mysound SPECIAL INTERVIEW!! The Wisely Brothers

mysound SPECIAL INTERVIEW!! The Wisely Brothers

アーティストや著名人の方々にテーマに沿って選曲してもらい、その人と楽曲との思い出を紐解いていくプレイリスト企画。今回は東京を拠点に活動する3人組、The Wisely Brothersの登場です。16年はミニアルバム『シーサイド81』をリリースし、Helshinki Lambda Clubへのツアー参加などを経て、年末にはカジヒデキ主催の<BLUE BOYS CLUB 大忘年会スペシャル>への参加も決定するなど、今まさに飛躍を遂げつつある3人は、来年1月に『シーサイド81』にも収録の"メイプルカナダ"をアナログ・リリース予定。B面にはbeipanaによるリミックスも収録されます。今回はその発売を前に、各メンバーの「ルーツになった楽曲」を3曲ずつ選んでもらいました!











NEW RELEASE

INTERVIEW


  • L→R:和久利泉(Ba.Cho)、渡辺朱音(Dr.Cho)、真舘晴子(Gt.Vo)

    真舘"今の自分たちが表われているのはこの曲だな"


    ―― アナログ・リリースが決まった"メイプルカナダ"は、どんな風に出来たんですか?

    真舘:私は特に歌詞のことを覚えていて、「自分自身は今楽しいのに、何でこんなに暗いことを書いているんだろう?」という内容だったんです。でも曲が完成してライヴでもやるようになってから、その内容がぴったりくる時期が来て、本当に不思議でした。今では「歌詞もメロディも、今の自分たちが表われているのはこの曲だな」と思うようになりました。

    和久利:最初のヴァージョンだと、曲の最後が歌詞と一緒で落ちて終わるんですよ。でも今は最後に曲が盛り上がって終わるように変えているんです。

    渡辺:その方が、本当にこの曲でやりたかったことや、晴子が歌詞を書いた時の気持ちに辿りついたような感覚があって。(歌詞は暗いのに)曲が明るいまま終わったことは、今の自分たちに繋がっている気がしますね。

    真舘:サブテーマとしては、飛行機が滑走路をゆっくり動いて、だんだん加速して飛んでいく様子もイメージしました。2番に入ったら空の上で、どこに着くのかは自分次第という感じです。

    和久利:実際、完成してから3人で飛行機でも聴いたんですよ(笑)。

    ――(笑)。今回は「The Wisely Brotherusのルーツ」というテーマで3曲ずつ選んでもらいました。真舘さんの1曲目は、さっき話にも出てきたフランキー・コスモスですね。今年新作『ネクスト・シング』が話題になりましたが、これは14年のファーストの曲です。

    真舘:たまたま山崎まどかさんのブログを見た時に載っていて、すごく好きだと思ったんです。この曲が入っているアルバムをめちゃくちゃ聴いてました。ロマンチックな部分もコミカルな部分もあるのが好きですね。歌っていることは少し変なんですよ。でも愛おしい感じがあって、テンポもドラムの音も、ギターも全部好き。歳も近いし、「アメリカにこんな女の子がいるんだ」と思いました。BONNIE PINKさんの"Lie Lie Lie"は、この曲が主題歌だった中島らもさん原作で、中原俊さん監督の映画『Lie lie Lie』で知ったんです。映画のはじまりに、空き家みたいな家に住んでいる写植オペレーターの波多野さんが映る昼下がりの情景がすごく好きで。そこでこの曲が流れる。日本語を日本語らしく歌わなくていい、という感じがあって、言葉をありのまま出している雰囲気がたまらなく好きなんですよ。

  • Lie Lie Lie/BONNIE PINK
    Lie Lie Lie
    BONNIE PINK

    • シングル
    • アルバム

  • ――それは真舘さんのヴォーカルにも通じる部分かもしれないですね。

    渡辺:そうですよね(笑)。私たちも、歌詞を見るまで何を歌ってるのか分からない時があるくらいで。

    真舘:(笑)。次のパット・メセニーは、中学生の頃にジャズ・ライヴに行って、そこで誰かがサックスか何かでこの曲を吹いていたんですよ。中学校の頃に吹奏楽部で音楽は好きだったし、父のレコードからジャズもたまに借りて聴いてはいて、そんな中で、この曲のメロディに、「何て素敵なんだろう!」と思ったんです。それでパット・メセニー・グループのCDを聴いて「メロディって何て楽しいんだろう」と思いました。

  • ジェームス/パット・メセニー・グループ

  • 和久利:"「ベースってこんなことも出来るんだ」と教えてもらった"


    ―― 一方、和久利さんの1曲目は嘘つきバービーの"バビブベ以外人間"ですね。

    和久利:この曲は中学生の頃、最初に聴いた時の衝撃がすごくて何度も聴きました。ハマらなさが自分にはすごくハマったというか、今聴いても新しく感じるんです。嘘つきバービーは、音がかっこいいと思って聴いていたんですけど、次のフラワーカンパニーズは、歌詞がかっこいいと初めて思えた曲。この曲から音楽の違う聴き方を知りました。

  • バビブベ以外人間/嘘つきバービー
  • この胸の中だけ/フラワーカンパニーズ

  • ――この曲は、語りの部分にもメッセージ性がありますしね。一方、次のチャットモンチーはメンバー全員好きなバンドですよね?

    和久利:3人でコピーした曲です(笑)。"夕日哀愁風車"と迷ったんですけど、あの曲はあっこちゃん(福岡晃子)が「出来る全部を詰めた曲」だと言っていて、私が選んだ"少年のジャンプ"は、それが時代を越えて出来た完成形だと勝手に思っているんです。この曲をコピーした時、「ベースってこんなことも出来るんだ」と教えてもらった感じがした曲ですね。

  • 少年のジャンプ/チャットモンチー
    少年のジャンプ
    チャットモンチー

    • シングル
    • アルバム
    • 着うた®

  • ――渡辺さんも同じく1曲目はチャットモンチーで、曲は"コスモタウン"です。

    渡辺:これはバンドを始めることになって初めて合わせた曲です。私は小学生の時にピアノもやっていたし、吹奏楽部にも入って音楽はずっとやっていたんですけど、音楽にのめり込んだ時期があまりなかったんですよ。それでバンドを始める頃に3人でこの曲をやって、オリジナルを作り始めた時、気づけばドラムのほとんどがこの曲から出来ていました(笑)。最初はバンドというものも全然知らなかったんです。bonobosの"THANK YOU FOR THE MUSIC"は、この曲が入っている『electlyric』を人から3~4年ぐらい前に借りて、ずっと聴いている時期がありました。アルバム全体が好きですけど、つい最近一緒に神戸で共演することが出来て、この曲をやってくれて。メロディもすごく好きだし、改めて最高だなぁと思いましたね。

  • THANK YOU FOR THE MUSIC/bonobos
    THANK YOU FOR THE MUSIC
    bonobos

    TBS系「CDTV」5月度オープニングテーマ

    • シングル
    • 着うた®

  • ――そして最後は星野源さんの"くだらないの中に"ですね。

    渡辺:ライヴに行った時に「アルバムをなかなか作らせてもらえなくて、苦しんで苦しんで出来た曲だ」と言っていたんです。その時すでに自分もバンドをはじめて何年か経っていたので、苦しんでやってるんだぁと勝手に同じ気持ちになって。星野さんのような人でも色んなことを考えて、頑張っているんだなと分かって嬉しかった曲ですね。

    和久利:カラオケで同じ説明をしてから歌ってましたよ(笑)。

  • くだらないの中に/星野 源
    くだらないの中に
    星野 源

    • シングル
    • アルバム
    • 着うた®
    • 着メロ

  • 渡辺"演奏にもそういう雰囲気は出てるんじゃないかな"


    ――(笑)。今回お互いが選んだ曲を見て、どんな感想を持ちましたか?

    和久利:すごくらしいと思いました。プレイリストを作った時に、誰も何を選んだか言わないんですよ。でも、今リストを見て「なるほどなぁ」と思って。

    真舘:ひとりひとりが背負ってる要素が出ている感じがしますね。

    渡辺:演奏にもそういう雰囲気は出てるんじゃないかな、と思いますし。

    真舘:パット・メセニーは出てるかなぁ(笑)。

    渡辺:出てるよ!(笑)。

    ――もう年末ですが、今年はバンドにとって色んな可能性が開けた年だったんじゃないかと思います。The Wisely Brothersにとって、16年はどんな年でしたか?

    真舘:今年は、前よりも自分たちらしく出来たと思っているんです。向上心は持ちつつ、色んな人にアドバイスももらって、「どうやったら自分たちの最高の形を出せるか」を、ありのままで考えられたというか。それに、これまでの曲も今の自分たちらしくやれるような気がしているんです。1月のリリース・イベントでは、"メイプルカナダ"以外の昔の曲も違った感じで演奏できるんじゃないかと思いますね。



MESSAGE

ORIGINAL PLAYLIST

DISCOGRAPHY

PROFILE

2010年都内高校の軽音楽部にて結成。真舘晴子(Gt.Vo)、和久利泉(Ba.Cho)、渡辺朱音(Dr.Cho)からなるスリーピース・ガールズ・バンド。2012年初ライヴ開催。高校卒業とともに下北沢を中心に活動。2014年10月に初の全国流通盤『ファミリー・ミニ・アルバム』リリース。2015年12月ライヴ会場限定盤『オリエンタルの丘』リリース。東名阪ツアー<ファミリー旅行記>を大盛況に終える。また2016年7月には『シーサイド81』をリリース。今、さまざまなメディアでピックアップされる注目のガールズ・バンド。

アーティストページ

LIVE

■メイプルカナダ7inchアナログ発売企画<ブルーベリー急行>
日程:2017年1月19日(木)
会場:TSUTAYA O-nest
時間:OPEN 18:30/START 19:00
料金:ADV ¥2,000/DOOR ¥2,500


■<BAND WAGON>
日程:2016年12月17日(土)
会場:下北沢 THREE/BASEMENT BAR
時間:OPEN 12:30/START 13:00
料金:ADV ¥2,500/DOOR ¥3,000


■BLUE BOYS CLUB at astro hall<大忘年会スペシャル>
日程:2016年12月28日(水)
会場:原宿アストロホール
時間: START 18:00
料金:ADV ¥3,500/DOOR ¥4,000


詳細はオフィシャルサイトで

関連タグ