全曲紹介!SCANDALが語る新作『HONEY』の魅力と影響を受けた楽曲プレイリスト

SCANDAL(1)

L→R:TOMOMI(Bass & Vocal)、MAMI(Guitar & Vocal)、HARUNA(Vocal & Guitar)、RINA(Drums & Vocal)


ついにリリースされた8thアルバム『HONEY』。デビュー10周年というタイミングで、現時点での最高傑作が完成した。メンバーが口を揃えて自信作という1枚で、全10曲、すべて魅力的な楽曲だ。きっと、アルバムを聴いてるときの気持ちの状態によって、響く曲が変わるように思う。リフやサウンドもかなり洗練されてきていて、時代を越えて愛されるアルバムになったと確信している。そんな彼女たちのアルバムがどのように作られていったのか、音楽のルーツなども含めて話してもらった。

10年やっているけど、すごくフレッシュな気持ち。不思議な感覚(MAMI)
女性目線のラブソングで、ちゃんとロックしたいというのがあった(RINA)

─8thアルバム『HONEY』は、すごいアルバムになったと思います。自身の手応え的にはいかがですか?

MAMI:
すごく衝動的なアルバムになりました。今までもその時々のモードでちゃんとやりたいことはできていたんですけど、その集大成が作れた感覚です。アレンジも自分たちでほとんどやっているし、レコーディングもスムーズにできたので、迷いがないアルバムになりました。10年やっているけど、すごくフレッシュな気持ちなので、不思議な感覚なんですよ。

RINA:歌詞に関しては、趣味に偏った、好きなものを表現できたと思っています。女性目線のラブソングで、ちゃんとロックしたいというのがあったんですけど、それはしっかり形にできたかなと。4人のモードが、ガールズバンドだからできるロックを突き詰めたい時期でもあったので、女の子にしか歌えないような歌詞の内容とバンドサウンドのミックスを、10曲ともやり切れたなと思っています。振り切って思い切ったものを作ってみたら、いろんな人に気に入ってもらえるんじゃないかなっていう、可能性のあるアルバムができたので、やり切って良かったと思いました。

─今回、ジャケットもとても印象的ですね。

TOMOMI:
アルバムのテーマでもある“甘さ”と“棘”を、TOKYOを代表するファッションアイコンAMIAYAの世界観で表現してくれました。これまでとはひと味違ったリアルな女性らしさがお気に入りです。

RINA:歌詞カードの中身も海外のZINEのような雰囲気になってるんですよ。だから見ていても聴いていても楽しいアルバムになったと思います。

─アルバムの曲の解説を1曲ずつお願いします。OPナンバーの「プラットホームシンドローム」は一番最後にできた楽曲だそうですが、失恋ソングでありながら前を向いてる感じになってます。

RINA:
アルバムの顔になる曲にしようと、ギリギリにできた曲です。失恋した翌日の切なさや浮遊感を“プラットホームシンドローム”と名付けました。このアルバムを象徴するような勢いのあるロックチューンに仕上がったと思います。
  • ─「OVER」もその勢いを繋げる感じの曲ですね。

    MAMI:
    自分たちの思うロックなアルバムを作りたかったのでサウンドもソリッドで重さのあるように仕上げました。「空気を切り裂くようなギターから始まる曲が欲しいよね」ってメンバーとやり取りした中で生まれた1曲です。「プラットホームシンドローム」とセットのイメージがあったので曲順も並べて、繋がるイメージでエンジニアさんにお願いしました。
    • OVER/SCANDAL

      シングル

      257

      OVER
      SCANDAL
  • ─「テイクミーアウト」をリリースしたのはかなり前になりますね。

    MAMI:
    バンド結成10周年という記念日である2016年8月21日に行った、大阪での野外ワンマンライブに向けて作った1曲なんですけど、今や自分たちのライブに欠かせないナンバーになりました。
  • ─「Oh! No!」はMAMIさんボーカルの曲です。

    MAMI:
    いつだって自分がちゃんとヒロインであることを忘れない女性のキュートさを描いてみました。リズムやメロディの展開も楽しんでもらえると嬉しいです。
  • ─「ミッドナイトシティ」はAメロとBメロはRINAさんボーカルで、サビをHARUNAさんが歌っていますね。歌詞に共感するナンバーだと思いました。

    RINA:
    誰かと比べて自分がイヤになったり、思い通りにならない日々にモヤモヤするのは、自分自身が自分に期待しているからで、前を向いている証拠だと思うんです。そういう気持ちを、言葉遊びを交えて歌った、アーバンなダンスナンバーになりました。
  • ─「ショートショート」は、ボーカルが印象的ですね。

    HARUNA:
    柔らかい曲調に鋭い歌詞が乗った、そんなギャップを楽しんでもらえるラブソングになっています。この曲、実は2年くらい前にできていた曲で、そのときに歌ったテイクをメンバーがすごく気に入ってくれていたので、それを基本にしました。あらためて歌い直した部分もあるんですけど、初期衝動が詰まっているので、ボーカルにも注目してみてください。
  • ─「窓を開けたら」はTOMOMIさんが作詞作曲です。

    TOMOMI:
    3年くらい前に制作した曲なんですけど、そのとき自分の中から魂だけがスーッと抜けていくような感覚があったんです。いつか身体という入れ物だけになってしまうんじゃないかと怖くなる夜が続き、この気持ちを残しておこうと作りました。すごくプライベートな曲だったし、曲調もこれまでと違うものなので、バンド内で完結させるよりは新しいスパイスも欲しいなと、普段から交流のあるねごとの(沙田)瑞紀にアレンジをお願いしました。
  • ─「ふたり」はとてもカッコいい曲です。

    TOMOMI:
    インストバンドからインスパイアを受けたというMAMIのギターフレーズが、これまでになかった世界観を作り上げてくれた楽曲で、ストイックでエモーショナルできらびやかなサウンドがお気に入りです。
  • ─「エレクトリックガール」は、面白い楽曲になりました。

    HARUNA:
    プライベート感が強い今回のアルバムの中では異彩を放つ、ちょっとケミカルで、でもすごく私たちらしい1曲になったと思っています。ボーカルにもオートチューンのエフェクトを掛けたり、TOMOMIのベースソロがあったり、とにかく派手な仕上がりになっています。
  • ─最後の曲は、デジタルシングル曲「恋するユニバース」です。

    RINA:
    女子ならではの目線や言葉遣いを散りばめた歌詞と、攻めたメロディラインが組み合わさったガールズロックです。幸福度120%のラブソングになってます!

  • ─さて、ここからはSCANDALによるプレイリストになりますが、今回は『HONEY』の完成に至るまで、自身が影響を受けた楽曲のプレイリストを作っていただきたいと思います。HARUNAさんの1曲目は、宇多田ヒカル“time will tell”。

    HARUNA:
    「窓を開けたら」という楽曲のボーカルレコーディングの時期に、よく宇多田さんの曲を聴いていました。私のバンドを始める以前のルーツでもあり、「窓を開けたら」にも通じるR&Bの要素、歌い方に特に影響を受けています。
  • ─2曲目はtricot“よそいき”。

    HARUNA:今回のアルバムは同世代の女性アーティストにもかなり影響を受けていて、tricotの楽曲も制作時によく聴いていました。tricotの『3』というアルバムがめちゃくちゃ好きで、その中でもお気に入りの1曲です。
  • ─MAMIさんの1曲目はfoo fighters“RUN”。

    MAMI:
    2011年『ウェイスティング・ライト』というアルバムからなんですけど、ラジオで流れてきた音楽にシビれて、フーファイみたいなサウンドを出したい! 勢いのある曲をやりたいって、明確にバンドとしてやりたい音楽、出したいサウンドが自分の中でわかった瞬間があったんです。そこからずっとフーファイは聴いていて、サウンドだったり、リフはだいぶ影響を受けてます。
    • Run/Foo Fighters

      シングル

      257

      Run
      Foo Fighters
  • ─2曲目はCHVRCHES“Never Ending Circles”。

    MAMI:
    EDMとか、デジタルなサウンドを聴いていた時期があって、女の子の柔らかい声の雰囲気を、男前なサウンドではなく、女性らしさの中で表現できたらと思っていた2017年でした。

    ─3曲目はELLEGARDEN“Space Sonic”。

    MAMI:
    高校生の頃めっちゃ聴いてたんですけど、イントロからBメロまでの雰囲気とサビがガラッと変わるんです。予測不可能な音楽がすごく楽しいなと思って。この曲はイントロのドラムのリズムがめちゃくちゃカッコいいですね。

    ─TOMOMIさんの1曲目は韻シストBAND“Big N”。

    TOMOMI:
    「窓を開けたら」を制作しているときによく聴いていた曲です。最初から最後まで同じコードをループしているシンプルな曲が好きなんだなぁと、この曲を聴いて実感しました。
    • Big N/韻シストBAND

      シングル

      257

      Big N
      韻シストBAND
  • ─2曲目は斉藤和義“やわらかな日”。

    TOMOMI:
    和義さんの生活感溢れる歌が大好きなんです。誰でも知っている言葉で、誰もが想像できる景色を、誰も思い付かなかった方法で描写している歌詞にいつもときめいています!
  • ─RINAさんの1曲目はback number“ヒロイン”。

    RINA:
    歌詞を書くようになって、ヒットしている曲を分解して聴くようになったんです。そのときにback numberってすごいなと、あらためて気づかされました。ストーリーのシチュエーションが1曲の中で変わらないんです。AメロBメロで心の話を書いて、サビはずっと景色なのにシチュエーションが変わらない。私は景色が動いたり時間が流れたりする書き方が多かったので勉強になりました。この曲を聴いて、「恋するユニバース」を1シチュエーションで書いてみようと思ったんです。カッコいい曲だと思います。
  • ─2曲目はポルカドットスティングレイ“テレキャスター・ストライプ”。

    RINA:
    ポルカはギターリフが秀逸なんです。ボーカルの雫ちゃんと友達になって、LINEで会話しているんですけど、人としても面白いし、楽曲も今の邦ロックシーンの中心になるよなって、納得行くようなテイストの曲ばかりなんです。あと、やっぱりイントロは大事だなって思いましたね。
  • ─では、それぞれがリスペクトするアーティストは、誰になりますか?

    HARUNA:
    きのこ帝国! ボーカルの佐藤千亜紀とは友達なのですが、同い年の彼女が描く詞と曲にいつも刺激をもらいます。嘘偽りなく、心の中を見せられるところが素敵。自然体な人柄にもリスペクトを感じています。

    MAMI:aikoさんからは、メロディの半音使い、フェイク、声の強弱……。今の曲作りにおいて欠かせない要素は、aikoさんからすべて学びました。

    TOMOMI:YUKIさん! いつまで経ってもキュートでカッコよくてえっちで、自己プロデュース力の高さにいつも感激します。アーティストとしてはもちろん、ひとりの女性としても大大大尊敬。

    RINA:私もYUKIさんです。可愛さとカッコよさ、目が離せない魅力がずっとあって大好きです。歌詞の言葉選びの面でも影響を受けている、憧れの人です。

    ─いよいよホールツアーが始まりますが、ツアーへ向けての意気込みをお願いします。

    HARUNA:
    ホールツアーは3年ぶりとなるので、ホールならではの派手さとアルバムのアートワークも詰め込んでお届けしたいと思っています。

    ─最後にmysoundの読者へ向けてメッセージをお願いします。

    HARUNA:
    今年でメジャーデビュー10周年を迎える私たちですが、ここにきてデビューアルバムのような勢いのあるアルバムができました。たくさんの人に聴いてもらえたら嬉しいです! このアルバムを引っさげてのホールツアーも始まりますので、ぜひライブにも遊びに来てください。一緒に良い時間を過ごしましょう!

    MAMI:今やりたいことをすべて詰め込めた衝動的でロックな1枚に仕上がりました。ぜひ聴いてみてください。

    TOMOMI:デビュー10周年の自信作、ぜひ聴いてください。

    RINA:自信作ができたので、アルバム『HONEY』、聴いてもらえたら嬉しいです。ライブで会えるのを楽しみにしています!

    SCANDAL(2)


    Text:塚越 淳一

NEW RELEASE

SCANDAL『HONEY』
2018.02.12 Release
    • HONEY/SCANDAL

      アルバム

      2,100

      HONEY
      SCANDAL

DISCOGRAPHY

PROFILE

2006年大阪・京橋で結成。2008年「DOLL」でメジャーデビュー。翌年には「少女S」でレコード大賞新人賞受賞。
近年ではSCANDALの影響で楽器を始める女子も増え、10代女子を中心に絶大な人気を誇っている。
2015年SCANDAL史上最大世界9カ国41公演の初の単独ワールドツアーを行い、2016年8月に結成10周年を迎え、結成地大阪にて1万人を動員し野外コンサートを開催するなど、名実ともに日本を代表するガールズバンド。

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