男子が家事をする時はテクノが合う?lovefilmが選ぶ“家事をしながら聴きたい”10曲
mysoundイチ押しのアーティストにテーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードから本質を掘り下げていくプレイリスト企画。90S’のオルタナティブサウンドを体現するバンドlovefilmから、石毛輝さんと岡本伸明さんが登場。去年、彗星の如く現れた大型新人バンドが結成2年目を迎えて、初となるシングル『Haruka』をリリース。今作は、彼らなりの突き抜けたポップさと豊かな音楽性を更新する名盤だ。すでにFM石川の5月度パワープレイ「HELLO FIVE MUSIC PICK UP」に選ばれるなど、益々の活躍を期待されている2017年要注目なバンド。今回は「家事をしながら聴きたい曲」をテーマに、彼らが日常で聴いている音楽を探っていった。
石毛“昔に作った曲をもう一回、評価されるのは不思議な気持ち”
L→R : 岡本伸明(Ba,Syn), 石毛輝(Gt,Vo,Pr)
—表題曲の「Haruka」はthe telephones時代に作った曲なんですよね。
石毛:そうです。3~4年前に「Haruka」を作った時、ノブ(岡本)に聴いてもらったんですよね。僕は作ったことを忘れてたんですけど、1stアルバムのレコーディングをしていたらノブが「前に聴かせてくれた、あの曲良くない?」って言い出して。
岡本:初めて聴かせてもらったのが蕎麦屋で(笑)。1stアルバム『lovefilm』を作っている時、あの曲のことをふと思い出して、みんなにも聴いてもらったら江夏が「コレ、絶対に良い!」って気に入って。
石毛:その時はレコーディングが始まってたから、1stアルバムには間に合わなくて。録音する間にライブで揉んでいったんです。そしたら、スタッフから「この曲を軸にした作品を作ろう」と言われて、俺としては「えぇ!?」って感じで。
—なんで「えぇ!?」って驚いたんですか?
石毛:昔に作った曲をもう一回、評価されるのは不思議な気持ちだったんですよね。それで「Haruka」を軸にどんな3曲にしようか考えていきました。2曲目の「Amamori」は、これからのlovefilmのカラーになるような曲なので入れておこうと。3曲目の「Umineko」は「Haruka」、「Amamori」に対して、ちゃんと意味のある曲にしようと思って作りました。
—プレイリストについてもお聞きしますね。今回は「家事をしながら聴きたい曲」をテーマに挙げてもらいました。1曲目の『Cirrus』はTwitterやコラムでも度々紹介してますね。
石毛:Bonoboは洗い物をする時によく聴いていて、ミニマルな曲の方がミニマルな動きになって洗いやすいんですよ。
岡本:それはスゲーわかるなぁ(笑)。
石毛:音楽に合わせてね。それだけで洗い物が楽しくなるんですよ
Bonobo
—Phoenix の「J-Boy」は、5月11日にPVが公開になったばかりですね。
石毛:友達のDJからオススメされて聴きました。これは明るい曲なので、換気をする時に向いてますかね。晴れてる日に聴くことで、より晴れ晴れしい気持ちにさせてくれるというか、「今日は外に出ちゃおうかな」みたいな。
Phoenix
—次はガラッと雰囲気が変わった選曲で。
石毛:これは夜にする家事に合いますね。
—夜にする家事って?
石毛:夜ご飯を作る時かな。洒落た盛り付けをしたくなるというか、ちょっとベビーリーフを足す・・・みたいな(笑)。洋食を作る時に聴いてます。
♪I Stand Alone (featuring Common, Patrick Stump)
ロバート・グラスパー・エクスペリメント
—James Blakeは石毛さんらしい選曲だなって思いました。
石毛:そうですか(笑)。家事じゃないんですけど・・・家でお香を焚きながら「Retrograde」を聴いて、よくチルアウトしてます。煙たいポスト・ダブ・ステップ的なモノと相性がいいんです。歌を意識して聴かなくてもスッと入ってくるし、家の中の風景を意味のある景色にしてくれて心地いいですね。
James Blake
—The Cureは石毛さんのルーツとも言えるバンドですね。
石毛:The Cureは昔から大好きで、影響を受けたアーティストで5本の指に入ると思います。朝、シャワーを浴びる時に向う側から流れていてほしい音楽です。「よーし、やるぞ!」みたいな。Robert Smithが今日も俺に「頑張れ」って言ってくれてるつもりで聴いてます。
ザ・キュアー
—続いてはノブ(岡本)さん。コレもらしさを感じるテクノミュージックですね。
岡本:ダスキンをかけるのが大好きで、1日に2回ぐらいやってるんですけど、その時にめっちゃ聴きます。BPM速めなテクノなので、気合いが入るんですよね。
—結構、マメですね。部屋は常に綺麗なんですか?
岡本:床に髪の毛が落ちてると気になっちゃうんですよ。
石毛:プチ潔癖性だもんね。
岡本:ホント、すぐにダスキンをやるんですよ(笑)。そんな時は「0814」をかけながら。あとは洗い物をする時ですね。
石毛:テクノは(洗い物に)相性良いよね。
♪0814
Satoshi Tomiie
岡本“テレビや本棚の掃除をするのに「Australia」はめっちゃ合ってます”
—次は名前の通りですけど、テクノポップの元祖と言われている「Techno pop」。
岡本:Kraftwerkって、ジャガイモとか人参の皮をむく時にすっごい良いんですよね。
—それは集中するってこと?
岡本:そうそう!集中できるからですね。音楽によって全然違うんですよ!
石毛:分かる!ロックだったら皮が厚くなったり、薄くなったりするけど、テクノだと均等にできるよ。
岡本:ジャガイモの角とか皮をむきにくいじゃないですか。俺はツルツルにむきたいんですよ。そんな時にオススメです・・・なんか俺が潔癖性みたいになってないすか(笑)。
石毛:良いんじゃない。そこがメディアで暴かれるのは初じゃん。
♪Techno Pop (2009 Remastered Version)
Kraftwerk
—The Shinsの選曲理由は?
岡本:またダスキンの話になっちゃうんですけど、あのモップって大小の2種類あって。窓を全開にして、小さいモップでテレビや本棚の掃除をしたい時に「Australia」はめっちゃ合ってます。
The Shins
—PAELLASに関してはいかがですか?
岡本:若手のバンドなんですけど、むっちゃカッコイイんですよ。髭剃ったりとか、美容ケアをしたりとか、髪の毛をセットする時にめちゃめちゃハマるんですよね。
—・・・それって家事?
岡本:あっ、いや違うかも(笑)。
PAELLAS
—最後のShin Nishimuraもテクノ界の重鎮的存在ですね。
岡本:俺らがプライベートなDJをやる時に、よく流してて。野菜じゃなくてお米を炒める時に聴いてます。なんかパラっとした感じに・・・。
石毛:(小声で)パエリア、パエリア!
岡本:うわぁ!それにかければ良かった!!
SHIN NISHIMURA
—それぞれ5曲ずつ紹介していただきましたが、「家事をしながら聴く音楽」というのは、何がポイントになると思いますか?
石毛:変にメッセージ性のない方が合うと思いますね。ちゃんと聴かなきゃいけない音楽ってあるじゃないですか。それよりは、ちゃんと日常に溶け込むというか。
—今作はFM石川でパワープレイに選ばれたわけじゃないですか。きっと、家事をしながら聴く人も増えるんじゃないかなって。
石毛:その人の日常に入れたなら、かなり嬉しいですね。ラジオのように、何の知識もない状態で聴いて気に入ってもらえるのは、ある意味で理想的な聴き方だと思います。
ORIGINAL PLAYLIST
家事をしながら聴きたい曲
石毛輝(Gt,Vo,Pr)
Bonobo
Phoenix
♪I Stand Alone (featuring Common, Patrick Stump)
ロバート・グラスパー・エクスペリメント
James Blake
ザ・キュアー
岡本伸明(Ba,Syn)
♪0814
Satoshi Tomiie
♪Techno Pop (2009 Remastered Version)
Kraftwerk
The Shins
PAELLAS
SHIN NISHIMURA
NEW RELEASE
lovefilm『Haruka』
2017.05.24(水)Release
lovefilm
DISCOGRAPHY
lovefilm
PROFILE
現在活動休止中であるthe telephonesの石毛輝・岡本伸明を中心に江夏詩織を迎えて結成された3人組オルタナティブバンド。2016年3月に活動を開始するや否や、数多の国内大型フェスに出場。同年8月に1stアルバム『lovefilm』をリリース。11月にワンマンツアー<livefilm>を東名阪で開催するなど精力的に活動を行っている。
lovefilmアーティストページ
オフィシャルホームページ
http://lovefilm.jp/
LIVE
■UKFC on the Road 2017
日程:2017年08月16日(水)
会場:新木場STUDIO COAST
時間:OPEN 12:30/START 13:30
料金:ADV ¥4,800/DOOR ¥5,300
詳細はオフィシャルサイトで
Interview&Text:真貝 聡
Photo:Naoto Kudo