NHK「みんなのうた」のために作った歌。「恋するニワトリ」「まっくら森の歌」に続く三曲目のみんなのうたでした。「好きな人といつも一緒にいたいから、しっぽになりたい」。なので、人間のしっぽのつもりだったのです。作った時は。でもアニメーションが猫のカップルだったので、猫のしっぽになりました。何のしっぽでもOKOKです。

スタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の劇中歌として、手嶌葵さんのために作曲した歌です。映画ではアカペラ、アルバム「ゲド戦記歌集」ではピアノ伴奏のみでしたが、わたしは実は手嶌さんのシングル盤の、寺嶋民哉さん編曲のバージョンが一番好きなのでした。ちなみに谷山バージョンのタイトルは、文字で見ると手嶌さんバージョンと同じですが、イントネーションが違います。「テ」が低くて「ルー」が高い。どうしてもそうなってしまうので、もうそういうことに決めました。

ある晩突然できてしまった歌です。急にわいてきたので、あわてて手元にあった銀行の封筒にメモしました。わたしの美意識が「これはボツ」とささやいたのですが（あからさまに変な歌でありすぎる、と思ったのです）なぜか捨てる気になれず、完成させました。橋本一子さんが「とても悲しい歌」と言ってくれて、初めて、ああこれ（も）自分のこと歌ってたんだなと気づきました。心にまもるくんを棲まわせている、全ての人に捧げます。

タイトルは悩みました。テレビのバラエティ番組を思い出すから。でもどうしてもこれしか考えられなかったので、えいやっとつけてしまいました。電磁波…見えない、さわれない、どこにもない、でも確かにある。受け止めるものがあれば、そこに突然のように光や熱や音や言葉を出現させる。電磁波というものの存在の不思議さにうたれて、この歌ができました。

スランプから抜け出して自由に歌を作れるようになった頃にできたアルバム「時の少女」のタイトルソング。若い頃のわたしは後ろ向きな奴で、幸せは続かない、愛も続かない、この世は何が何でも諸行無常、と信じていたので、こういう歌ができたのだと思います。