【第4回】Web版『エレキギターの教科書』~SALTY's塩澤(ピスタチオ小澤)の恵比寿リキッドルームまでの道~

 

12月18日(火)に恵比寿リキッドルームにてワンマンライブ「大さじ1000SALT」を開催する、よしもと発の塩顔男子エアバンド・SALTY's(ソルティーズ)。「チケット1,000枚売れなければ解散!」というノルマを達成すべく、ギター担当の塩澤(ピスタチオ小澤)はワンマンライブで本当のギター演奏を披露することを決意し、デビュー曲「ソルティードッグ」のギター演奏に挑戦中!
エアバンドのギタリストは本当にギターが弾けるようになるのか!?

第4回は、ついに「ソルティードッグ」のレクチャーが完了! 恵比寿リキッドルームへの道が開けてきた!?

今回もギター初心者の入門書『エレキギターの教科書』(ヤマハミュージックメディア)を使ってレッスンしていきます。

第4回レッスンダイジェスト動画

これまでの復習

レッスンもいよいよ佳境。まずは前回までのおさらいを兼ねて、質疑応答から始まりました。

塩澤「疑問を抱えてるところはないですけど…無理だなって。前回は本当に絶句ですよ。サビの部分で何も言えなくなっちゃった
え、大丈夫ですか!? 不安そうな表情の塩澤さんを見て、日頃ギター練習に付き合わされている塩チョ(西村ヒロチョ)のフォローが入りました。

塩チョ「練習ではスムーズに弾けている部分もあったので、できなくはないと思うんです」
塩澤「可愛い後輩だよ~」
塩チョ「だから、絶対にできてください(真顔)」
塩澤「厳しい後輩だよ~」


また、コードの鳴らし方について塩澤さんが悩みを吐露。焦ってしまうとつい余弦も弾いてしまうそうです。しかし「そこはもう、いいですよ」と先生。
「やった!」と塩澤さんも大喜びしていますが、本当に良いのでしょうか!?

先生が伝えたかったのは、できないところばかりに気を取られると先に進めなくなってしまうので、他の部分を進めつつ徐々に改善していくことが大切、ということでした。
塩澤「じゃあ、5弦も6弦も常に弾いていいってことですね」
だから、そういうことじゃありませんって! ピッキングする弦は常に意識しましょう。

プレイの悩みを先生に相談する塩澤さん

プレイの悩みを先生に相談する塩澤さん
 

今回新しく習ったコード

今回新しく覚えるコードはCm7とAadd9のみ。しかも、Cm7はBm7とC#m7の経過音として一度だけ登場するコードで、フォームはこれら2つのコードと同じ。Bm7を1フレット分ブリッジ側にずらすだけなのです。

今回習ったコード(1)

さらに、Eの別のフォームも覚えます。形としてはC#m7と同じフォームです。
塩澤「Eじゃなくなるんですか?」
コードフォームにはいろんなパターンがあるので、ポジションはC#m7と同じでも、解釈の違いでこの場合はEになるのです。
あ、塩澤さんが混乱して白目に…。

今回習ったコード(2)


難しいことはさておき、いろんなフォームがある中でたまたまC#m7と同じ形があって、今回は押さえやすいその形を使いましょう、ということです。
塩澤「へ~、変なの。でも面白い」
ギターの面白さを、ちょっとずつ感じてくれているみたいですね!

演奏する上では理解できなくても差し支えないのですが、一応コードの構成音や仕組みについて先生が解説してくれました。
塩澤さんは案の定、ポカンとしています。

塩チョ「肉じゃがとビーフシチューの材料が似ているのと一緒なんです。材料は同じで、味付けの違いで(響きの)雰囲気が違うだけで。和音(=コード)を組み立てる音が一緒なので、ここは同じでも大丈夫ですよっていうことです」
説明がうまい!
塩澤「なるほどね。全然わからないけど」
塩チョ「わかれよ!」


説明が理解できず白目になる塩澤さんと、懸命に説明する塩チョ(1)

説明が理解できず白目になる塩澤さんと、懸命に説明する塩チョ(2)

説明が理解できず白目になる塩澤さんと、懸命に説明する塩チョ

 

塩澤さんの哀しい暴露

ミュート(『エレキギターの教科書』p26より)

<音を消す(切る)ためのミュート>
楽譜には音符と休符があります。音符は弦を弾き、休符は弦に触れて音を切ったり消したりします。
弾いた音を右手の小指側(手刀部)を使ってミュートする方法は開放弦、または開放弦を含んだオープンコードをミュートするときなどに有効です。音を切るタイミングで右手を弦に当て、そのままピタッと手を止め、次にピッキングするとほぼ同時に手を離します。
左手によるミュートは 弦を押さえていた指の力を抜き、そのまま弦に触れておくことでミュートします。バレーコードの音を切るときはこの方法が有効です。単音の音を切るときは、より確実にミュートするため押弦していない指も使います。

ミュート(1)

ミュート(2)

薬指で5弦を押さえた状態から、薬指を6弦に移動し、弦に軽く触れてミュートする。

 

ミュート(3)

右手の手刀でミュートした状態。


まだ習っていなかったサックスソロ部分に挑戦。とはいえ、登場するコードはすでに習っているもので、リズムが他のパートと違うだけ。さっそく弾いてみましたが、しっかりコードを鳴らせました。
塩澤「よっしゃ~! 夜な夜な練習やってます」

そう言えば塩澤さん、以前はインスタライブ(※Instagram内での生配信)をよくやっていましたが、最近はあまり見かけませんね。
塩澤「インスタのフォロワーが8700人くらいいるんですけど、ギター練習でインスタライブをすると8人くらいしか見てなくて」

視聴率、約0.09%…。そこですかさず先生が「僕も結構見てますけど、多いときは20人くらいいますよ」と言ってくれましたが、フォローになってないです!
視聴者8人(うち1人は先生)という哀しい暴露もありましたが、きっと上達したらもっと増えるはず! 頑張りましょう。

サックスソロ終盤のスタッカートの部分で上手く音を切ることができず、苦戦する塩澤さん。ここは右手で音を止めるだけでなく、左手の力を抜いてミュートすることで上手くできるんです。Vol.2で解説した余弦を鳴らさないためのミュートとはまた違った使い方になりますが、とても大事なポイントです。
塩澤「ずっと塩チョが左手をクチュクチュやってたのは、それか!」

 

上手くできずに苦悶の表情…
上手くできずに苦悶の表情…。

 

リズムに躍動感を出すシンコペーション

今度はシンコペーションに大苦戦している模様です。でも、ぎこちないながらも少しずつ上手くなっています!短時間なのにお見事。
塩澤「そりゃあもう、こちとらギターやってますから。ギタリストですから」
 

シンコペーション(『エレキギターの教科書』p45より)

<シンコペーションを含むリズムパターン>
拍または小節をまたいで後ろに音をつなげることをシンコペーションと言います。これにより、リズムは前のめりに推進する印象を持ちます。下記の譜例は8ビートではもっとも多用されるシンコペーションのパターンと言っていいでしょう。カッコで記した空振りを含むことで右手の動きを一定に保ちます。

シンコペーション
 


 

この日一番の満面の笑み!

この日一番の満面の笑み!

 

恵比寿リキッドルームが見えてきた!?

練習中、ピックの持ち方について指摘される塩澤さん。Vol.1で学んだ内容ですね。できることが増えてくると、初歩が疎かになりやすいので気を付けましょう。
ひぃひぃ言いながらも、何とか「ソルティードッグ」を一通り教えてもらいました! ゴールが見えてきましたね。

塩澤「見えましたね、恵比寿リキッドルームが」
まぁ、厳密に言うとまだやってない部分もあるんですけどね。
塩澤「あれ?」
塩チョ「まだ代々木くらいですけど(笑)」


残るはコーダ(反復する)部分。このセクションでも塩澤さんの大好きな“ぷぅーーん”ことグリスが登場しますが、何と親指でやっています! 人差指や薬指でやるのが一般的ですが、親指でやりますか? トリッキーで個性はありますが…。
塩澤「じゃあ、人差指で(あっさり)」

こうして全セクションを演奏。今度こそ、リキッドルームが見えているはずです。
塩澤「見えたのか遠ざかったのか…」
塩チョ「目黒くらいまで通り過ぎちゃいましたか(笑)?」

不安そうな塩澤さんに塩チョが追い打ちをかけます。厳しい後輩ですね。
塩チョ「面倒くさいくらい、練習に付き合ってって言うんです。道のりは長いですけど、想像していたよりできているなって。パーツはできているので、それをどんどん繋げてミスなく弾けるようにするという新しい練習段階に入って頑張れば、大丈夫だと思います」
やっぱり優しい後輩でした。本番まで残り1カ月を切ってますから、頑張りましょう!

一人だけ恵比寿リキッドルームが見えている塩澤さん。謎のポーズです。

一人だけ恵比寿リキッドルームが見えている塩澤さん。謎のポーズです。

 

塩澤、欲張る!?

練習も終わりそうな雰囲気になっていましたが、実はこれまで教えていたリズムは簡略化したものだったと先生がカミングアウト。
塩澤「先生、僕気付いてました! 教えてください!」

簡略化していたというのは、つまりアップピッキングを省略してすべてダウンで弾いていたということ(ストロークの解説はVol.1参照)。
塩澤「塩チョにイントロを弾いてって言うと、勝手にこれをやるんですよ。ズルいんですよ。あれやられるとカッコいいから。僕もやりたかった!」
「まだ早いんじゃないかな~」
と心配する塩チョの予感は的中し、塩澤さん、いきなりテンパり始めました。でも、何だか楽しそうな表情です。

恵比寿リキッドルームが見えたこと、そしてギターの楽しさがわかり始めて、他の曲も弾きたいなどあれこれやりたいことを言い出しました。でも、どれも塩澤さんにとっては時期尚早。
まだ「ソルティードッグ」も完成していないってこと、忘れてませんか?

次回は最後の練習で、総仕上げに入ります。
果たしてきちんと仕上げることができるのでしょうか。

一時は調子に乗るものの、がっくり肩を落とす塩澤さん(1)

一時は調子に乗るものの、がっくり肩を落とす塩澤さん(2)

一時は調子に乗るものの、がっくり肩を落とす塩澤さん。

 

レッスン全編の動画はこちら!

 

Text&Photo:神保 未来

 

■講師プロフィール
阿部比呂史
『ギターマガジン』や多数の著書の執筆で知られる宮脇俊郎氏に師事。
宮地楽器で10年以上講師を勤めている他、都内でのセッションワーク、ギター雑誌、ムックやバンドスコアの執筆なども行っている。
ヤマハミュージックメディアの入門書「エレキギターの教科書」を執筆。

■「ソルティードッグ」楽譜も配信中!
今回のレッスンに使用している「ソルティードッグ」ギター譜を『ぷりんと楽譜』で配信中!
https://www.print-gakufu.com/scene/detail/2043/?ref=ms

■エレキギターの教科書
全ページオールカラーでDVD&CD付、スマホ対応動画は演奏者目線アングル! かゆいところに手が届く、いたれりつくせりの教則本が登場。これがヤマハ入門教則のスタンダードだ!!
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(ヤマハミュージックメディア/¥1,700+税)
http://www.ymm.co.jp/p/detail.php?code=GTL01095109
 

 

■SALTY’s
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<プロフィール>
世界初の塩顔男子4人グループ「SALTY's」(ソルティーズ)
Vo.塩村(テゴネハンバーグ・松村)、G.塩澤(ピスタチオ・小澤)、Sax./Fl./DJ 塩チョ(西村ヒロチョ)、B.塩野(ダイヤモンド・小野)
巷ではあっさりした薄顔イケメンを"塩顔"と称してブームが起きている中、彼らの人気も上昇中!芸人ならではのコーナー(塩喜劇)を交えたライブスタイルと、芸人らしからぬクオリティの高い楽曲でVo.塩村が手がける塩顔をテーマにした歌詞が彼らの持ち味となり、渋谷ヨシモトホールにて定期開催しているライブは、全て満席で立ち見が続出!!音楽イベントにも進出し始めている注目のバンド。
G.塩澤、B.塩野エアー演奏でライブを盛り上げ、Sax./Fl./DJ 塩チョは日本大学芸術学部音楽学科卒でサックスを専攻していた本格派。
Vo.塩村の甘く切ない声が見事にはまった楽曲で虜になること間違いなし!
昨年末には、2018年の年末にキャパ1000人のワンマンライブを成功!実現できなければ解散!とLIVEのMCで発表。
大きな目標を掲げ、背水の陣で挑む1年になる。

<ライブ情報>
【タイトル】SALTY's SP LIVE 「大さじ1000SALT」
1000枚売れなかったら解散!!
【会場】恵比寿LIQUIDROOM
【公演日】2018年12月18日(火)
【時間】18:30開場・19:30開演
【チケット】前売 3,000円 当日 3,500円 (ドリンクチャージ別)
チケットよしもと、メンバー手売りにて発売中
http://yoshimoto-me.co.jp/artist/saltys/news_detail/4779/

<NEW RELEASE>

Never 塩ding Story/SALTY's

<今回の課題曲>

ソルティードッグ/SALTY's