う作品だと思っていますか?

    川辺:たとえば、7曲目"漂う船"の長いインストには、暇で長い1日というか、「ぼーっとしていたら昼下がりから19時ぐらいになっていた」みたいな感じがありますよね。そこは『A Long Day』っぽいというか。

    ナカヤーン:夢を見ているような感じもあると思うんですよ。僕にとってはその夢の中で、色んな時間が移り変わっていくイメージですね。

    須田:僕も夢とか想像の一日の中で、「色んな場所で色んなことが起きて・・・」というイメージがあります。最初の"あこがれ"が朝たたき起こされるような感じで始まったとしたら、最後の10曲目"幸せな話"には一日の終わりのような雰囲気があるというか。まるで走馬燈のようなものを見ているような感じもあると思うんですよ。

    川辺"小さい頃は、カセットテープに好きな曲を入れて家の車で聴いていました"


    ――さて、今回は「メンバーそれぞれのルーツ」をテーマに選曲をしてもらいました。そもそも、みなさんは小さい頃からプレイリストを作るのが好きでしたか?

    川辺:小さい頃は、カセットテープに好きな曲を入れて家の車で聴いていましたね。竹内まりやとかSPEEDとか(笑)。(何か音源を手に入れると)何ヵ月も同じ曲がずーっと入っている、という感じでした。曲名は書いたりしてなかったですね(笑)。

    ナカヤーン:うちの家はスピッツのアルバムが沢山あって、それをずっと聴いていました。僕は曲名を書いたりもしていました。

    須田:きっとJ-POPについても、全員聴いていたものが近いんですよね。X JAPANとか。

    ナカヤーン:それは須田さんだけじゃない?(笑)

    ――(笑)。学生時代になると、友達と音楽を貸し借りして詳しくなっていくような体験をすることがあったと思います。そういう意味で印象に残っているのは?

    川辺:レンタルCD屋で借りてよかったCDを友達に薦めたり・・・買う事はもちろんですが、とにかく友達と自分であらゆる方法でレアな音源を手に入れたりしてました。

    須田:僕らは大学の同じバンド・サークルにいて、そこでは1年生として入るとまず、すごい量の音楽をみんなで聴いて、「この人とは趣味が合うから、今度ヨ・ラ・テンゴのコピーをしよう」という風に相手を探していたんです。メンバーを固定せずに、1回ライヴをしたらまた別のメンバーと演奏するようなサークルだったので、そのためにも音楽を交換し合って、お互いの音楽の趣味を把握する必要があったんですよ。

    川辺:あとは、当時の友達に、NUMBER GIRLのファンで向井秀徳が影響源として挙げている音楽なら何でも聴く子がいたんです。それを僕が教えてもらったりもして。それでひとつ、今回のプレイリストに選んだ曲も知りました。自分の好きなミュージシャンが聴いている音楽を聴くのは、大学生ぐらいだと一番いい方法かもしれないですよね。

    須田"タワー・オブ・パワーは<フジロック>のライヴに圧倒されて。そこからより好きになったんです。"


    ――では実際に1曲ずつ、その曲にまつわる思い出や、曲に感じる魅力について話を聞かせてください。まずは須田さんの1曲目、コモドアーズの"I Feel Sanctified"から。モータウンの曲ですね。

    須田:コモドアーズは最初、ケミカル・ブラザーズの『Exit Planet Dust(邦題:さらばダスト惑星)』の"Chemical Beats"に"Assembly Line"の声ネタが使われていて知ったんです。この曲では奇声しかサンプリングされてないので、「もとはどういう音楽なんだろう?」と思って聴いてみたら、好きになっていったというか。

  • サンクティファイド/The Commodores

  • ――ジョイ・ディヴィジョンの"Decades"はどうですか?

    須田:ミツメが2作目『eye』を出した辺りで、僕らや周りのバンドの中でポストパンクが盛り上がった時期があったと思いますけど、その時に改めてちゃんと聴いたりもしました。"Decades"はわけの分からない音が色々入っていて、その妙な雰囲気がすごく好きで。あと、これは『Closer』の最後の曲ですが、曲自体がすごく最後の曲っぽいんですよね。この曲があることで、アルバム自体もすごくいい終わり方になっていると思うんですよ。

  • Decades (2007 Remaster)/Joy Division

  • ―― 一方川辺さんの1曲目は、岡村靖幸さんの"ステップUP↑"です。

    川辺:岡村さんが00年代に復活するという話になった時に"ステップUP↑"が収録されている『家庭教師』のアルバム・ジャケットを見て、「何かやだなぁ」と思って(笑)。でもそれで借りてみたら、すごくハマったんです。結果、(東京のインディ・シーンの朋友として知られる)スカートの澤部くんとも岡村さんの話で意気投合したので、今の活動に繋がるルーツのひとつなのかな、と思って選びました。この曲は「バンド・サウンドにリズム・マシンが入っているのっていいな」と思うきっかけでもあって、それはミツメでも2作目以降試したことですね。あと、ここからプリンスにも興味が広がっていった部分もあります。日本の人でシャウトを楽器のようにガンガン入れる人ってあまりそれまで知らなかったので、そういう意味でも衝撃的でした。それから夢中になって色んな作品を聴きました。

  • ステップ UP↑/岡村 靖幸
    ステップ UP↑
    岡村 靖幸

    • ハイレゾ
    • ハイレゾアルバム
    • シングル
    • アルバム
    • 着うた®

  • ――ヴォーカル・スタイルとしては、川辺さんのものと全然違うのが面白いです(笑)。

    川辺:そこは影響を受けなかったというか(笑)。次のXTCは、さっき言ったNUMBER GIRL好きの友達から教えてもらった曲。その子はルーツを辿って音楽を掘り下げていくような聴き方をしていて、それは当時の自分にはないものでした。この曲はシンプルなバンド・サウンドで、ギター2本とドラムとベースという構成も今のミツメの雰囲気に近いと思います。続くロネッツの"Be My Baby"は、マーティン・スコセッシの『ミーン・ストリート』でも始まってすぐに流れますよね。ラヴソングなのにシリアスな映画に使われて、その映像と音楽が合わさった時に「すげーいい」と思ったんです。それに、インディ・シーンでビーチ・ポップが流行った時にも、その影響源の一つはロネッツだったりあの頃の空気にはすごくマッチしてましたよね。

  • English Roundabout (2001 Remaster)/XTC

  • ――ああ、なるほど。続くナカヤーンさんの1曲目はファウストの"krautrock"。これは4作目の収録曲です。

  • クラウトロック (2006 Digital Remaster)/Faust

  • ナカヤーン:クラウトロックから1曲選びたかったのでこの曲にしました。クラウトロックは自分の中で大きな存在で、ドイツ音楽の実験性や人を食ったようなスタンスに影響を受けたんですよ。クラウトロックって何にも影響を受けていないような雰囲気があるじゃないですか?

    ――アメリカ/イギリスとは違う場所で、変な音が純粋培養されたような音楽ですよね。

    ナカヤーン:そうそう。最初はカンやノイ!を聴いて好きになって、ファウストに本格的にハマったのは大学を卒業する頃だったと思います。アルバムとして今一番好きなのは3作目なんですが、今回は曲名からわかりやすいこの曲を選びました。

    ――次のミーターズはどうでしょう?

  • Cissy Strut/The Meters
    Cissy Strut
    The Meters

    • シングル
    • アルバム

  • ナカヤーン:ファンクはずっと好きなんですが、僕のファンク原体験とも言えるのが、ミーターズかスライ&ザ・ファミリー・ストーンという感じで、高校の時に出会って以来、とにかく聴きまくりました。このバンドはドラムが肝だと思っていて、フレージングやハット・ワークが好きなんです。

    ――そして最後はE-40 の"California feat. Dam-Funk & Ariel Pink"(15年)。これまで挙げてもらった曲は昔の曲ばかりでしたが、この曲だけ急に最近の楽曲で。


  • ナカヤーン:そうですね。デイムファンクが関わっている曲を選びたくて色々考えていたんですけど、この曲なら同時にヒップホップとかアリエル・ピンクとか(ゲームのサントラ派生の盤なので)ゲームとかが好きということも言えると思って選びました。

    ――確か、(モブ・ディープ、ナズ、ゴーストフェイス・キラー、スヌープ・ドッグなど様々なヒップホップ作品を手掛ける)アルケミストがプロデュースした曲ですよね?

    ナカヤーン:そうですね。ここでのデイムファンクは手弾きのシンセで前に出てくるようないつもの感じではなくて、楽曲自体もクールなビートになっています。アリエル・ピンクは・・・何をしているのかよく分からないですけど(笑)。

    ――確かに(笑)。

    ナカヤーン:声とか色々やっているんでしょうけどね。デイムファンクとアリエル・ピンクがバリバリのウェッサイラッパー(米ウェストコースト・ヒップホップ)のE-40と一緒にやっていること自体も面白いし、オススメの曲です。

    ――今回選んだものを見てみて、ミツメはどんなメンバーの集まりだと思いますか?

    川辺:たぶん、僕らはリスナーとしてジャンルとかをあんまり意識しないで聴いていると思います。とりあえず聴きます。「クラシックを聴いています」というメンバーはいないかなと思いますけど、みんなそれぞれ、自分が好きなもの/新しく出たもの/話題になっているものは自然に聴いているような感じなんですよ。

    ――ミツメの場合は特に、影響を受けた音楽がそのまま音に出てくるようなタイプではないように思えますね。今回挙げてもらった作品の中にも、きっとリスナーの人によっては予想していなかったセレクションだと感じる人もいると思いますし。

    川辺:そうですね。聴いて良いなと思った音楽が、そのままサンプリングのように自分たちの音楽に反映されていくのは、今やりたいことじゃないんだと思います。たとえその音楽を聴いてきたから出てきたフレーズであっても、僕らも意図していない形だったり、無意識で出てきているからこそ、自分たちの表現になるというか。だから、何かをモチーフにするために音楽を聴くことは少ないんです。それよりも、気心の知れた仲間とワイワイやりながら作っていく中で自然にその影響が出ているような音楽が出来ることの方が、僕らにとっては理想的なことなんですよ。


ORIGINAL PLAYLIST

ミツメのルーツとなった楽曲プレイリスト

DISCOGRAPHY

  • アルバム/A Long Day/ミツメ
    A Long Day
    ミツメ

    バンドで演奏することにこだわって制作した待望の新作!

    • アルバム
    • 10曲収録

PROFILE

2009年、東京にて結成。4人組のバンド。オーソドックスなバンド編成ながら、各々が担当のパートにとらわれずに自由な楽曲を発表し続けている。そのときの気分でいろいろなことにチャレンジしています。

ミツメアーティストページ

LIVE

■mitsume plays "A Long Day"
日程:2016年6月8日(水)
会場:渋谷WWW
時間:OPEN 19:00/START 20:00
料金:ADV ¥2,500/DOOR ¥3,000

日程:2016年6月9日(木)
会場:大阪Pangea
時間:OPEN 19:00/START 20:00
料金:ADV ¥2,500/DOOR ¥3,000


■DYGL "Don't know where it is" Release Tour w: DYGL
日程:2016年6月11日(土)
会場:名古屋CLUB UPSET
時間:OPEN 18:00/START 18:30
料金:ADV ¥2,500


■第4回テクノスバンドコンテスト 2016
日程:2016年6月12日(日)
会場:総合学院テクノスカレッジ内 テクノホール
時間:OPEN 12:30/START 13:00
料金:※観覧無料。当日にはInterFM897による公開収録も行われます。


■"A Long Tour" in Shanghai w: Gatsby In a Daze / schoolgirl byebye
日程:2016年6月18日(土)
会場:上海 育音堂
時間:OPEN 21:00/START 21:00/CLOSE 23:30
料金:105元/120元


■new solution 3 w: ayU tokiO
日程:2016年7月2日(土)
会場:原宿 ASTRO HALL
時間:OPEN 18:00/START 18:30
料金:ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500


■ミツメ "A Long Day "Acoustic Live
日程:2016年7月30日(土)
会場:NADiff a/p/a/r/t
時間:OPEN 15:30 / START 16:00
入場料:¥1,000(メール予約:¥1,500)


■A Long Tour
日程:2016年9月10日(土)
会場:仙台
時間:OPEN 18:00/START 19:00
料金:ADV ¥3,000

日程:2016年9月17日(土)
会場:札幌
時間:OPEN 18:00/START 19:00
料金:ADV ¥3,000

日程:2016年9月18日(日)
会場:福岡
時間:OPEN 18:00/START 19:00
料金:ADV ¥3,000

日程:2016年9月24日(土)
会場:名古屋
時間:OPEN 18:00/START 19:00
料金:ADV ¥3,000

日程:2016年9月25日(日)
会場:大阪
時間:OPEN 18:00/START 19:00
料金:ADV ¥3,000

日程:2016年10月2日(日)
会場:東京
時間:OPEN 18:00/START 19:00
料金:ADV ¥3,000

詳細はオフィシャルサイトで

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