トップを目指す! 10代プロ対談 ~ギタリストHAL-CA (ASTERISM)vs 女子プロレスラー林下詩美~

「バトルミュージック」をテーマに掲げるASTERISMと闘う若手アスリートの対談企画がスタート。
第1弾は、ASTERISMのギター・HAL-CAと先日プロレスラーとしてのデビューを果たしたばかりの林下詩美選手が登場!

 

平均年齢16才という驚異の3ピースHR/HMインストバンドASTERISM(アステリズム)の紅一点。フロントマンでもある弱冠15歳の女子高生ギタリストが、HAL-CAだ。その超絶技巧は、世界的ベーシスト、ブーツィ・コリンズが「今年最高のバンドを日本で発見!」と自身のFacebookで動画をシェアし大絶賛。ついには8月22日に発売されるASTERISMのファーストアルバム『IGNITION』で、楽曲のプロデュースをするほどの惚れ込みようだ。

そんなHAL-CAと、同じく10代の女子プロレスラー林下詩美とのマッチメイクが実現! ビッグダディの三女として知られ、高校卒業後は妹弟の学費を稼ぐため1年間働いたのち、女子プロレス団体「スターダム」に入団。8月12日、新人離れしたスゴい試合でデビューを果たした女子プロレスラーだ。

10代でプロの道を歩き出した二人に、お互いのプロ意識から夢までをリングの上で大いに語り合ってもらった!

 

世界を視野に! スポーツにも通じる「バトルミュージック」とは?

世界を視野に!スポーツにも通じる「バトルミュージック」とは?(1)
対談は、林下選手の所属する「スターダム」の道場で行われた。

─まずはHAL-CAさんのバンドASTERISMの音楽性から聞かせてください。インストにこだわるのはなぜ?

HAL-CA:それはやっぱり、世界を目指しているからです。楽器だけで表現することで言葉の壁もないし、今までにない新しいことをやりたいという思いもあって、インストというスタイルでやっています。

「バトルミュージック」をコンセプトに、何かに向かって戦っている人や、これから戦いに向かう人を奮い立たせる、一歩踏み出す勇気になるような音楽を作りたいと思っています。

林下詩美(以下:詩美):私も聴かせてもらいましたけど、ギターの巧さも世界観もカッコよくて感動しました! 高校1年生なんですよね? 三つ子の妹と同い年……。とにかく、高校生の私じゃぜったいにできない音楽。とても年下には思えなかったです(笑)。

HAL-CA:私もプロレスを真剣に観るのは詩美選手の試合が初めてで、すごくかっこよかったし、力をもらいました!

─お二人がプロになる上で影響を受けたのは?

世界を視野に!スポーツにも通じる「バトルミュージック」とは?(2)

HAL-CA:
私はLOUDNESSのギターの高崎晃さんのプレイに衝撃を受けて、ギターを始めました。曲も大好きでたくさんコピーしましたし、今のプレイスタイルに高崎さんは大きな影響を与えていると思います。

あと、オリンピックとかスポーツの試合を観て作曲することもあるんです。相手を尊重しながらも死ぬ気でぶつかる選手の姿にはすごく勇気をもらって、もう涙も出てくるぐらいで。そんな感情を曲にすることが多いので、スポーツも作曲に影響してると思います。

世界を視野に!スポーツにも通じる「バトルミュージック」とは?(3)
 

詩美:私は家族の影響が大きいですね。父の影響で柔道を中学1年から高校3年まで続けましたし、プロレスを好きになったのも家族の影響で、そこから女子プロレスにもハマり、リングの上でキラキラしてる紫雷イオ選手に憧れて、今はここまで来ちゃいました(笑)。

父もDDTという団体でデビューしたんですけど、あの日は私の誕生日だったので、何か運命を感じます。プロレスとの出会いに始まり、その後もいい出会いがたくさんあって、今、ここでプロレスができている。なんか、すごいことですよね。
 

世界的なレジェンドがプロデュースする『IGNITION』

 

─ASTERISMの1stフルアルバム『IGNITION』には、なんとブーツィ・コリンズが参加!彼がFacebookで演奏をシェアしたのがきっかけですが、HAL-CAさんは彼のことは知っていた?

HAL-CA:お名前は知っていて、そんなすごいことが起こるなんてってびっくりしました(笑)! 今回のアルバムにも参加していただいて、すごくうれしいです!

─やり取りする中で、印象的だったことは?

HAL-CA:プロデュースしてくださってる部分に関しては、基本的におまかせです。ただ一番感じたのは、自分たちが作った曲なのに、ブーツィさんのプロデュースで「洋楽になってる!」ってことでした。

あと、ガンズ・アンド・ローゼズに在籍されていたバケットヘッドさんも演奏に参加してくれているんですけど、ギターソロがもう、宇宙空間のロボットみたいなんです! そういうところも衝撃でした。

─宇宙空間のロボット……とにかくすごそう(笑)。詩美選手はご存知ないと思いますが、プロレスで言えばハルク・ホーガンに「詩美の大外刈り、イイネ」と言われる感じでしょうか。

詩美:やばい、存在がデカイ(笑)! すでに世界に認められた腕なんですね。

世界的なレジェンドがプロデュースする『IGNITION』(1)

 

─そういう詩美選手も、デビュー戦にもかかわらず大技のアルゼンチンバックブリーカー(相手を担ぎ上げ背骨を攻める技)も披露したのは驚異です。

詩美:パワー系の技で勝ちたいと思ってたので、持ち上げました! 柔道時代から力がある方で、速く動くというより筋トレしてパワーばっかり付けてましたし、始める時から自分はパワー型なのかなとは思ってました。

─HAL-CAさんは自分に合ったスタイルを考えたりは?

HAL-CA:好きなものをそのままやってる感じです。ジャンルは基本的に何でも聴くんですけど、自分がやるならハードロック、ヘヴィメタルのインストだっていうのは変わらないです。

詩美:ギターの音もかっこいいけど、表情とか動きでも、すごく伝わって来ますよ。

HAL-CA:いろんなアーティストの映像を観て研究して、自分のパフォーマンスに取り入れてます!

 

 

厳しい道のりを支えてくれるものは?


─プライベートはどう過ごしているんですか?

詩美:私は家族と会うか、部屋に戻ってもごはん食べるか寝るかプロレス観るかっていう感じ。なんか男子高校生みたいですね(笑)。

HAL-CA:私は学校の勉強もバトルだと思ってるんで、留年しないように頑張ってます(笑)!でも基本的に勉強は苦手で……。

詩美:あはは! 勉強できそうに見えるけど。

HAL-CA:やればできると思ってるんですけど、なかなかやらないんですよね(笑)。でも夏休み明けからテストがあるので、今日もギターケースの中にテスト勉強の教科書を入れてます!

詩美:すごーい。私は勉強してもできないタイプだったので、勉強しないと赤点だけど、しても10点ぐらいしか変わらなくて(笑)。普段は制服?

HAL-CA:はい、昼間は制服着て自転車で学校に行ってます。

─今のメタルファッションからは想像できません(笑)。クラスのみんなの反応は?

HAL-CA:応援してくれてて、ラジオに出たりする時はみんな聴いてくれたりします。

詩美:私の友達も「好きなことできてよかったね」って喜んでくれてます。デビュー戦は高校の友だちも観に来てくれて、声援がリングにいっぱい届いて嬉しかったですね……!

─ちなみに聞いていいのでしょうか? 彼氏とかは……?

詩美:私は全然ですね。今がすごく楽しいので、いなくても全然いいって思っちゃいます。でもHAL-CAさん、モテそう。同じクラスにこんなコがいたら、ギター始めちゃいますよ!

HAL-CA:(笑)。私も、今は音楽に夢中です!

─お二人とも若くして自分の道を決めて、あえて厳しい道を選んだようにも見えます。

詩美:友達と遊ぶのが楽しい人もいるかもしれない。でもHAL-CAさんだったらギターがきっと一番だと思うし、それと同じように私もプロレスが一番楽しいことであり、やりたいことだったというだけですね。



厳しい道のりを支えてくれるものは?(1)厳しい道のりを支えてくれるものは?(2)
スターダムの選手の基礎練習メニュー


HAL-CA:分かります! 私もギターやってる時間が一番楽しい。ギターを弾くのもその音もすべてが単純に好きで、相棒みたいな感じです。

詩美:ギターは何歳から始めたんですか?

HAL-CA:10歳からです。

詩美:10歳で自分のやり込みたいものが見つけられるなんてすごい! その頃の私なんて明確な目標なんてなくて、奄美大島にいたから普通に木に登って遊んでましたね(笑)。

HAL-CA:木登り得意そうです!

─お二人にとって、辛い時に自分の支えになるものは?

詩美:私はプロレスが一番なんですけど、プロレスに負けず劣らず大事なのが家族。家族の支えがなかったら、デビューまで頑張れてなかったんじゃないかと思います。

HAL-CA:私も「うまくいかない」っていうことばっかりで……。練習してる時も、周りの人から見たらできてるように見えるようなんですけど、自分の理想には届かないもどかしさが常にあります。動画を撮ってパフォーマンスも演奏もチェックするんですけど、動きも音も全部ダメに思えて、自分との戦いみたいでキツいです。

それが救われる瞬間って、ライブでお客さんが盛り上がってくれたり、いい表情で観てくれている時。終わった後にTwitterで「力をもらった」「楽しかった!また観に来る」ってコメントを書いてくれてると、うれしくて涙が出てくる(笑)。そういうことで、また頑張れるって思います。

詩美:そこは一緒ですね。観て応援してくれる人がいないと、プロレスは成り立たない。声援が力になりますし、私にとってもお客さんってすごく大事な存在です。プロレスは攻撃ばかりじゃなく、相手の技をすべて受けてこそ自分の技が光ると思うし、それをお客さんが観て楽しんでくれてるのが、いい試合だと思います。

─相手の技を受けて返すのがプロレスのバトルですが、バンドメンバー同士でもバトルがあるのでは?

HAL-CA:そうですね。メンバーは最大の仲間であり、最大のライバルだと思っているので、常にバチバチのバトルをしている感じです。3人とも負けず嫌いで、楽器は違えどお互いに競い合いながら成長してきたバンドなので。でも口でバトルになることはなくて、黙って演奏で張り合うって感じですね。
 

 

詩美:ライバル、いいですね。スターダムの10期生は自分ひとりなので……。でも自分もプロなので、そういう意味では全員がライバル。デビューしたてだからできないとは言っていられない。もっと頑張って、一番注目される選手になりたいですね!
 

夢では終わらせない! プロとして成し遂げたいこと

夢では終わらせない! プロとして成し遂げたいこと(1)
初対面とは思えないスピードで意気投合する二人。どちらもハード系女子だけど、素顔はかわいい10代の女の子。林下選手のコスチュームにも描かれたハートポーズでキメ!


─ジャンルが違うとは言え、10代のプロに会ってみて、お互いの印象はどうですか?

HAL-CA:プロレスの映像を見せて頂いた時は、ちょっと怖い印象があったんですけど(笑)。お会いしてみるとすごく優しそうな方で。

詩美:優しいですよ(笑)! HAL-CAさんを動画で観た印象は、とにかくカッコイイ。実際会ってみたら、夢に向かってキラキラ輝いていて、すごい「青春」してますよね! 妹と同じ年なので、ちょっとお姉ちゃん目線になっちゃいますけど、大人びていてしっかりしてるなって思います。

─では最後にお二人の、近い未来に「すぐ叶えたい夢」と「将来の夢」を教えてください。

詩美:今はビッグダディの三女として認知してもらっていると思うので、まずは実際に試合を観てもらって、「プロレスラーの林下詩美」としてみんなに知ってもらうのが、近い将来の夢です。

大きい夢としては、やはりベルトを獲りたい。ベルトを獲ってどんどん強くなって、スターダムで一番の選手になって、さらに「女子プロレスと言えば林下詩美の顔が浮かぶ」と言われるような、大きい存在になることです。

HAL-CA:私はまず、ASTERISMのワンマンライブを成功させたいというのが、一番近い夢です。大きな目標としては、世界中の大きな会場やフェスで演奏をして周るバンドになることです。

もちろん、夢では終わらせないつもりです。最近はSNSもあるし、ASTERISMのFacebookは世界中から7万人ぐらいにフォローしてもらっていて、ライブの生配信をすると世界中から反響をいただいています。あとはその場に行って演奏するだけだって、楽しみにしているんです!
 

 


 

【PROFILE&INFORMATION】

●林下詩美
utami

ビッグダディの愛称で知られる林下清志の上から7番目の三女。2018年、STARDOM10期生として入団。8月12日に後楽園ホールでデビュー。

Twitter
https://twitter.com/utami0914
STARDOM OFFICIAL WEB SITE
http://wwr-stardom.com/

<参戦情報>
◆8月26日(日)大阪・世界館(大阪府)/12:00、17:00 
◆9月1日(土)横浜・ラジアントホール(神奈川県)/13:00 
◆9月8日(土)新木場1stRING/12:00 
◆9月9日(日)新木場1stRING/12:00 
◆9月15日(土)高岡エクール(富山県)/13:00 
◆9月16日(日)大阪市立生野区民センター(大阪府)/12:00 
◆9月24日(祝)後楽園ホール/11:30 
◆9月30日(日)名古屋国際会議場(愛知県)/12:00、17:30
 

●HAL-CA (ASTERISM)
hal-ca

Twitter
https://twitter.com/KURUMETAL4649
 

●ASTERISM


asterism

L→R:MIYU(B)、HAL-CA(G)、MIO(Dr)

 

福岡、佐賀を拠点にする平均年齢16歳の3ピースHR/HMインストバンド。
2014年に開催されたヤマハグループ主催の音楽コンテストThe 8th Music Revolutionで出会い、意気投合し結成。Facebook上に投稿した動画が話題となり爆発的に認知が拡散する中、ジェームスブラウンのバンド“JB'S” のブーツィー・コリンズが自身のFBで動画をシェアしたことからさらに拍車が掛かり、ページ内動画「155」は15,000,000人の目に触れ、現在も拡散され続けている。
2017年徳間ジャパンコミュニケーションズより5TRACKS ALBUM『The Session Vol.1』でメジャーデビュー。

2018年8月22日、待望の1st フルアルバム『IGNITION』をリリース!

ignition

◆オフィシャルサイト http://asterism.asia/

 


Text:明知 真理子
Photo:Great The Kabbukicho
Edit:仲田 舞衣
Special Thanks:STARDOM