Premium Playlist ~劔樹人・犬山紙子夫妻の “子育てがもっと楽しくなる”プレイリスト~

Premium Playlist ~劔樹人・犬山紙子夫妻の “子育てがもっと楽しくなる”プレイリスト~
ダブ・エレクトロユニット「あらかじめ決められた恋人たちへ」のベーシストとして活動する劔樹人さんとタレント・コラムニストの犬山紙子さんご夫妻。2014年に結婚したふたりは「妻が稼ぎ、夫が家事全般を務める」というライフスタイルを選択、今年1月には女児が誕生。犬山さんは妊娠や出産についての悩みを『私、子ども欲しいかもしれない。』で綴り、劔さんは兼業主夫生活をコミックエッセイ『今日も妻のくつ下は、片方ない。~妻のほうが稼ぐので僕が主夫になりました~』で描きました。今回は、そんなお二人に「育児と音楽」をテーマにそれぞれのプレイリストを伺いました。

劔樹人・犬山紙子夫妻

ハロプロは元気のドーピング!

インタビューを受ける劔樹人・犬山紙子夫妻

─2014年に結婚し、今年1月にお子さんが生まれてから半年。育児、家事、仕事と忙しい日々を送られていると思います。

劔:
子どもと過ごすと時間の流れが早いですね。

─音楽を聴く時間ってありますか?

犬山:
音楽はBGMみたいな感じで聴いてますよ。つるちゃんは、ずっとハロプロのコンサートのDVDを流してますね。

劔:ライブ映像ってキラキラしてるからすごい反応がいい。僕自身、子どもが生まれてからは、ずっとモーニング娘。とハロー!プロジェクトキッズの『がんばっちゃえ!』が頭の中で流れていて。

  • ─2003年の楽曲ですね。

    劔:
    歌い出しが「ホントのようなウソのような あなたと 出会った 寒い季節」という歌詞なんですけど、これだけで娘が生まれたときの空気とか北風の寒さを思い出すんですよね。

    犬山:つるちゃんは、私より断然エモいですね。

    劔:いや僕ね…これ…泣いちゃうぐらいなんですよ。

    ─では、ライブ動画で見てみましょうか。

    Berryz工房と℃-uteによる「がんばっちゃえ!」は15分17秒~

    劔:このメロディーラインと「嫌なこと全部 忘れちゃう あなたと楽しく遊んでいると」とか「毎日過ごす時間は 早いもんだね 少しずつおとなになって 寂しさを知った」っていう歌詞がね……(涙ぐむ)。

    涙ぐむ劔樹人氏

    犬山:ちょっと、つるちゃんホントに泣いてる…!

    劔:当時子どもだったハロプロキッズの子たちが、今はもう立派な大人になって…6月には「℃-ute」が解散して嗣永桃子さんも引退しました。

    犬山:もうね、娘を見てるような気持ちなんですよ。

    劔:オタクとして彼女たちの成長を見守ってきたわけですが、これからは娘の成長を見守るのかな、と。娘が二十歳になったときには、また歌詞が胸に刺さるんだろうな、と今から思っていて…。

    犬山:私たちはすごくハロプロに助けられてて。つるちゃんも子育て大変で、グッタリしてたりする時でもハロプロをかけると踊りながら出てきてくれて。一気に元気になるんです、元気のドーピングみたいな(笑)。「アンジュルム」の『大器晩成』とかノリノリの元気のいい曲をかけると、つるちゃんが歌いながらトランクス一丁で出てくる。

    劔:そうですね…。

    犬山:いつかチャゲ(=娘の愛称。CHAGE and ASKAのCHAGE氏と同じ誕生日であることに起因)がそこに参加したら楽しいだろうなと思います。

    劔:でもいつか嫌われるかもしれない…。

    犬山:オタクの父親が自分と同じぐらいの女の子を推してるっていうのが分かったとき、娘がいったい何を思うか…ですよね(笑)。幼少期は一緒に「私もアイドルになる!」とか「好き」とか言うと思うんですけど、問題は思春期。偏見をなくせたらいいんだけど。

    劔:ただそのときも『がんばっちゃえ!』があれば乗り越えられる…。

    犬山紙子氏

    犬山:つんく♂さんの楽曲には「女の子が強く生きていくぞ」というメッセージ性のある歌詞がたくさんあって、女にとってもすごくしっくりくるんです。チャゲも女の子なので、いい影響がありそうだなと今から思っています。例えば『女が目立って なぜイケナイ』ではモテを気にして男性に媚びるんじゃなくて、女の子は自分のためにメイクをするし、女の子であることを楽しむ、という内容の歌詞もすごくいい。女らしさを変に強要していないのが、母目線からもいいなと。
  • 劔:つんく♂さんは早い段階でそういう歌詞を書いていた方ですが、お子さんが生まれてから顕著になった気がします。

    犬山:娘に聴かせたい、という意味では『アンパンマンのマーチ』も欠かせない。これについては私、結構考えたんですよ。以前「この曲は、やなせ先生が特攻で亡くなった弟さんのことを歌ったもの」という話を聞いたことがあって。
  • 劔:ネットでも都市伝説的な話として書かれていますよね。

    犬:もちろん特攻で亡くなった方を否定したいわけじゃない。ただこれが本当だとすると「そうだ おそれないで みんなのために」という歌詞がいきすぎた自己犠牲の精神に聞こえてきて。となると『アンパンマンのマーチ』を娘に聴かせるのはどうしようかと考えていたんです。

    劔:でも子どもはアンパンマン大好きだから、いずれ欲しがるだろうし、その存在はスルーできない。

    犬山:で、やなせ先生の本を買って本当のところはどうなのか読んでみたら、やはりそれは都市伝説で。あの歌は歌詞通りアンパンマンのことを歌ったもので、人をやっつけるのではなくて、優しさを分け与えようという素晴らしい考えが書いてあって、そこでようやく聴かせようと思ったんですよね。

    チャゲのアンパンマンに合わせにいったぞ #リンクコーデ

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    劔:この人、とことん追求しないと気が済まないんですよ。

    犬山:これに関しては、自分の中で一悶着あったけど、これからもずっと聴き続ける曲になると思う。

    劔:家中にシール貼られたりするんだろうね。

    犬山:楽しみだね。

    劔樹人・犬山紙子夫妻、外でのショット

    ─犬山さんが妊娠中に聴いていた思い出深い曲は?

    犬山:
    ロールプレイングゲーム「クロノ・トリガー」のサントラですね。「ファイナルファンタジー」シリーズの坂口博信さん、「ドラゴンクエスト」シリーズの堀井雄二さん、そして鳥山明さんがタッグを組んだ伝説のRPGで、曲も美しくて叙情的なものが多いんですよ。妊娠中にゲーム音楽のオーケストラ公演をする「JAGMO」のコンサートに行ったんですが、そのとき初めての胎動が起こったんです。


    ─「ゲーマーの子になるであろう」と新刊『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)でも書いていますよね。ちなみにどの曲か覚えていますか?

    犬山:
    バトル曲『カエルのテーマ』。その時はまだチャゲの性別は分かってないけど「これは勇ましい子になるなぁ」って思いました。あと、ゲームサントラで最近、よく聞いているのが「MOTHER2」。これも小学生のころハマっていたのですが、母目線でもう一回やり直してみようって思って。
  • 劔:マザーになって「MOTHER2」再び。

    犬山:そうなんですよ。実はこれまでも20周ぐらいしているんですけど、新たな発見がたくさんあって。母親が「危ない旅だけど、アンタのこと信じてるからいってらっしゃい」って息子を送り出すカラッとした感じがまたいいんですよ。特に好きなのは『ウィンターズのテーマ』ですね。

脱作業化! 音楽があれば子育てはもっと楽しくなる

─劔さんは、育児中どんな曲を聴いていますか?

劔:
「Junior Senior」の『Move Your Feet』とかノリのいい曲を選んでいますね。


犬山:これ、私も90年代後半から2000年代に聞いていたんですけど、アゲアゲな感じは子育てに向いてるような気がする。これをかけると娘がノッて動くってことが一回あったんですよ。たまたまなんでしょうけど。

劔:踊るような気がしたんだよね。やっぱり子どもと一緒に聴くときには、子どもが踊ってると可愛く思えるような曲が多くなる。「Skatalites」もすごく楽しいですね。去年の朝霧JAMで久しぶりに見たんですけどあらためて良いなと思って。どの曲もウキウキする感じで、子どもと過ごす夏の昼下がりにピッタリですよね。

キラキラなるねえ

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犬山:アゲてた方が楽しく子育てができるし、日々のお世話が作業化しないのがいい。「作業」って感じになっちゃうと、どうしても疲れるけどそこに音楽があると、自分も楽しみながらできるのがありがたいなあと。

劔:ホフディランも可愛い曲が多いので、子どもと一緒に聴きたくなりますね。僕は世代的に高校の時にファーストアルバム『多摩川レコード』を買っていました。最近は、ホフディランが2009年に再結成したときの『ニューピース』っていう曲を聴いてます。

(『ニューピース』のMVを見ながら)

劔:歌詞は「君」への呼びかけで恋愛ソングっぽく作ってるけど、MVにはずっと芸人さんが出てきてくる。コンビ愛の曲だな、と思います。全体に流れる「君と一緒にいると楽しいよね」っていう感じが、子どもに対する気持ちにもリンクする。

─犬山さんへの気持ちでもあるのでは?

劔:
確かにコンビですね…気付いてなかった……(笑)。

犬山:夫婦って子どもが産まれたら戦友みたいな感じになるしね。

劔:かなり力を合わせて日々過ごしてますからね。

笑顔の劔樹人・犬山紙子夫妻

─犬山さんは産休を経て最近は仕事のペースも徐々に戻して来たとか。

犬山:
今は月に2回ぐらい地方に行く仕事があるので、その時はお酒も音楽も解禁って感じです。私、もともとブレイクビーツとかドラムンベースが好きだったんですよね。

劔:Squarepusherよく聴いてたよね。

犬山:中でも『rayc fire2』が一番聴いていたなぁ~。


─お子さんと聴く以外で最近、劔さんが気になる音楽はありますか?

劔:
最近気にしていたのは、友人なんですがLOSTAGEっていう奈良で活動しているバンドですね。元々メジャーでやっていた人たちなんだけど、大衆的なマーケットではなくて地元に根ざして音楽を作っている。ミュージックビデオみたいなのも作らないし、CDもサンプル盤を作らずにライブ会場と自分の店でしか売っていない。

犬山:武道館を目指すだけがミュージシャンじゃないっていう考え方だよね。100人、200人の地元の人に向けていくというか。

劔:僕自身もここ何年かは大衆に向けて話題を作って音楽を売っていく、という経験をしていたんですけど「自分に向いているのは、そういう方向でもないのかな」と思う節もあったので、彼らの活動の仕方は共感するものがありますね。子育てをしている期間って最近の情報も入りづらくなっていたけど、「LOSTAGE」がアルバムを作ってる様子はSNSを通じてチェックしていましたね。過去の作品ですが好きな曲なので『Good Luck / 美しき敗北者達』はピックアップしたいですね。

  • ─そんな劔さんの仕事や家事への気持ちの変化は『今日も妻のくつ下は、片方ない』(双葉社)に綴られていますね。

    劔:
    この本は、とても私的な話だしものすごく役立つ情報を書いてあるものではないですが、読んだ人の心の沁みるような内容になったな、と思っています。日々の家庭生活の中で家事の分担だったり子育てだったりと、なんとなくしんどさを抱えている人も、少し考え方を変えたら生活が違って見えるかもしれない。まずは気負わずに読んでもらえたら嬉しいですね。

    犬山:今はこうやって子育てをしていますが、そもそも私も子どもが欲しいってハッキリ言えないし、欲しいかどうかも分からなかった。でも年齢のリミットはどんどん迫っていくし…。そんな中で色んな人に話を聞いて、子どもを持つか持たないかを自問自答した中でできたのが『私、子ども欲しいかもしれない。』です。結局、自分の人生さえ尊重できていたら、子どもを産んでようが産んでなかろうが、どんな人生を選んでも幸せの道があるんだ、ということがわかって私自身も書いていてラクになった。私たちも今度は二人目をどうするかっていう問題があるんですけど、どっちに転んでも幸せかな、と思っています。

  • ■劔樹人
    あらかじめ決められた恋人たちへ(アーティストページ)
    http://mysound.jp/art/147004/
    オフィシャルブログ
    https://ameblo.jp/tsurugimikito/

    ■犬山紙子
    オフィシャルブログ
    https://lineblog.me/inuyamakamiko/


    Photo:Great The Kabukicho
    Text:アケミン
    Edit:仲田 舞衣
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