新世代ラッパー、Rude-αが最近よく聴いている10曲と人生観が詰まったEP『20』について

新世代ラッパー、Rude-αが最近よく聴いている10曲と人生観が詰まった『20』について(1)
mysoundイチ押しのアーティストにテーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードから本質を掘り下げていくプレイリスト企画。今回は若干20歳にして、次世代の音楽シーンを牽引するRude-αが登場。2月8日にリリースされた『20』は彼の人生観が詰まった1枚。新作に込めた思いを聞きつつ、「最近よく聴いている音楽」のプレイリストについても話を探っていきます。

新世代ラッパー、Rude-αが最近よく聴いている10曲と人生観が詰まった『20』について(2)

Rude-α“流行りに乗るよりも、今の時代に対して違和感を生む作品が良いなと思って”

─『20』すごく良かったです。1曲目の「Mirror Ball」から5曲目の「Hapiness」に向かって、Rude-αさんが少年から大人に変わる様を感じました。

おっしゃる通り、1曲目の「Mirror Ball」は10代のことを、「Hapiness」は20歳になった今を描きました。今作は過去・現在・未来をテーマにしていて、時間の移り変わり、心の移り変わりを閉じ込めた作品になったと思ってます。

─<子供みたく 笑い踊る大人達 何もかもが新鮮だった>と、初めてクラブへ足を踏み入れた経験を歌っていたり、東京に対して<これだけ大勢の人がいるのに たまに一人を感じてしまうんだ>という歌詞もあって。まさに心の移り変わりを感じますね。

そうですね。上京して2年が経って、嬉しいこととか、悲しいことなど色んな経験をしたからこそ今作ができたと思います。

─音楽を通して伝えたいことは何でしょう?

俺と同じ沖縄出身の同世代で、東京で頑張ってる子が何人かいて。例えば、シンガーのAnlyやWBC世界フライ級王者の比嘉大吾さん。二人とも「小さい島の人間でも世界を変えられるんだぞ」って気持ちで戦ってるんです。だからこそ俺も、町の子供たちに島の人間でも音楽で世界を変えられる、ってところを見せたいんです。

─ありがとうございます。次はプレイリストについてもお聞きします。今回は『最近よく聴いている音楽』をテーマに選曲していただきました。まずはRIRIの「RUSH」。

去年<R-Festa Next>ってイベントに出演したんですけど、そこでRIRIちゃんのステージを初めて観ました。あの若さで歌の仕上がり具合が半端じゃなくて。日本人離れした音楽センスに「ヤバイっ!」と衝撃を受けました。・・・あとは単純に見た目がめっちゃタイプ(笑)。

─素直ですね(笑)。

ああいう感じの女の子が好きなんですよね。要するに、歌もルックスも全部が良い。
    • RUSH/RIRI

      シングル

      257

      RUSH
      RIRI
  • ─2曲目はMGMTです。バンド自体は前から知ってたんですか?

    いや、知らなかったです。服屋で買い物してたら、たまたま「James」が流れてきて。お店の店員さんに「この曲なんですか?」と聞いて教えてもらいました。

    ─「James」どんなところが好きなのでしょう。

    ポップだし、サイケだし、めっちゃ不思議な感覚になれるのが魅力ですね!
    • James/MGMT

      シングル

      257

      James
      MGMT
  • ─続いてのDPR LIVEは、近年注目されている韓国人ラッパーですね。

    身近に音楽好きな友達がいて、そいつの車に乗った時に流れていたんです。「誰の曲?」って聞いたら、「DPR LIVEってラッパーで、韓国でちょっとずつキテルやつ」と教えてもらって。

    ─同じラッパーとして、DPR LIVEの声やスキルはどう感じますか?

    落ち着いているんだけど迫力がある。初めて聴いた時、K-POPというよりも洋楽に聴こえて。サウンドも新しいし、ミキシングも好きな音でハマりました。「Jasmine」はトラックも良いし、メロディラインも意外性があって。そこにいくんだ、みたいな思いもよらない展開がカッコイイと思ってます。

    ─続いてはBruno Marsの「Finesse(Remix)ft.Cardi B」です。

    男の人がラップをして、女の人がサビを歌うスタイルって結構あるじゃないですか。だけど、Bruno Marsは女の人がラップをして、男の人がサビを歌うのが斬新でカッコよくて。俺にとっては、音楽に対するやる気がなくなりそうになるぐらい、やばいバンドです。

    ─個人的には80’sや90’sのブラックミュージックを彷彿とさせるな、って。

    たしかに。元々はカントリー系の音楽だったのに、ここ2、3年で変わりましたよね。Michael JacksonとかJames Brownを吸収した音楽な気がしてて。踊れるっていう面では、現代最強じゃないかなと思います。
  • ─5曲目は雨のパレードの「What's your name?」。

    雨のパレードは元々ファンで。特に「What's your name?」は、クラブで出会った女の子に声をかけられない主人公っていうテーマがリアルで良いですね。

    ─リアル?

    クラブで女の子と出会って、良い雰囲気になるストーリーってよくあるじゃないですか。この曲はそうじゃなくて、イケてない側の人間を描いているのが良いなって。声をかけたいけど、かけられない人の目線にグッときます。
  • ─The 1975はいかがですか。

    歌も好きだし、メロディラインも好きなんですけど、何が1番惹かれるポイントなのか考えると歌とミックスの混ざり具合が好きで。ロックなのかポップなのか分からない不思議な音楽だなって。

    ─この曲は、ドラッグを辞めたいけど辞められない男の子の歌なんですよね。

    え!そうなんですか。

    ─この脳内が揺らぐような不思議な世界観は、ラリってる心境を表してるのかなって。

    なるほど。こういう音楽を聴くと、頭の中に『トレインスポッティング』が浮かぶんですよ。不良のキッズが集まって鳴らしてる感じ。ああいう世界観がたまらないです。
    • UGH!/The 1975

      シングル

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      UGH!
      The 1975
  • ─続いては、先日CDデビューを果たしたLuby Sparks。

    今年3月に<SXSW Japan Nite 2018>っていうイベントに出させていただくんですけど、彼らとはそのオーディションで会って。Duran DuranとかJohn Osborneみたいな、昔のUKロックっぽさを感じてすごく惹かれたんですよね。知らない人は是非チェックしてもらいたいです。
    • Sparks/Luby Sparks

      シングル

      257

      Sparks
      Luby Sparks
  • ─選曲された「Easy」はThe Commodores時代の曲を、Lionel Richieがセルフカバーしたバージョンですね。

    Lionel Richieって「Say you, Say me」しか聴いてなかったんですけど、ボイストレーニングの先生から「Easy」を課題曲に選んでもらって知りました。彼女に束縛されていた男の子が、別れたことによって日曜日の朝みたいに気分が良い、と歌ってて。俺も2、3年前にそういう恋愛をしていたから「分かるわ~」と(笑)。

    ─ハハハハ!過去にどんな恋愛をしてたんですか?

    昔、彼女にめちゃくちゃ束縛されてたんですよ(笑)。別れた次の日から1人で映画を観たり、1人で散歩をしたり、とにかく1人の時間が本当に楽しくて。初めて「今まで当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃなかったんだ」と気づきました。

    ─槇原敬之の「もう恋なんてしない」と真逆ですね(笑)。

    まさに(笑)!意味が違いますけど、俺も“もう恋なんてしない”と思いましたもん。
  • ─9曲目はくるりの「琥珀色の街、上海蟹の朝」。

    一見ふざけて聴こえる曲なんですけど、結構心にくる言葉も多くて。そのギャップに惹かれました。この曲を上海で聴いたらどんな感じなんだろう、と思って去年、一人で上海へ行ったんですよ。

    ─え!この曲を聴くために?

    はい(笑)。上海出身じゃない人が作った上海の歌を、わざわざ上海で聴くっていう。曲の構成も不思議ですよね。一回転調して半音上がってるのに次から元に戻って。大好きな1曲です。
  • ─最後は1964年にリリースされた「My Girl」。

    俺の生まれた古謝って、邦楽洋楽問わずに音楽文化が盛んな町で。この曲は沖縄のレコード屋でよく流れてました。何回聴いても、いまだに良い曲だなって思いますね。
    • My Girl/The Temptations

      シングル

      257

      My Girl
      The Temptations
  • ─ありがとうございます。今回のプレイリストのように、ジャンルレスにいろんな音楽を吸収してるからこそ『20』に繋がったのかなと思いました。いかがでしょう?

    そうかもしれないです。東京に出てきてから、好きな音楽の幅も広がったと思います。説明が難しいですけど、自然と曲の作り方も変わりましたね。

    ─改めてRude-αさんが聴いてる音楽に共通してることは何でしょうか?

    今の時代って“インスタ映え”という言葉があるように、音楽を含めてオシャレなものが流行ってるじゃないですか。俺は流行りに乗るよりも、今の時代に対して違和感を生む作品が良いなと思ってて。波紋を呼ぶような、賛否がある方へ突っ込んで行こうと。まさに『20』は、そういう時代性を無視した作品になったと思います。

    Rude-α“流行りに乗るよりも、今の時代に対して違和感を生む作品が良いなと思って”

ORIGINAL PLAYLIST

Rude-αの最近よく聴いている音楽

NEW RELEASE

Rude-α『20』
2018.02.8(木)Release
    • 20/Rude-α

      アルバム

      1,234

      20
      Rude-α

PROFILE

1997年2月8日生まれ、沖縄県沖縄市出身。高校2年生の時にはじめたラップをきっかけに音楽活動をスタートさせる。2015年にリリースした1st EP『098 ORCHESTRA』は沖縄限定発売でありながら2000枚完売し、新人ながら大きな注目を集めた。その後、バンド活動にも挑戦して、現在までにLucky Tapes、踊Foot Works、ゆるふわギャング、Afro Parker、R'kuma、安次嶺希和子など、ヒップホップ、ポップス、ロックバンドまで幅広いジャンルのアーティストと共演。2018年2月7日に東京進出初となるEP『20』をリリースした。

  • Text&Interview:真貝聡
    Photo:山口真由子

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