第1話冒頭、ショパン・コンクールのシーンで一ノ瀬海が圧倒的な演奏を繰り広げたのが、このショパンの「エチュード 作品10-1」です。エチュードとは日本語で「練習曲」の意味。ピアノ演奏に求められるあらゆる技法が詰まったこの形式は、古来さまざまな作曲家が作曲を手がけてきましたが、ショパンによるこのエチュードは、とびぬけて華やかであり、弾く者に求められるテクニックも最高難易度が連続する作品として知られています。12曲からなる楽曲群の冒頭に置かれたこの作品10-1は、急降下する滝の動きを連想するところから、「滝」の異名をもち親しまれています。