【パンク/メタル/プログレ】ロック好きライターが選ぶドラムが凄い名曲10選

ロック好きライターが選ぶドラムが凄い名曲10選
ロック・ミュージックを下支えするドラム。リズム楽器であると同時に、数多くのスーパープレイヤーが活躍するバンドにおける花形の一つでもあります。今回は、様々な意味で"凄い"ドラムサウンドを聴けるナンバーを紹介します。

#1. Dream Theater - The Enemy Inside

超絶技巧を持つドラマーの”スーパープレイ”が凄い!

ドラムにまつわる数多くのギネス記録を保持していたマイク・マンジーニ。"凄腕ドラマー"と聞いて、この人の名前を真っ先に思い浮かべる方も多いのでは? そんなスーパープレイヤーが、プログレッシヴ・メタルの大御所であるバンドに加入したのだから堪らない。この曲では、怒涛のバスドラムや稲妻の如く鳴り響くシンバルなど、脅威の手数を誇るドラミングの凄さを味わうことができます。真似出来ないからこそ憧れる、そして敬意が生まれる。真の意味での"スーパープレイ"がここにはあります。

#2. DEVO - 【I Can't Get No】 Satisfaction

ロックの定番曲を超個性的にカヴァー! とにかく変なドラムが凄い!

ストーンズによる超有名曲を、その独特過ぎるリズムによってガタガタに解体し、反抗的な態度や過激なファッションに頼ることなく"パンク"を体現してみせた1曲。ラディカルな知性と脱臼感覚たっぷりのユーモアが入り乱れる本曲において、肝になっているのは、やはりドラムの音。故・アラン・マイヤーズが放つビートは、太鼓も鳴り物も妙にカクカクしたサウンドで、超個性派なリズムを作り出す。こんなにローファイかつ変なドラムの音は、なかなか聴けません!

#3. Nirvana – Smells Like Teen Spirit

大人気バンドを率いる”あの人”による大名曲! ダイナミックなドラムが凄い!

自身のバンド、FOO FIGHTERSを率いて世界一のソングライターの一人となったデイブ・グロールですが、NIRVANAでの活動で知られるように、その原点にあるのはドラマーとしてのキャリア。90年代を代表するこの曲は、デイブのパワフルなドラムの音が楽曲が持つ動と静のメリハリを更に印象的なものにしています。サビパートでの力強いドラミングの爆発がもたらすエクスタシーは、本曲のハイライト。ハードロックとハードコアの良いとこ取りなグランジの哲学を象徴するダイナミックなドラムに痺れます!

#4. Slayer - Angel of Death

メタルの歴史に残る高速ナンバー! ハイスピードなドラムが凄い!

デイヴ・ロンバードの高速ドラミングによる圧倒的なスピード感が、世のメタラーに・・・いや、"ロック"というジャンルそのものに凄まじい衝撃を与えた曲。恐ろしい速度で乱打されるバスドラムの音は、まるで重機が巨大な建物を破壊する時に発生する地鳴りのよう。勿論、低音の迫力だけでなく、ヘヴィメタルらしい金属音もふんだんに盛り込まれており、猛烈な速さに加えて、ドラマーとしての凄まじい技術力にも驚かされます。暴力的であり、テクニカル。エクストリームメタルの歴史に燦然と輝く名曲です。

#5. BOREDOMS - Super You

アバンギャルドな爆裂ドラムが凄い!

77台のドラムを一斉に演奏する実験的プロジェクトの様子を収めた映像作品『77 BOADRUM』など、ドラムを用いたアバンギャルドなパフォーマンスの数々でも知られるBOREDOMSにとって、一つの転換期となったアルバムの冒頭を飾るナンバー。サンプラーの奏でるノイズに続いて始まるのは、狂騒的な爆裂ドラミング。ある意味でハードコアパンクのそれをも凌ぐラウドなサウンドは、ただただ「すごい!」の一言。気取った形容詞は使わず、そのリズムと低音の快楽に身を委ねてみてください。Yoshimi P-Weを筆頭に、歴代個性派ドラマーが織り成すビートは、いずれも必聴です!

#6. Helmet - Unsung

あたかもマシーン! パンクかつ緻密なドラミングが凄い!

オルタナティブメタルからポストロックへ。その一風変わった音楽的変遷で知られる名ドラマー、ジョン・ステニアーの最大の持ち味が、精密機械のように正確なリズム感です。Helmet在籍時の代表曲であるこの曲では、パンキッシュなドラミングを見せながらも、その音はどこか乾いた質感を携えおり、良い意味で人間味が皆無。特に、マシーンのように一部の狂いもなく低音を鳴らし続けるリズムキープ能力には驚かされます。現在所属しているBattlesでのエクスペリメンタルなサウンドと聴き比べてみるのも一興です。
    • Unsung/Helmet

      シングル

      257

      Unsung
      Helmet

#7. Motley Crue – Dr. Feelgood

キャッチーでド派手なパフォーマンスが凄い!

グルグル回転しながらドラムを叩き続けるなど、"アトラクション"としてのドラムプレイという革新的なスタイルで知られるトミー・リー。技術的な面に加えて、パフォーマーとしての華も併せ持つ超個性派なプレイスタイルは、後続のメタルバンドへの影響も大。オススメは、バンドのポップな側面が色濃く出たこの曲で、ビートのカッコ良さに加えて、パーカッション的なカウベルの使用や、色気のあるシンバルのアタック音など、聴きどころが盛り沢山です。

#8. YELLOW MAGIC ORCHESTRA – 東風

電子音と人間の鼓動が完璧に融合したビートが凄い!

YMOというバンドの最もユニークなところは、テクノミュージックでありながら、ドラムが生音という形態を取っている点だと思います。"人力テクノ"を地で行くサウンドは、テクノロジーとヒューマニズムの理想的な融合。耳に残るメロディと高橋幸宏氏のドラムが見事に結合したこの曲は、バンドの哲学を如実に伝えてくれるナンバーです。コンピューターのように正確でキレのあるバスドラムとタムへのアタック音が、電子音の美しさをより一層際立たせています。"タイト"という形容詞で語るに相応しい理想的なドラムプレイと言えるでしょう。
    • 東風/YELLOW MAGIC ORCHESTRA

      シングル

      257

      東風
      YELLOW MAGIC ORCHESTRA

#9. POLYSICS - Catch on Everywhere

これぞ”縁の下の力持ち”! 実力派プレイヤーによる精密プレイが凄い!

バンドが作り出すポップな曲からパンクな曲、更には、ニューウェーヴ感覚溢れる変則的なナンバーまで、あらゆるリズムに対応し、完璧な演奏を聴かせてくれる凄腕ドラマーのヤノさん。キッチュかつビザールなポップナンバーのこの曲では、比較的シンプルな演奏を聴かせてくれますが、だからこそブレや狂いが一切ない精密なプレイスタイルが光ります。ステージでの「黙して語らず」なキャラクターも込みで、「縁の下の力持ち」という言葉がシックリくる日本ロックシーンの隠れた名ドラマー、それがヤノさんです!

#10. 四人囃子 – カーニバルがやってくるぞ(パリ野郎ジャマイカへ飛ぶ)

これぞプログレ! 複雑でありながらポップなドラムが凄い!

和製プログレバンドからもすごいドラムを聴ける曲・・・ということで選んだのが、四人囃子のこれ。中心メンバーである岡井大二氏さんのフリーキーかつポップなドラムサウンドは、各種の演奏技法を用いつつも、耳に馴染みやすく難解さは皆無。何はなくとも"シャンシャン"鳴り続ける小気味の良い金属音が気持ち良い。ロックを感じさせつつも、軽快な低音の響きも込みで、日本人的な"粋"を感じさせるドラムプレイです。歌モノの日本語ロックとしての完成度も高く、プログレを敬遠している人にこそ聴いていただきたいナンバー。

  • 今回紹介した楽曲は、いずれもひと味違ったリズムとビートが楽しめる個性派の曲ばかり。ドラムをやっている、或いは、これからチャレンジしたいと考えている人にとっても、その視野とスタイルの幅を広げてくれることかと思いますので、是非とも聴いてみてください!

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