【バトル対談】“神童”キックボクサーに聞く! 世界への挑戦 ~ASTERISM vs 那須川天心~【シリーズVol.2】

【バトル対談】“神童”キックボクサーに聞く! 世界への挑戦 ~ASTERISM vs 那須川天心~【シリーズVol.2】
「バトルミュージック」をテーマに掲げるASTERISMと闘う若手アスリートの対談企画。
第2弾は、キックボクシング界の至宝・那須川天心が登場!


平均年齢16歳のHR/HMインストバンドASTERISM(アステリズム)。世界に向けて第1歩を踏み出した1stフルアルバム『IGNITION』は、世界的ベーシストのブーツィ・コリンズがプロデユースしたことでも話題だ。

今回、対談が実現したのは、なんとあの那須川天心。弱冠20歳にしてRISE世界フェザー級王者、ISKAオリエンタルルール世界バンタム級王者というキックボクシング界の「神童」だ。『RIZIN.13』で堀口恭司との対戦を控える那須川選手に対し、とくにベースのMIYUは格闘技ファンとあり、大興奮。メンバーから世界で活躍する”先輩”に熱い質問が飛び交った!

English version

「日本も世界も、蓋を開けてみれば同じ!」(那須川)

「日本も世界も、蓋を開けてみれば同じ!」(那須川)
キックボクサー 那須川天心
HAL-CA:初めて世界の舞台に立った時はどんな気持ちでしたか?

那須川:もともと「日本だから」「世界だから」って、そんなに関係ないと思ってて。どの舞台でも実績を残せる奴が一番強いので、ずっと同じ気持ちですね。

HAL-CA:日本から世界への気持ちの変化って、あまりないんですか?

那須川:そうですね。いつも通りいられる奴が強いんじゃないかなと。もちろん世界の壁はスゴイです。でも、越えられないとは全然思わないです。外国人は体格差もあるしフィジカルが強くてなかなか倒れないけど、自分には外国人にはない技術がある。そういう自分のいいところを活かしてずっと戦ってますね。


どんな相手が来てもいいように普段から練習していれば、どんなアクシデントがあろうとも乗り越えられると思うので、試合でも平常心です。音楽もそうかもしれないけど、格闘技でもミスした時の対応力って大事なんですよね。

HAL-CA:そこは一緒ですね!ただ私は「世界を目指す!」って意識してしまうところがあって……。

那須川:始めは思うかもしれない。自分も「世界と戦うんだ!」と気負ったりしたけど、でも蓋を開けてみれば関係なかったですね。

MIO:勝ち続けているからこそ、負けられないプレッシャーも大きいと思うんですけど、それに打ち勝つ秘訣はありますか?

那須川:それがプレッシャーは感じたことがなくて。基本的にストレスも感じないし楽観的だし、人生は俺中心で周ってるっていう考えなんですよね(笑)。それに、考えすぎちゃうといいパフォーマンスができないので、そういう”バカげた”考えを持つのも必要かなと!

「続けられることも、才能のひとつ」(那須川)

「続けられることも、才能のひとつ」(那須川)(1)
「続けられることも、才能のひとつ」(那須川)(2)
今回の対談は、那須川選手の所属するTEPPEN GYMにて行われた。多くの人の緊張感のある練習、ミット打ちなどの激しい音が鳴り響く中、やや緊張気味のASTERISMメンバー

那須川:ASTERISMの音楽、聞きましたよ! 若いのにすごいレベルですね。実は自分もギターをやったことはあるんですよ。

HAL-CA:えっ、ホントですか!?

那須川:学校の授業で。だから「かえるのうた」は弾けます(笑)。でもそれをあんなに激しくできちゃうのはすごいな。将来が楽しみですね。


HAL-CA:嬉しいです!

那須川:自分は5歳から格闘技をやってるんですけど、みなさんは何歳からやっているんですか?

HAL-CA:私は最初7歳からドラムをやっていて、ギターは10歳から始めました。

MIO:僕は6歳からドラムを。

MIYU:僕は、7歳からベースをやっています。

那須川:じゃあだいたい一緒ですね。やっぱり「ずっと続けられる」ってすごいことで……周りの強い子たちが途中で挫折したり、遊びたいからって辞めちゃったりするのもたくさん見てきたので、続けられることも才能のひとつだと思います。自分も嫌なことも本当にたくさんあったし、毎日父親にぶっ飛ばされてたけど(笑)。でもそれがあったから今があるし、耐えてやってきてよかったなって思います。

「部屋を真っ暗闇にして、フレットが見えなくても弾けるように練習」(HAL-CA)

「部屋を真っ暗闇にして、フレットが見えなくても弾けるように練習」(HAL-CA)(1)
ギターのHAL-CA

─那須川選手は先日シンガポールに遠征されたばかりですが、海外での練習はいつ始めたのですか?

那須川:
中学生の頃から1人でタイに1ヶ月行ったりしていました。海外の練習で何より違うのは「格闘技だけできる」ってことですね。日本だと格闘家と言っても、他の仕事と両立するケースが多いし、格闘技だけって環境はなかなか作れないけど、海外だと職業=格闘家って人と練習できる。それで食ってるプロたちと、格闘技のことだけ考えて練習漬けになれるのは、楽しいですね。

言葉も通じないので精神的に揺さぶられますが、技術で伝えれば「おお、やるじゃん!」って、言葉が通じなくても共感できる。そういう精神的な部分も、すごく自分の糧になります。

─海外ではプロとして集中できる環境が得られるんですね。HAL-CAさんは普段はどんな練習をしていますか?

HAL-CA:
30~40分のライブを想定して、1音でも間違えたら1曲目から全部やり直して、ノーミスで弾けるまでやります。あと、ステージってライトで指板が見えにくかったりもするので、それに慣れるために部屋を真っ暗闇にして、フレットが見えなくても弾けるように練習したりもします。

─格闘技マンガの秘密の特訓みたいです(笑)。ASTEIRSMのリズム隊は兄弟ですが、一緒に練習しているのですか?

ドラムのMIO

MIO:今は、大学と高校で時間が合わせづらいのですが、学校から帰ってきたら、すぐ合わせるって感じでしたね。一緒にできる時は、ひたすらベースとドラムで合わせてます。

MIYU:曲を合わせるだけじゃなくてセッションもよくやるので、対応力とかもそこで付いたんじゃないかな!

那須川:兄弟っていいですよね。自分も4人兄弟で、妹もプロでやってるんですけど、兄弟でしかできないこととか、兄弟にしか分かんないことって結構あるんで。

MIO&MIYU:分かります!

─「兄弟でしか分からないこと」とは?

那須川:
たとえばミット打ちのテンポでも、わざわざ説明しなくてもすぐに合わせられたりとか、気持ちや呼吸の部分はすごく合うと思います。

MIO:そうですね。セッションでも「ここでアクセントを入れてやろう」って思ったら、同じタイミングでベースが付き合う感じになったりするし、それはすごく思います。

─その息の合い方はすごいですね! でも嫌な練習もあるのでは?

MIYU:
始めたばかりの頃は基礎練習が嫌いでした(笑)。やっぱり派手なプレイに憧れるじゃないですか! でも今はそれが技術に繋がるって分かったので、基礎練習も楽しんでます。

那須川:自分も昔から基礎練習は大事にしてやってますね。基本ができない人は応用も絶対できないし、いつか絶対ボロが出るので。

HAL-CA:本当にその通りだと思います! 私も基礎練習はずっと続けていて、たとえば右手を鍛えるための高速ピッキング。1分でもキツイんですけど、毎日10分間続けてます。

「トリケラトプス拳」で自分の流れに持っていく!!(那須川)

「トリケラトプス拳」で自分の流れに持っていく(1)
ベースのMIYU

MIYU:那須川選手は試合で『グラップラー刃牙』に出てくる「トリケラトプス拳」を使われますが、対戦相手だけじゃなくお客さんも意識してやっているんですか?

那須川:別にパフォーマンスってわけじゃなくて、相手をビビらせる意図でやってるけど、結果的に盛り上がって応援してくれて自分の流れになるという部分はありますね。自分の流れに持っていくことって大事だと思います。でもあれ、すごく疲れるんですけどね(笑)。

MIYU:やっぱりあれ、疲れるんですね!? トリケラトプス拳、ライブでやってみようかな……。

那須川:確実に「なにコイツ!?」って思われますよ(笑)。でも後々それで話題になれば勝ちですよね。

MIYU:そうですね、新しいものをいろいろ取り入れていきたいです!

─那須川選手は試合ではパンチひとつ取っても工夫していて、例えばワン・ツーのリズムをすべて変えたりしているそうですね。

「トリケラトプス拳」で自分の流れに持っていく(2)

那須川:リズムを変えないと当たらないし、スピードが速ければいいというものでもないので。格闘技って、相手が一番力が入っていない時に打つのが倒れるんですよね。たとえば今こうして話してる時に、急にお腹にパンチすると「うっ」ってなりますよね(笑)。学校とかでやりませんか?

MIYU:はい、肩パンとかで友達をビックリさせたり(笑)。

那須川:そういう状況を試合で作るんですよ。相手がぐっと耐えられる状況だと効かないけど、耐えられない状況でやると打撃が「抜ける」ので、すごく効くんです。だから試合中は相手の呼吸を読んだり気持ちを探ったりしながら「嫌なことをやってやろう」って、性格悪くなってます(笑)。もう本当に頭脳戦で、フェイントも使って騙しまくってますね。普段は人を騙したらダメですけどね!

MIYU:なるほどー(笑)!

HAL-CA:確かに私たちも、ライブの構成を考える時は、お客さんをビックリさせるようなステージを意識します。

那須川:ライブの構成も全部自分たちで考えてるんですか?すごいですね。でも本当に、お客さんが「ここでこう来るんだ!?」って驚くことって必要ですよね。

「やってしまえばこっちの勝ち!」(那須川)

「やってしまえばこっちの勝ち!」(那須川)(1)

─意表を突くことや新しいことは、どうしても最初、批判も浴びるのでは?

那須川:
でも言われるが勝ちなんですよ。自分は誰もできないことをやりたいと思っているので否定されることも多くて、「辞めたほうがいい」「できないよ」ってずっと言われてきたんですよね。

─関節技のある総合格闘技への挑戦も、キックボクサーとしては珍しいですね。

那須川:
その時もキック界からはすごく反対されました。でもジムの会長やトレーナー、父親は「やるでしょ」って応援してくれて。だから自分は、否定的な意見は見返してやるつもりで挑戦して、ちゃんと勝って。しかも翌々日の大晦日の大舞台でも試合して、それも勝ちました(※格闘技はダメージ回復のため1ヶ月程度空けるのが通例)。結局、やってしまえばこっちの勝ちだから。

HAL-CA:私も人がやってないことをやりたいって、ホントに思います。綺麗に弾くだけの人ってたくさんいるけど、私は激しく頭を振りながら弾くスタイルで、それって難しいなって自分でも思うんですけど、それでもやり通して、今までいなかったギタリストになりたいんです。

那須川:そういうチャレンジってイイと思います! 最初は否定されたり「なんだよあれ」とか言われるかもしれないけど、結果を出しちゃえばみんな真似するようになるし、否定的なことを言ってた人も言わなくなるので。

─お客さんの前での結果が全てだと! 那須川選手はマイクアピールでも沸かせますが、事前に考えている?

那須川:
試合前には考えられないですよ(笑)。試合って「もしかしたら死ぬかもしれない」っていう、命がかかってることなので。非日常だし、終わったら本当にホッとして、とにかく自分の心情を全部伝えたいって気持ちになるんですよね。ライブもそんな感じかもしれないですね。

MIYU:確かに僕たちも全力で想いを伝えたいって気持ちでステージに上がっています。

那須川:それは怖さもあるけど、終わった時には達成感だったり経験値だったり、得るものも大きいですよね。

MIYU:そうですね。ライブが終わった後って、やっぱりすごく気持ちいいです!

HAL-CA:ASTERISMの音楽って「バトルミュージック」っていうコンセプトで、何かに向かって戦っている人とか、これから戦いに向かう人達を奮い立たせるとか、そういう人たちの背中を押すためにやっているんです。だからTwitterで「ライブで勇気をもらった」とか「ASTEIRSM聴いたから仕事頑張れる」とか書いてくれてたりすると、ちゃんと伝わったなって思えて嬉しいです!

─お話を聞いていると、自分たちの道への愛が伝わります。みなさんは若くして自分の行く道を決めましたが、他の道は眼中になかった?

「やってしまえばこっちの勝ち!」(那須川)(2)

那須川:ないです。もしひとりだったら途中で挫折したかもしれないけど、周りに仲間がいたし、格闘技を嫌いになったことは一度もないので。好きなことで生きていけるっていいですよね。だから練習も楽しんでやれてるし、ストレスも感じない。まさに天職というか、他の人にはできない生き方なので、大事にしなきゃなって思います。

日本の格闘技をまるごと背負う気持ちでやってるんで、今後は格闘技の素晴らしさをどんどん伝えていきたいし、もっと強い相手と戦って勝って、人の心を動かしていきたいですね。格闘技は僕が盛り上げていきます!

MIO:僕たちも「天職にしてやる」って思ってやってます。僕個人としても精密なパフォーマンスでアステリズムの楽曲を支えていきたいです。

MIYU:僕はビリー・シーン(Mr.Big)というアーティストに憧れてベースを始めて以来、ずっと弾いていても時間を忘れるしまったく苦にならないので、ベースとの出会いって運命だったと思います。従来のベーシストのイメージを打ち破るようなパフォーマンスを追求していきたいです。

HAL-CA:私も世界中探してもどこにもいないような唯一無二のギタリストになりたいし、続けていればきっとそうなるって信じてます!




<PROFILE>

●那須川天心(なすかわ てんしん)
1998年8月18日生まれ(20歳)のキックボクサー。プロ戦績は26戦26勝(20KO)。現RISE世界フェザー級王者。現ISKAオリエンタルルール世界バンタム級王者。9月30日(日)さいたまスーパーアリーナ『RIZIN.13』で堀口恭司との対戦を控える。TARGET/Cygames所属。
自伝『覚醒』(クラーケン/1500円+税)好評発売中。
那須川天心 自伝『覚醒』

https://ten-shin.jp/
https://twitter.com/teppentenshin?lang=ja

●ASTERISM
ASTERISML→R:MIYU(B)、HAL-CA(G)、MIO(Dr)

福岡、佐賀を拠点にする平均年齢16歳の3ピースHR/HMインストバンド。
2014年に開催されたヤマハグループ主催の音楽コンテストThe 8th Music Revolutionで出会い、意気投合し結成。Facebook上に投稿した動画が話題となり爆発的に認知が拡散する中、ジェームスブラウンのバンド“JB'S” のブーツィー・コリンズが自身のFBで動画をシェアしたことからさらに拍車が掛かり、ページ内動画「155」は15,000,000人の目に触れ、現在も拡散され続けている。
2017年徳間ジャパンコミュニケーションズより5TRACKS ALBUM『The Session Vol.1』でメジャーデビュー。

2018年8月22日、待望の1st フルアルバム『IGNITION』をリリース!
ASTERISM『IGNITION』

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