マニアが集う“注文の多すぎる料理店”~サザンオールスターズ編~


今回やって来たのは、東京・豊島区の雑司が谷。学習院大学と鬼子母神堂のある、格式と伝統の漂う地域だ。その一角にある、サザンオールスターズ(以下、サザン)の熱いファンたちが集う飲食店、それが『happy』だ。サザンのアルバムと同じ店名から、すでにサザン愛がほとばしる! では早速、訪ねてみよう。

サザン愛で結ばれた伴侶とともにサザン愛溢れる店をオープン。まさに“サザンのある人生”だ!


―こんにちは~! mysound編集部でーす!



奥様:あっ、いらっしゃい! わざわざどうも〜!

ご主人:……どうも(ちょっとシャイな感じで)。

ややテンションに差があるものの、にこやかに迎え入れてくれたのはオーナーシェフの白根修さん、そして奥様の真美さんご夫婦だ。店内に入るや、サザンのCDやTシャツ、グッズ、ポスターなどがそこかしこに鎮座。聴こえてくるBGMも、もちろんサザン。まさにサザン尽くしだ。





―えーこちらは、洋食レストランってことで、いいんですよね。

修さん:
はい、そうです。

―そもそもどういう流れでこうしたユニークなお店を?

修さん:
う~ん。まぁサザンが好きだからこうしたってのもあるんですけど、そんなに深い理由はないんです。



―深い理由はない、というと?

修さん:
僕は某ホテルのレストランに15年ほど勤めていて、8年前にここでお店を始めたんですけど、単純に店内でサザンが流れてたら楽しいなと思って(笑)。あと家にも私物がいろいろあるから、眠らせておくのは勿体ないんで、店に持ってきちゃいました。

―ご近所さんなんかは最初、どういう反応でした?

修さん:
飲食店には思われなかったみたいですね(笑)。なんか変わってる店だとは思われていたみたいです。

―確かにパッと見、洋食店には見えないですよね。奥様はどう思われたんですか? あ、あれれ、いない(苦笑)。

修さん:
嫁は最初から割と面白がってくれていました。「普通にやるよりも良いんじゃないの」って。インパクトもあるし。親の方が心配したかもしれませんね。でも、そもそもは味で勝負しようと思っていたから、普通にお客さんは来てくれましたよ。

―なるほど。ご主人は、いつ頃からサザンが好きになったんですか?

修さん:
中2くらいですね。最初に好きになったのは『KAMAKURA 』(’85年リリースの8thアルバム)かな。コンピューターとか、聞いたことのない音を使ってるのが衝撃で。
    • KAMAKURA/サザンオールスターズ

      アルバム

      2,700

      KAMAKURA
      サザンオールスターズ

  • ─『KAMAKURA 』は当時、電子楽器を大胆に導入したアルバムです。ドラムマシン、サンプラー、シンセ…。

    修さん:そうなんですよね。あとは「ラチエン通りのシスター」(‘79年)はずっと好きですし、「夕日に別れを告げて」(‘85年)なんかは、聴くと自分の学生時代を思い出します。本格的に好きになったのは18、19歳かな。ライブに行くようになった頃からですね。

  • ─例えば、ライブで聴いて好きになった曲ってありますか?

    修さん:
    うーん。なんだっけな〜。ね〜!(奥さんを呼ぶ) ちょっと!

    ─え? 18、19歳から奥さんとお付き合いを?

    修さん:
    そうです(笑)。ウチ長いんですよ。もう結婚して25年目で。嫁とは高校の卒業旅行でスキーに行った先の旅館で知り合ったんです。それで「サザン良いよね。ライブ行こうよ」って感じで……。

    ─じゃあ、付き合ったきっかけも、サザンのコンサート!?

    修さん:
    そう。西武球場でね。土砂降りだったんだけど、ライブに行ったのは初めてだったし、興奮しちゃって。


    真美さん:なーに? あ、コンサートの話? あの時は、運が良くて10列目だったんですよ。それもあって盛り上がりましたね。私は、やっぱりアルバム『10ナンバーズ・からっと』(‘79年)が好きですね。全曲、全部が好き!

  • ─お互いサザンが好きで、サザンのコンサートが初デートで結婚につながり、サザンで溢れるお店をオープンしたと。

    修さん:
    あははは。まぁそうですね。

    ─お店にはやはりサザンファンのお客さんも多くいらっしゃるんですか?

    修さん:
    多いですね。北海道や大阪から、東京出張の時に寄ってくれる方がいたりとか。好きな曲がかかると歌ってたりして(笑)。

    真美さん:ドームでサザンのコンサートがある時はすごいですよ。終わった後、地方からのお客さんがたくさん立ち寄って下さるので、店内がスーツケースだらけになります。


    ─サザンを通して、お客さんとも仲良くなったりも?

    修さん:
    それはもちろん。大体、皆さん話しかけてくれますね。「あのコンサート、行きました?」とか。

    真美さん:チケットを譲ってもらって、お客さんと一緒にコンサートに行ったこともありますよ。

    修さん:グッズもよく頂くんですよ。スタッフジャケットとか、ポスターとか……。店内に飾っているものの中にも頂いたものは結構、ありますね。

    一番のお宝はお客さんから頂いたというTシャツ。会報誌「代官山通信」の100号を記念して作られたもので、かなりレア!

    ─ちなみに、メニューにサザンにちなんだお料理は?

    真美さん:
    ないですね。いや、考えたことはあるんですよ。ジャコサラダを「ジャコの海岸物語」って呼ぼうかとか。でも、店内がこれだけサザンをアピールしてるから、メニューまでそれやっちゃうとさすがにお客さんが引いちゃうかなって……。

  • 修さん:と言いながら、「タイシタ」(サザンのレーベル名)にちなんで、コースに「鯛(タイ)」を使ったメニューは入れたりしてますけどね。でも、それは今後、考えてみます。ちなみに、料理名にはつけていませんけど、「栞のテーマ」(‘81年)にちなんで次女の名前は「栞」と名付けました(笑)。これだけは、どうしてもつけたかったんです……。

まるで桑田とハラボー! おしどり夫婦が作り出す「happy」な空間


修さん:本日はオムバーグとマグロカツレツをどうぞ。どちらも普段から最もよく出るメニューです。

マグロカツレツ 880円(税込)
カリュとした食感とジューシーなマグロの赤身が絶妙。2種類のソースで味わえる。

オムバーグ 1150円(税込)
トロトロのオムレツとハンバーグがデミソースで一体に。一番の人気メニュー。

─ちなみにメンバーや関係者がいらっしゃったことは?

修さん:
メンバーの方は来たことないけど、コンサートのサポートメンバーの方はいらっしゃいましたよ。近くのスタジオにいたみたいで、その流れでいらして。すごく驚いちゃいました。


─もし桑田さんがいらっしゃったら?

真美さん:
実際にいらして頂けたら、もちろん嬉しいですけど、これまでとは違って見えそうで。ファンだからこそ、遠い存在のまま追いかけたい気もするんで、今のままでいいかなって気がしますね。

修さん:うん、憧れですからね。

─お二人にとって桑田さんの一番の魅力とは?

修さん:
かっこいいだけじゃないところ。3枚目な面もあるし。

真美さん:私は脇目もふらず、好きなことを楽しくやり続けているところですね。下ネタの曲とか……人前で聴くと恥ずかしい曲も、楽しくやってるのは本当にスゴい。

【サザンが誇る“下ネタ”名曲選】

  • 【桑田佳祐名義の“下ネタ”新境地】

  • ─では最後に、ご主人にとってサザン、桑田佳祐さんは、どんな存在でしょう?

    修さん:
    うーん。やっぱり……憧れですね。来年でデビューから40周年ですよね。年齢も、還暦を超えても未だに元気よく、新しい作品を作り続けている。僕らもあんな風に元気よく、良い料理と良い場所を提供することにこだわって、息の長いお店としてやっていきたいですね!



    ●happy〜みんなのkitchen
    住所:東京都豊島区目白1-7-18 佐藤ビル1F 電話番号:03-5954-5997
    営業時間:ランチ:11:30~14:30(LO14:15) ディナー:18:00~22:00 (LO21:30)
    定休日:日曜日(祝日はディナーのみ営業)


    Text:大野 智己
    Photo:渡邉 眞朗

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