Ryu Matsuyamaの素顔がわかる!『Leave, slowly』制作中によく聴いていた楽曲
mysoundイチ押しのアーティストにテーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードから本質を掘り下げていくプレイリスト企画。今回はピアノ・スリーピース・バンドRyu Matsuyamaの3人が登場。5月17日にリリースされた『Leave, slowly』の収録楽曲「In the beginning」はBSフジの旅番組『小林希 世界の猫宿』のテーマ曲に選ばれた話題作。さらに、<情熱大陸ライブ2017>の出演も決定!そんな、飛ぶ鳥を落とす勢いを見せている3人のテーマは「『Leave, slowly』の制作中によく聴いていた楽曲」。果たして、どんな曲が彼らに影響を与えたのかチェックしましょう。
L→R : Tsuru(Ba) , Ryu(Vo,Pf) , Jackson(Dr)
Ryu“「この作品はこうです」って言いたくない”
─<情熱大陸ライブ2017>のご出演おめでとうございます!
Ryu:ありがとうございます。いやぁ本当に嬉しいです。
Jackson:前々から「騙されたと思って、一度大きなステージに上がらせてください」って色んな人に言ってたので実現したのが嬉しいです。
─『Leave, slowly』は旅をテーマにした作品だそうですね。
Ryu:旅という自然を音でどう表せるかを追い求めた作品になってます。前作『Grow from the ground』の主人公が旅の中で見てきた風景を描きたいと思って、あえて前作と今作の2部作品にしています。
─最後が「In the beginning」で締まるのは面白いですね。
Ryu:旅って終わりに着いても、また始まりに戻るのではないかなと思ってて。終わらない旅ということで、『Leave, slowly』というタイトルにしました。
─結末に向かうワケではない、と。
Jackson:結末に向かっていたけど、そこに立った時に違う景色が広がっていて「あ、また始まりだ」と思った感じですね。
Ryu:僕の好きな映画って最後にどんな終わり方を迎えたのか定義付けしていない作品なんです。最後は人にお任せしますっていう。だから、僕らの音楽も「この作品はこうです」って言いたくないんですよね。
─そこに僕はグッときますね。最後のピースをはめるのは聴いている人っていう・・・。
Tsuru:スッゴイ良いこと言いますね。
Ryu:僕らがインタビューで言えなかったことを、訳してもらえました(笑)。
─あははは、光栄です(笑)。次はプレイリストについてもお聞きしますね。今回は「『Leave, slowly』制作中によく聴いていた楽曲」として3曲を選んでいただきました。まずはRyuさんから。
Ryu:カントリーなのに、ロックなのに、自然っていう不思議なバンドなんですよね。しかも男性の声と女性の声が入り混じったりして。特に参考にさせてもらったのは、テール感というか古い絵本を読んでいるかのような感じではなくて、少しロックに寄った感じ。僕のルーツにRadioheadがいるので、そういうものに近づけつつもOf Monsters And Menみたいな広がりにも影響を受けました。
Of Monsters And Men
─音の広がりっていうことでいうと、Coldplayはまさにそれですね。
Ryu:音の広がりといえばレジェンドですから。聴きながら、この音をどうすれば再現できるんだろうって考えましたね。特に「Life In Technicolor」は『VIVA LA VIDA OR DEATH AND ALL HIS FRIENDS』がリリースされた当時はインストだったんですよ。それで「良い曲なのに、なんで歌を乗せないんだろう」って思ったら、その半月後にEPが発表されて、やっぱり凄く良かったんですよね。
─インストの曲よりも、グッと良くなったんですね。
Ryu:そう。今のColdplayってデジタル音が多い印象があるんですけど、本来は生音に凄くこだわっているバンドなんですよね。
Coldplay
―3曲目は大分、毛色が変わりますね。
Ryu:映画「LIFE!」の主題歌なんですけど、コレを聴いた瞬間に全てが崩壊しましたね。Jose Gonzalezってガットギターと声だけのイメージだったんですけど、コレを聴いて旅へ出ようと思いました(笑)。もう一人、Dan Manganってミュージシャンがいるんですけど、この2人は旅の曲を書かせたら天才なんじゃないかと思います。あとはリズムですね。「なんで、ここにドラムなんだろう」とか、凄い参考にして聴いてました。
―この3曲で共通してることってありますか?
Ryu:Of Monsters And MenとJose Gonzalezはウーアーが魅力的。僕もウーアーを楽器として取り入れたいんですけど、この2組は理にかなって出来てるんです。Coldplayに関してはピアノの音ですね。あんなに音数があるのに、ピアノの音をなんで外に出せるんだろうって。(音の)ブレンドの仕方を凄く研究してますね。
Jose Gonzalez
Tsuru“僕らの曲は完成された音楽ではないので、むしろ逆の音楽を聴きたくなるんですよね”
─続いてはTsuruさんの選んだ3曲を紹介していただきます。3人の中で唯一、邦楽をピックアップしてますね。
Tsuru:僕は本当に雑食なので、スタジオへ向かう移動中に聴いていた3曲ですねRADWIMPSはもろに世代なので、何かに困った時は聴いてます。
♪光
RADWIMPS
―スキマスイッチは?
Tsuru:そうだなあ・・・(沈黙)。
Ryu:コレといって思い入れはないらしいっす(笑)。
Tsuru:まあ、リスナーとして聴いているだけなので。
―もうちょっとコメントくださいよ(笑)。
Ryu:TsuruちゃんがJ-POPを前々から良く聴いてたので、この選曲を見た時に、らしさが出てるなと思いますね。
Tsuru:僕らの曲は完成された音楽ではないので、むしろ逆の音楽を聴きたくなるんですよね。
スキマスイッチ
―最後は去年、JASRAC賞の金賞に輝いた「R.Y.U.S.E.I.」。
Tsuru:元々は聴いてなかったんですけど、たまたま機会あってライブへ行かせてもらったんですね。そしたら物凄い面白かったんですよ。それからちゃんと聴いてみたら、音も見た目もカッコイイなって。そりゃあヒューヒューやりたくなりますよ。
Ryu:J Soul BrothersもBIGBANGもトラックがカッコイイんですよ。
Tsuru:そうそう! めっちゃイイんです。
三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE
Jackson“今後もRyu Matsuyamaの音楽に活かしていきたいですね”
─最後はJacksonさんの3曲。Steely Dan縛りですね。
Jackson:一番好きなアーティストがSteely Danで、僕にとってのバイブルというか全てが詰まってます。レコーディングの時、元々いたドラマーをクビにして、違うドラマーに同じ曲を叩かせて一番良かった音を採用するっていうぐらいこだわっているバンドなんですよ。
Ryu:今作のレコーディング中、Steely Danの名前はよく出てきましたね。
Jackson:特に「Godwhacker」はドラミングに勢いがある曲なんですよね。
Steely Dan
Jackson:2曲目の「Home At Last」は跳ねたリズムが特徴ですね。Steely Danの歌詞ってRyuくんよりも、もう少し哲学的というか、叙情的で比喩も含まれてて何を言ってるかわからない色んな解釈があって。世界中にSteely Danの歌詞を研究したウェブサイトまであるくらい。
Steely Dan
Jackson:同じリフが続いてるのに、ちょっと明るくなったり、悲しくなったりするんです。同じコードなのに聴こえ方が変わるのが好きですね。
─Jacksonさんにとっては本当に重要なバンドなんですね。
Jackson:聴くたびに発見があるので、今後もRyu Matsuyamaの音楽に活かしていきたいですね。
Steely Dan
Ryu:プレイリストを見ていても思うことですけど、今回のアルバムは僕らの生き様が反映されたんじゃないかなって。僕は自分たちを表したくないと思っているんですけど、やっぱり作品には出てしまうので。
Tsuru:次回、プレイリストを見たら逆になってるかもね。
Ryu:俺がRADWINPS(笑)。そうなったら面白いな。
ORIGINAL PLAYLIST
『Leave, slowly』の制作中によく聴いていた楽曲プレイリスト
Ryu(Vo,Pf)
Of Monsters And Men
Coldplay
Jose Gonzalez
Tsuru(Ba)
♪光
RADWIMPS
♪奏(かなで)
スキマスイッチ
♪R.Y.U.S.E.I.
三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE
Jackson(Dr)
♪Godwhacker
Steely Dan
♪Home At Last
Steely Dan
♪Third World Man
Steely Dan
NEW RELEASE
Ryu Matsuyama
PROFILE
イタリア生まれイタリア育ちの Ryu(Vo.Pf)が2012年に「Ryu Matsuyama」としてバンド活動をスタートさせたピアノ・スリーピース・バンド。2014年、結成当初からのメンバーであるTsuru(Ba)にJackson(Dr)が加入し現メンバーとなる。2014年に1stミニアルバム『Thinking Better』を自主制作し、ライブ会場、iTunesで販売。2015年にはタワーレコードレーベルより2ndミニアルバム『Grow from the ground』をリリース。2017年5月17日、ミニアルバム『Leave, slowly』をリリースし、収録曲の「In the beginning」がBSフジ旅番組のテーマ曲に選ばれる。
LIVE
■情熱大陸 2017【大阪公演】
日程:2017年07月22日(土)
会場:大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場
時間:OPEN 11:30/START 13:00
料金:ブロック指定 ¥8,800/小学生 ¥1,200
■情熱大陸 2017【東京公演】
日程:2017年08月5日(土)
会場:東京・葛西臨海公園 汐風の広場
時間:OPEN 11:30/START 13:00
料金:ブロック指定 ¥8,800/小学生 ¥1,200
詳細はオフィシャルサイトで
Interview&Text:真貝聡
Photo:山口 真由子