突撃お宅訪問!トラックメイカーの音楽漬けの日常を覗き見!
インターネット環境の充実や優れた機材の登場で、自宅で音楽を制作することが容易な時代になりました。アパートの部屋から世界的なヒットソングが生まれても不思議ではありません!今回は、自宅で音楽制作を行い、日本最大級の音楽フェス<フジロック>への出演経験もあるトラックメイカー、「イーライ・ウォークス(eli walks)」のお宅に突撃訪問!実は彼、日本に居ながらもリモートワークでサンフランシスコに本社を置く音楽コンテンツを制作するソフトウェア会社「Smule」でエンジニア、コンポーザーとして活躍している「ジェフ・ラフキン」という顔も持っているんです。
そんな、2つの顔を持つ彼の音楽活動、仕事、日常生活を覗き見てみましょう! トラックメイカーが暮らしているのは一体どんな部屋なのでしょうか?都内の一室で音楽活動も仕事も行っているため、お部屋が彼の人生を表すものだそうです。今回は、そんな彼の聖域とも言えるご自宅に突撃訪問しました!
日常的に音楽が生まれるご自宅に突撃訪問!
東京・渋谷からほど近いエリアにあるオシャレなデザイナーズ・マンションに到着!
笑顔で出迎えてくれました。よろしくお願いします!
コンクリート打ちっ放しの整理の行き届いたお部屋で、必要最小限のものが整頓されていますね !
異彩を放っているのはやはりこちらの機材たち!
機材たちがお部屋の半分を占めていて、音楽中心という感じです。機材など制作環境については、後ほど詳しく伺うことにして、まずは、お部屋を拝見することにしましょう!
まずは、音楽制作のスペースから後ろに振り返ると、座り心地の良さそうな革張りのソファーが! こちらで仕事の合間に一休みするのでしょうか?
お次は外に目をやると。
見通しが良く、開放的で広いベランダが! 全く使っていないというピンクの自転車が置いてありました・・・。
ベランダからお部屋の方を向くと、気になる引き戸が。この戸を引いてみると・・・。
なんと、カウンタースペースに!
なんということでしょう! 絶妙な場所に間仕切りが設置されていて、どうしても出てしまう生活感を隠すことができるんですね。
そんな、オシャレキッチンを使って、どんな料理するのでしょうか。
「パスタ、中華、辛いアジア料理が好きなのでたまに作りますね。一人でビールを飲みながら焼肉をすることもありますね(笑)。「今日頑張ったなー」みたいなときに。」
頑張った日には、自分にご褒美をあげたくなりますよね(笑)。普段はクールなお仕事をしていても、意外と庶民的なところもあるんですね!
いよいよ、充実の制作環境を拝見
一通りお部屋の中を拝見したところで・・・やはり一番気になる機材に注目してみましょう!
Macbook Proを中心に大きなモニターが設置されていて、左右にはKRKのモニタースピーカーが。ご自宅ではヘッドホン2種類とこちらのスピーカーでチェックするそうです。
「このメーカー(Elektron)はアナログとデジタルの融合を考えているからシンセサイザー、ドラムマシーン、サンプラーも揃えています。」
お値段はかなりお高いものだとか・・・!
こちらの赤いギターは、彼の姉でもある歌手・OLIVIAが使っていたものだそうです!
そして一番使用頻度が多いという機材がこちら!
「これはMOOG Sub 37で普通MOOGは40万くらいするんですけど、これは2年くらい前にでて20万くらい。とにかく音が太くてMOOGの音はすぐにわかります。パソコンとか他の機材も使いますが比べ物にならないです。とにかく良いです! その他の機材も用途に合わせて使い分けています。」
とにかく「太い音」が特徴のMOOG sub 37が一番お気に入りの機材だそうです。どんな音なのか気になりませんか? こちらのデモ動画でそのサウンドをチェックしてみてください。
やはり、プロのお部屋はこだわりの機材が揃っていますね・・・!
お部屋を案内してもらい、機材も見せていただきました。お次は、ご自身の音楽活動についても少し聞かせていただきしょう!
イーライ・ウォークスとジェフ・ラフキン2つの顔
「イーライ・ウォークス」として活動を継続しつつも、「ジェフ・ラフキン」としてサンフランシスコのソフトウェア会社Smuleに所属し、ギターゲーム、ピアノゲーム、カラオケなどのコンテンツを制作している彼。
「以前は日本の曲を作るだけでしたが最近は会社のポジションも変わりました。今は、色々な新しい仕事を教わっているので早い時間からチャットでミーティングをしたり、会話をしたりしながら仕事をしています。でも、基本的にフリーランスなので自由度は高いです。」
現在は、Smuleの日本での事業を取り仕切る立場となり、サンフランシスコに本社を置く会社と頻繁にコミュニケーションをとりながら仕事しているそうです。日本にいながらも世界を相手に仕事をするなんて、かっこいいですよね!
では、アーティスト(イーライ・ウォークス)としての活動とSmuleでの仕事をどのように両立させているのでしょうか?
「仕事が終わったら、遅い時間まで自分の音楽をやります。全部合わせると16時間くらいになります。そうしないとイーライ・ウォークスなど自分のプロジェクトが全然進まないので。気が付いたら遅い時間になってしまいますね。そんな感じで仕事を8時間、自分のプロジェクトを8時間ということが多いですね。社交的なタイプではないので、平日はあまり人に会いません。ずっと部屋にいて仕事をしています。金曜になったら友人と飲んだりしています。ここが僕の人生ですね(笑)。」
1日16時間も音楽に触れているとは・・・驚きです
最後に、物件のこだわり、物件を選ぶ際のポイントを伺ってみました! 音楽漬けの日々を送っているプロの目線から物件を探す上で重要なポイントの1つとなる「音」についてのアドバイスに注目です!
物件のこだわりポイントは?
まずは、この物件に決めた理由から伺いました。
「一番目に見てこの物件に決めました。壁がコンクリートになっているので防音性もあるかなと思ったので。」
壁がコンクリートだと、アパートなどの賃貸物件で一般的な石膏ボードの壁と比べて圧倒的に防音性が良いですよね!
そして、実際に住んでみて気がついた、不便なところも教えてくれました・・・。
「大変なところはいくつかありますね(笑)。ガラス張りのバスルームとか(笑)。でも、バスタブは大きくて好きですね! 最初はガラス張りが良いと思ったんだけど今は不便ですね。逆に良いところは、やっぱりある程度大きな音を出せるところかな。」
オシャレなガラス張りのバスルームは特に友人を呼んだ際に不便なようです。いざ住んでみないとわからないこともありますよね・・・。
東京で音楽を仕事にするなら、どのエリアが便利なのでしょうか?
「渋谷エリアに近い方が良いかな、でも渋谷は少しうるさいので少し離れたエリアを選びました。そして、昔姉がこのエリアの近くに住んでいたので良いかなと思いました。」
東京ではライブハウスやクラブなどが多くある渋谷の近くがやはりオススメのようです!
自宅で音楽制作をする方が物件を探す際のポイントは?
「“Buy good headphones.(良いヘッドホンを買え)”ですね(笑)。制作するときに大きな音を出せないせいか、日本のビートシーンは少しベースが軽いと思う。<Low End Theory(※)>に行くとベースがドーンと響いてきますよね。でも、重いベース音を出すのは難しい環境だから「良いヘッドホンを買え」ということです!」
(※Low End Theory:Flying Lotusらを輩出したロサンゼルスのイベント。日本、ニューヨーク、サンフランシスコでも開催されたことがある。)
確かに住環境が音楽に影響を与えることもあるかもしれませんね・・・。
防音性の高い物件に引っ越すのは難しい・・・という方は、アドバイス通りヘッドホンに投資してみるのも良いかも?
現在はご友人からプレゼントされたというゼンハイザーのヘッドホン(HD650)とソニーのヘッドホン (MDR-7506)を愛用しているそうです!
今回は、世界を相手に第一線で活躍するトラックメイカーのご自宅をご紹介しました! 普段は目にすることのできない音楽制作の現場とそこでの日常生活を垣間見ることができたのではないでしょうか?
<eli walks>
音楽一家に生まれ幼い頃から多様な音楽に触れて育ったイーライ・ウォークス。姉は歌手のOLIVIA、妹のキャロライン・ラフキンはポストロックバンド、マイス・パレードのメンバーとして活躍しています。2006年にはサウンド・デザイン、プログラミング、エンジニアリング、作曲などを学ぶためにアメリカのカリフォルニア芸術大学に入学し様々な技術や音楽理論を学び現在の活躍の基礎となるものを習得。2011年には<SonorSound Tokyo>でサウンド・インスタレーションを展示。これまでにモードセレクター (Modeselektor)、デジタリズム(Digitalism)、ゴールド・パンダ(Gold Panda)らとも共演しています。2012年にはヘヴィーなビートとエレクトロニックサウンドが特徴のアルバム『parallel』をリリースし<フジロック>への出演も果たしています。
<LIVE>
■REPUBLIC × RHYTHMHOLIC
日程:2017年06月24日(土)
会場:渋谷WOMB
時間:OPEN 22:30/CLOSE 4:30
料金:ADV ¥3,300/DOOR ¥4,000
■dB #03 CLARK
日程:2017年06月27日(火)
会場:Contact
時間:OPEN19:00/CLOSE 23:00
料金:DOOR ¥4,000
Text:Qetic・Ryosuke Suzuki
Photo:大石隼土