プリシラ・アーン LIVE REPORT

2016/5/25 @ビルボードライブ東京



水色のワンピース姿のプリシラ・アーンがサポートメンバーの3人と一緒に袖からステージに登場した。ギターを手にして「Red Cape」の演奏を始めると、透き通った美しい歌声が落ち着いた大人の空間に響き始める。2曲目はニューアルバム『LA LA LA』から明るく穏やかな「Forever & Forever」。‘今日のセットリストは皆さんからのリクエストで作りました’というMCの後、3曲目はスポットライトを浴びながら「Oo La La」を歌唱した。非常に柔和な楽曲で、会場の力みが抜けていくよう。


ここから前半は、楽器を電子ピアノに代えて、ハーモニーも美しく優しいバラード「I Don't Have Time To Be In Love」、日本語の言葉のやわらかさが彼女の声と相性がよい「Boku Wa Kuma」、再びギターに持ち替えて、高い声の美しさとはまた違った魅力がある低い声も聴くことができる「Masters In China」を順に披露。


続く「Living In A Tree」はギターの奏でるリフが印象の強い、楽しげでPOPな曲。ピアノに合わせて歌うスタジオジブリ映画『思い出のマーニー』の主題歌「Fine On The Outside」は、静寂そのものにやわらかく包まれるようでとても心地よい。続いて、コーラスとのハーモニーがやすらぎを与える落ち着いた曲「With You」。


ハーモニカを吹きながら歌う、ちょっぴりアンニュイな「Rain」の照明では、細かい雨がガラスにぶつかって、しぶきが飛び散ったような模様を背景に描いていた。終盤は、電子ピアノ3台で演奏した、歩いて行くようなイメージを受ける少しアップテンポの「You and Me」から、バンドメンバーの紹介を経て、静かで繊細ながら、ときに力強さも垣間見える「Dream」、‘目を閉じてあくびをしてもいいですよ’というユニークな曲紹介に続いて子守唄「In My Bed」と進んでいった。


彼女の子供の名前‘RIVER’にちなんで選曲したという「Moon River」のカヴァーをひとり、ギターで弾き語り本編を締め括った。
アンコールで3曲を演奏。「I Don’t think So」を除いた2曲は彼女自身も大好きというスタジオジブリ映画の主題歌でもあった「Country Road」「Hikouki Gumo」を自然な日本語で歌い上げた。繊細で美しい歌声と演奏の描く情景に浸ることができる贅沢なひとときだった。


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