YOUR SONG IS GOODの今のモードが分かる「シンプルに好きな曲」


mysoundイチ押しのアーティストにテーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードから本質を掘り下げていくプレイリスト企画。今回は人気オルガンインストゥルメンタル・バンド、YOUR SONG IS GOODの登場です。パンク、スカ、ソウル、ジャズなど様々な要素を取り込んできた彼らは 前作『OUT』でダンス・ミュージックに接近。最新作『Extended』では、すべての要素が渾然一体となった、より自由な音楽を手にいれています。今回はリーダーのサイトウ“JxJx”ジュンさんに「シンプルに好きな曲」というテーマで10曲を選んでいただきました。

“昔はよくメンバー間でも音源を交換していましたね。”


―サイトウさんは小さい頃や学生時代、プレイリストを作った思い出はありますか?

やっぱり、やりますよね(笑)。自分でプレイリストを作ったり、友達にも作ってもらったりして。自分の場合は、友達から音楽を教えてもらう機会にも恵まれていたと思います。僕自身色々聴いているタイプでしたけど、自分の未知なるジャンルに詳しい人と出会って、“こんなのがあるよ”と教えてもらうことも多くて。それが自分の好きな音楽を広げてくれた感じがします。バンドメンバーももとは学生時代の友達だったりするので、昔はよくメンバー間でも音源を交換していましたね。みんな趣味が色々あって、たとえばMAURICE(ヨシザワ"MAURICE"マサトモ)だと、ラテンがすごく好きなので、サブー・マルティネスとか、ラファエル・コルティーホだったり、ブガルー(ラテン音楽とR&Bが融合したラテン・ソウル・ミュージック)で言うなら、ジョー・バターンの危なさとかとか。他にも色んなものを教え合いました。

―今回はサイトウさんに「シンプルに好きな曲」という形で10曲選んでいただきました。1曲目はスカタライツでも知られるジャッキー・ミットゥの「Ram Jam」ですね。

僕自身オルガンを担当しているのもあって、大好きな人ですね。中学生の頃、藤原ヒロシさんが選曲するラジオで『Macka Fat』に入っているマーヴィン・ゲイのカヴァーがかかっていたんですよ。僕は当時はパンクが好きでしたけど、そこでメロウっていう格好良さを知れましたし、楽器として“ハモンドオルガンってかっこいな”と思ったのもこの人がきっかけでした。今回選んだ「Ram Jam」の再演バージョンはやりすぎない美学があって、レゲエのリズムに対するオルガンのアプローチの素晴らしさがたくさん詰まっていると思います。
    • Ram Jam/Jackie Mittoo

      シングル

      Ram Jam
      Jackie Mittoo

      257

  • 次のバーニング・スピアは、名盤『Marcus Garvey』のDUB盤『Garvey's Ghost』の曲ですが、ド派手なエフェクトのDUBが好きだった若い頃にちょっと聴いてからは、しばらくは聴いていませんでした。でも、数年前に改めて聴き直したら、さりげないディレイ/リヴァーブと巧みなEQ使いでだけで、原曲が持っているシンプルなかっこよさを引き出していて、その魅力が40歳にしてやっとわかった(笑)。“こんなかっこいいものを何で聴いてなかったんだ”と反省しましたね。

  • ―続く“Croaking Lizard (featuring Prince Jazzbo)”は、リー・ペリーのアップセッターズによる76年作『Super Ape』の収録曲です。

    リー・ペリーも“ずっとすごいなぁ。謎だなぁ”と思っているアーティストで、何でこんな音になるのか、いまだに謎が解けない(笑)。僕が好きな『ルーツ・ロック・レゲエ』という映画(ボブ・マーリィやジミー・クリフ、リー・スクラッチ・ペリーなどが登場する70年代のレゲエ・ドキュメンタリー)で、バンドの演奏をその場でダブにしていくシーンがあるんですけど、この曲を聴くといつもその場面を想像します。ひとりだけタンクトップでノリノリでとにかく最高(笑)。こもった音のかっこよさも、この人から教わった感じがしますね。
  • 次のフォー・テットは、四つ打ちのクラブ・ミュージックに近づいた10年の『There Is Love in You』の曲。初期のフォークトロニカの頃はちゃんとは聴いていなかったんですけど、このタイミングでやられました。でも、どこかで聴いたことがあるなと思っていたら、実はファーストを持っていたという(笑)。今はそこからさかのぼって色んな時代のものを聴いています。

  • ―フォー・テットはみなさんの前作『OUT』に影響を与えている感じがしますね?

    そうですね。もともとポストロックの人からダンス・ミュージックへの流れっていうのも面白いですし、独自な美学に基づいたグルーヴにやられますね。僕はDJセットも好きでよくチェックしていますが、いまだにリリースされていない謎の曲があるんですよ、早く出して欲しい(笑)。次の(北欧コズミック・ディスコの代表格)プリンス・トーマスも、フォー・テットのような現在進行形のダンス・ミュージックに興味を持ってからちゃんと聴くようになりました。この独特な・・・ふざけているような感じ(笑)。でも綺麗な曲もある、良いバランスですね。

“ただ新しいだけではなくて、過去とも折り合いをつけながら、上手に進化したい”


―サイトウさんはそもそも、曲のどんなところに惹かれることが多いんでしょう?

コード進行がぐっとくる場合もありますけど、最近はむしろ、ムードがいいものを好きになることが多い気がします。力加減が絶妙で、いい塩梅のもの。一概にそれだけとは言えないですけど、最近はそんな気分ですね。次のマーヴィン・ゲイは、『I Want You』の曲。僕はマーヴィン・ゲイだと『I Want You』が一番好きなんですよね。ドラムのスネアの音一発でやられます。中でもこの曲は、あっという間に終わっちゃうんですが、そこが良い(笑)。何回も聴きたくなる。ジャクソン5がもっと元気のいい感じでやっているヴァージョンもありますが、大人版、子供版、両方あるっていうのが最高だと思っていたりもします。とにかくこの曲のメロディーは最高です。
  • サルソウル・オーケストラは、中学生の頃 ラジオで「Runaway」を聴いて、その後、頑張って神戸から大阪まで買いに行ったアルバムの曲ですね。大人になってラテンを聴いてから、改めてこの曲の素晴らしさが分かりました。ディスコとラテンの素晴らしい出会いです。
    • Ritzy Mambo/The Salsoul Orchestra

      シングル

      Ritzy Mambo
      The Salsoul Orchestra

      257

  • 続く「Waiting In Vain」は、ボブ・マーリィの中でも一番好きな曲かもしれないです。しっとりメロウな温度感が絶妙で、レゲエのリズムの強烈さもあって、ギター・ソロも完璧。美しいアートのような曲だと思います。
  • クラウデッド・ハウスは、リアルタイムの洋楽を聴きはじめた当時に知った曲で、その時は小学生でしたけど、未だに大好きで、“あなたはこういう(曲には抗えない)人間なんですよ”ということを刻まれた曲だと思います(笑)。

  • ―(笑)。そして最後は元ティン・パン・アレイのHiroshi Satoさんの82年作『AWAKENING』の収録曲「Say Goodbye」です。

    僕は最近アンダーグラウンドなダンス・ミュージックをよく聴いていますけど、この辺りの人たちは海外でも人気ですよね。数年前にこの曲のリエディットを聴いて、すごくかっこよかったんですよ。そこから改めていい曲だと思いました。ノスタルジックな琴線に触れる雰囲気で、子供の頃に聴いていたわけではないのに、なぜか懐かしい。この曲は“コード進行がどうなってるのかな?”とコード解析をしたり、鍵盤奏者的な楽しみ方もしています。

  • ―今回選んでもらった曲には、「今のモードとしてすぐに浮かんだ曲」というニュアンスがあると思いますか?お話を聞かせてもらっていると、最新アルバム『Extended』の雰囲気に繋がる部分があるのかな、と感じました。

    ああ、改めて考えてみると、関係があるのかもしれないですね。いや・・・結構関係ありましたね(笑)。新作は、こういうものが全部混ざっている作品なのかもしれないですね。

    ―『Extended』は、どんなアイディアで作っていった作品だったのでしょう?

    昔は“こんなタイプの曲を作ろう”と考えて曲を作っていましたけど、今回はそれを一旦置いて、“とにかく気持いいものを作ろう”と思っていました。僕はパンクロックから始まっていますが、このアルバムのような緩やかなテンションまでどうにか辿り着いたみたいなんですよね。バンドも結成からもう20年近くになるので、ただ新しいだけではなくて、“過去とも折り合いをつけながら、上手に進化したい”のも悪くないな、と言ったところでしょうか。新作では自分がぐっとくるポイントに抗わずに、そこを新しい感覚ですくい上げようと思いました。そう考えると、今回選んだ曲が影響源として入ってきたのは当然なのかもしれないですね、いや、そういうつもりで選んでなかったんですけども(笑)。

ORIGINAL PLAYLIST

YOUR SONG IS GOODの「シンプルに好きな曲」プレイリスト

NEW RELEASE

YOUR SONG IS GOOD『Extended』
2017.05.10(水)Release
    • Extended/YOUR SONG IS GOOD

      アルバム

      Extended
      YOUR SONG IS GOOD

      1,697

DISCOGRAPHY

    • OUT/YOUR SONG IS GOOD

      アルバム

      OUT
      YOUR SONG IS GOOD

      2,056

PROFILE

1998年東京で結成。サイトウ"JxJx"ジュン、ヨシザワ"MAURICE"マサトモ、シライシ"JICHO"コウジ、ハットリ"SHORTY"ヤスヒコ、タカダ"DAATAKA"ヒロユキ、タナカ"ZEERAY"レイジに、現在、サポートパーカッショニストの松井泉を加えた7人体制。パンクロックに始まり、現在はダンス音楽を演奏するインストゥルメンタルバンド。DIYなスタジオライブから、ライブハウス、クラブ、<FUJI ROCK FESTIVAL>等の巨大野外ロックフェスまで、ジャンルや場所、メジャー、インディー問わないライブを展開。そして2013年、これまでのイメージを大幅に更新したFRESH感搭載のニューアルバム『OUT』をドロップ。トロピカルな音楽を大胆に解体、ハウス/ディスコ/テクノ/ベース、時にポストロック的、もしくはプリミティヴな感覚でもって再構築、オリジナルな生演奏ダンスミュージックへの昇華に成功。感度良好な音楽愛好家達からの賞賛を浴びる今、キャリア史上もっとも目が離せないGOD ONLY KNOWS状態で諸々進行中である。WAH!WAH!WAH!WAH!WAH!WAH!WAH!

YOUR SONG IS GOODアーティストページ

LIVE

■<the band apart SMOOTH LIKE GREENSPIA>
日程:2017年5月13日(土)
会場:大阪 服部緑地野外音楽堂
時間:OPEN 13:30/START 14:15
料金:ADV ¥4,320 (+1D)

■<森、道、市場 2017>
日程:2017年5月14日(日)
会場:愛知 蒲郡ラグーナビーチ / ラグナシア

■<GREENROOM FESTIVAL’17>
日程:2017年5月21日(日)
会場:横浜赤レンガ地区野外特設会場

■<the band apart SMOOTH LIKE GREENSPIA>
日程:2017年5月13日(土)
会場:大阪 服部緑地野外音楽堂
時間:OPEN 13:30/START 14:15
料金:ADV ¥4,320 (+1D)

■<the band apart SMOOTH LIKE GREENSPIA>
日程:2017年5月13日(土)
会場:大阪 服部緑地野外音楽堂
時間:OPEN 13:30/START 14:15
料金:ADV ¥4,320 (+1D)

■<6th ALBUM Release ONEMAN TOUR>
日程:2017年5月20日(土)
会場:名古屋 CLUB QUATTRO
時間:OPEN 17:00/START 18:00
料金:ADV ¥3,800 (+1D)

日程:2017年5月28日(日)
会場:仙台 enn2nd
時間:OPEN 18:00/START 18:30
料金:ADV ¥3,800 (+1D)

日程:2017年6月3日(土)
会場:梅田 Shangri-la
時間:OPEN 17:00/START 17:30
料金:ADV ¥3,800 (+1D)

日程:2017年6月11日(日)
会場:福岡 Early Believers
時間:OPEN 16:30/START 17:00
料金:ADV ¥3,800 (+1D)

日程:2017年7月1日(土)
会場:渋谷 WWWX
時間:OPEN 17:15/START 18:00
料金:ADV ¥3,800 (+1D)

■〈何かにつけて打ち上がる会 YOUR SONG IS GOOD "Extended" レコ初〉
日程:2017年6月17日(土)
会場:金沢 MANIER
時間:OPEN 21:00
料金:ADV ¥3,500 (+1D)


<YOUR SONG IS GOOD「Extended」レコ発&カクバリズム15周年キックオフイベント 『NEW MEMORIAL HITS』>
日程:2017年7月8日(土)
会場:岡山 YEBISU YA PRO
時間:OPEN 17:30/START 18:00
料金:ADV ¥4,000 (+1D)

詳細はオフィシャルサイトで
http://yoursongisgood.com/


Interview&Text:杉山 仁
Photo:Kohichi Ogasahara

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