mysound SPECIAL INTERVIEW!! For Tracy Hyde

mysound SPECIAL INTERVIEW!! For Tracy Hyde

話題のアーティストに、テーマに沿った曲を選んでプレイリストを制作してもらい、音楽的なバックグラウンドやパーソナルな側面を明らかにする本企画。今回は、昨年12月に1stアルバム『Film Bleu』をリリースした期待の若手バンドFor Tracy Hyde(以下、フォトハイ)から、夏bot(Gu)、eureka(Vo)、U-1(Gu)、まーしーさん(Dr)の4名が登場します。フランス語で「青春映画」を意味する造語“Film Bleu”で括られた作品群は、虚構としての青春と事実としての青春が、儚くも美しく混ざり合い「現実的ではあるのだけれど、どこか手が届かないさま」を叙情詩的に描き出します。前ヴォーカリスト・ラブリーサマーちゃんの脱退に伴い加入したeurekaをフロントマンとする現在の編成で辿りついた、ひとつの到達点。そのフォトハイ、気になるプレイリストは・・・?

NEW RELEASE

  • アルバム/Film Bleu/For Tracy Hyde
    Film Bleu
    For Tracy Hyde

    渋谷系とアニメを融合しアップデートしたインターネット世代バンドの新たな波紋For Tracy Hyde待望のファーストアルバム!

    • アルバム
    • 14曲収録

INTERVIEW


  • L→R : eureka(Vo),夏bot(Gu),U-1(Gu),まーしーさん(Dr)

    eureka "色んな人が聴いて、それぞれ思い入れを持ってもらえたらいいですね。"


    ――本作ですが、Twitterで「特にこれから青春を謳歌するであろう10代に聴いて欲しい」と仰っていたのが印象的でした。

    夏bot:何かを記憶・記録する媒体として、写真や映像が一般的じゃないですか。一方、音楽にも同じ機能があり、ある時代の空気が封じられていたり、個人の記憶と結びついていたりします。ソングライターの私としては、写真や映像に負けない音楽をつくりたいという気持ちがありました。それで、記憶を題材にするからには、ある年代や時期を扱いたいなと。10代にはリアリティを感じながら聴いて欲しいし、その他の世代にもノスタルジーを感じて頂けるような作品になったのかなと思います。

    ――新ヴォーカル・eurekaさんの存在は、作品にどのような影響を与えたのでしょう。

    夏bot:ヴォーカル選定にあたって、歌唱力はさておき、まずルックスが良くてポップアイコン足り得る人を入れたかったんです。eurekaは分かりやすい歌い方が印象的で、リスナーを選ばないのかなと思いました。良い具合に「虚構性」を引き立ててくれるのでは。あとは歌い方の真っすぐさを意識して、歌詞も以前よりストレートな表現が増えました。

    ――eurekaさん、実際に歌ってみた印象はいかがでした?

    eureka:抽象的なものが好きなので、以前の歌詞も好きでした。今はストレートになっているとは思うんですけど、まだ、どうにでも解釈できる部分が残っているのかなと。なので、歌っていても個人的な気持ちを込められるし、リスナー自身の個人的な気持ちも込められるようになっていると思います。

    ――今回は「リスナーにお勧めしたい10曲」というテーマでプレイリストを作ってもらいました。まずはeurekaさん。選んで頂いたのは、いずれも女性ヴォーカルの楽曲です。

    eureka:お休みの日にはずっと寝てしまうほど眠るのが好きなんですけど、夜になると目が冴えて、色々なことを考えて眠れなくなります。その間、空想に耽るんですけど、その時に合う曲がPredawnの"Sheep & Tear"。眠れないと、漠然とした不安とか、自分の不完全さを考えちゃうんですけど、そんな時にPredawnの曲はさまざまな思いを、「つらいなら、つらいままでいいよ」と包み込んでくれるんです。

  • Sheep & Tear/Predawn
    Sheep & Tear
    Predawn

    • シングル
    • アルバム

  • パスピエは、ポップで明るくてオリエンタルというイメージの曲が多いと思うんですけど、"わすれもの"は異端。私たちのアルバムにある "Emma"という曲と少し似ていて、バラードだけど変拍子で心が苦しくなる、という感じがすごく好きです。

  • わすれもの/パスピエ
    わすれもの
    パスピエ

    • シングル
    • アルバム
    • 着うた®

  • ――夏botさんの1曲目はチャプターハウスですね。

    夏bot:私は80~90年代のイギリスのロック、特にシューゲイザーやマッドチェスターがルーツですが、彼らはその両方の要素を持っています。すごくノイジーで耽美だし、メロディがポップ。"Pearl"に関して言うと、私たちは楽曲の大半がオマージュですが、この楽曲を下地に"あたたかくて甘い海"ができました。

  • Pearl (Edit)/Chapterhouse
    Pearl (Edit)
    Chapterhouse

    • シングル
    • アルバム

  • ――Galileo Galileiはバンドとして大きな影響を受けていますよね。

    夏bot:インディ・ロックに興味を持ったきっかけが彼らです。アニメのOPで"青い栞"が流れた時に、こういう引き出しのあるバンドなのかと、思わず背筋を正すくらい衝撃を受けました。ギター・ポップ然としていて、淡白でありながらエモーショナル。

  • 青い栞/Galileo Galilei
    青い栞
    Galileo Galilei

    僕らは必ず出会える…話題のアニメ「あの花」主題歌。

    • シングル
    • アルバム
    • 着うた®
    • 着メロ

  • The 1975は、楽曲ももちろんですが、MVやアー写などのヴィジュアルも含めて一貫したコンセプトがあり、抜かりがない。世間では明るくてダンサブルなイメージですが、歌詞では人の葛藤や苦悩を描いていて、"Pressure"はダークな雰囲気が際立っています。

  • プレッシャー/THE 1975
    プレッシャー
    THE 1975

    • シングル
    • アルバム

  • ――最後はフューチャースクリーンズの"All My Daydreams"です。

    夏bot:80年代のシンセ・ポップをアップデートしたアーティストの中で、彼らは飛び抜けて曲作りがきちんとしています。"All My Daydreams"は邦ロック好きも聴けるようなポップサウンドですね。

  • ALL MY DAYDREAMS/FUTURE SCREENS
    ALL MY DAYDREAMS
    FUTURE SCREENS

    • シングル
    • 着うた®

  • U-1"音楽は時代時代でアップデートされなければならないことを、色んなバンドが見習って欲しいですね。"


    ――U-1さん日本のロックバンドの曲ですね。まずは夜明ケマエ。

    U-1:夜明ケマエの"end"って、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの"Sometimes"、SPIRAL LIFE の"Nero"とすごく近いんです。"end"はこのふたつを組み合わせたハイブリッドで、フワフワしているんだけど希望をすごく感じる。曲も短くてすぐ終わってしまうんだけど、「エンド」なのに次につながる雰囲気があって感動を覚えました。音楽は時代時代でアップデートされなければならないことを、色んなバンドが見習って欲しいですね。

  • end/夜明ケマエ
    end
    夜明ケマエ

    • シングル
    • アルバム

  • ――クウチュウ戦はどうでしょう?

    U-1:クウチュウ戦は最近知ったんですよ!"お願いUFO"の何がすごいかというと、まあ、ほとんどの曲に言えるんですけど、プログレ的な展開なのにポップスのメロディであること。歌詞は藤子・F・不二雄のSF(すこし不思議)感があって、懐かしさと同時に感動も覚えました。

  • お願いUFO/クウチュウ戦
    お願いUFO
    クウチュウ戦

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    • 着うた®

  • ――まーしーさんが選んだスピッツの"プール"、これはシューゲイザーの影響を色濃く受け継いだ初期スピッツらしい曲です。

    まーしー:単純に、自分がスピッツの音楽で一番好きな曲で、初期のスピッツらしい"エロティシズムな"曲です。この曲に出会ったのが14歳頃、現実ではセックスとは相容れないピュアな時期でした。この曲の現実感のない妄想の世界という感じが好きです。

  • プール/スピッツ
    プール
    スピッツ

    • シングル
    • アルバム

  • The 1975は私の中でノスタルジックなスピッツとは対照的に現代的な印象のバンドです。この曲と出会ったのはGalileo Galileiホールコンサートで、彼らがこの"Chocolate"の日本語カバーを演奏していました。この曲に感銘を受けて調べてみたらThe 1975のカバーだった、という劇的な出会いでした。

  • チョコレート/THE 1975
    チョコレート
    THE 1975

    • シングル
    • アルバム

  • ――ちなみに、みなさんは今までプレイリストを作ったことってありました?

    まーしー:私はアルバムの曲の流れ(製作者の意図)を大事にしたいのであまり作成した経験はありませんが、他人のプレイリストを漁って新しい音楽を発見するということは多くあります。

    eureka:私、作ってました・・・。自分の中で似たイメージの曲をフォルダ分けして。例えば、その時の気分を、漢字1文字で表したものをいくつか作ってました。「鬱」とか(笑)。

    ――鬱(笑)。夏botさん、U-1さんはどうですか?

    夏bot:結構やってましたね。黒歴史っぽい話になるんですけど、シューゲイザーにハマっていた時、ニコニコ動画に色々なシューゲイザーの曲を詰め込んだ動画を何本もあげたりして。

    U-1:ちなみに!それで育ったのが僕なんですよ、高校時代。もともと彼は宅録をやっていたんですけど、僕が地元の徳島でニコニコ動画を漁っていると、Flipper's Guitar、SPIRAL LIFE の歌詞を動画の紹介文に載っけていたのを見て、「イキった音楽聴いてるやついるなあ」と思いながらもずっと聴いていたんです。それで今、そいつとバンド組んでる。何なんやろう。おかげで大学は留年して中退しましたけど(笑)。

MESSAGE

ORIGINAL PLAYLIST

For Tracy Hydeのおすすめしたい楽曲プレイリスト

DISCOGRAPHY

  • アルバム/Film Bleu/For Tracy Hyde
    Film Bleu
    For Tracy Hyde

    渋谷系とアニメを融合しアップデートしたインターネット世代バンドの新たな波紋For Tracy Hyde待望のファーストアルバム!

    • アルバム
    • 14曲収録

PROFILE

eureka(Vo)、夏bot(Gu)、U-1(Gu)、Mav(Ba)、まーしーさん(Dr)による5ピース・バンド。2012年秋、夏botの宅録プロジェクトとしてU-1と共に活動開始。ツイッターでメンバーを集めMavとまーしーさんが揃う。2014年、ラブリーサマーちゃん(Vo)が加入し、女性ヴォーカルの5ピース・バンドとして原形が出来る。同年5月に初の自主制作CDとなる1st EP『In Fear Of Love』を全国各地のレコード店にて無料配布。配信も含めて3000部近く配布し話題となる。同年8月には2nd EP『Born to be Breathtaken』をライブ会場限定にてステッカー、バッジ形態で販売。同時にiTunesで配信しオルタナティブ・チャートで最高4位を記録。2015年5月、ラブリーサマーちゃん脱退に伴い、新ヴォーカリストにeurekaが加入。シューゲイザーや渋谷系、60年代から現在までの様々な音楽を自由な発想で取り込み、中高生から〈Creation Records〉にリアルタイムで触れた40~50代まで、幅広いリスナーの日常に彩りを添える「21世紀のTeenage Symphony for God」を作り出す。

アーティストページ

LIVE

■<『Film Bleu』 Release Party>
日程:2017年1月22日(日)
会場:梅田 Noon+Cafe
時間:OPEN 18:00/START 18:30
料金:ADV ¥2,000 / DOOR ¥2,500


■<CINRA presents ex-PoP!!!!!>
<CINRA presents ex-PoP!!!!!>
日程:2017 年1月26日(木)
会場 : TSUTAYA O-nest
時間 : Open 18:30 / Start: 19:00
料金 : 入場無料 (without 2Drinks)


■<TOKYO MUSIC ODYSSEY 2017 NEW FORCE”>
日程 : 2017年3月5日(日)
会場 : SHIBUYA WWW X
時間 : 17:00開場 / 18:00開演
料金 : 料金:¥1,000-(NEW FORCE CDコンピレーション付、税込・ドリンク代別途)


■<Total Feedback>
日程:2017年2月25日(土)
会場:Koenji High
時間:OPEN 17:00/START 17:30
料金:ADV ¥2,500/ DOOR ¥3,000


詳細はオフィシャルサイトで

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