Something about NEXT JAZZ ~DJ大塚広子×トランペッター類家心平~

Something about NEXT  JAZZ ~DJ大塚広子×トランペッター類家心平~

ヒットチャートに通底 今、改めてジャズの進化がアツい!?


「今、ジャズがアツい」そんな事を急に言われても、ピンと来ないかもしれない。しかし、アーティストが自身のバンドメンバーとしてジャズ・ミュージシャンを起用する、あるいはジャズを経過したプレイヤーを起用するケースはここ数年の音楽シーンの中でじわじわと増え続けている。デヴィッド・ボウイの遺作となった『★(ブラック・スター)』の冒険的なサウンドは、サックス奏者のダニー・マッキャスリン率いるNYの精鋭で組まれたバンドがバックを支えていたし、


世界的に注目を集めるラッパー、ケンドリック・ラマーの『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』やコモン『ブラック・アメリカ・アゲイン』のサウンドの中核を担っていたのは、ジャズ・ミュージシャン達の生演奏だ。それらは単なるビッグネームからの起用にとどまらず、カマシ・ワシントンロバート・グラスパー・エクスペリメントといったバンドが、フジロックやサマー・ソニックで観客を沸かせたことも記憶に新しい。

日本でも、昨年グラミーを受賞したブルックリンを拠点に活動するインストゥルメンタル・バンド、スナーキー・パピーの来日公演でceroがサポート・アクトとして参加していたり、昨年のBlue Note JAZZ FESTIVAL in JAPANにMISIAがトランペッターの黒田卓也のバンドとのコラボレーションで参加し、最新アルバムを共に録音しているなど、ますます注目度は上がっている。


多くの人の考えとしてはこうだろう。おしゃれなカフェのBGMであったり、レストランやホテルのラウンジでの生演奏であったり、様々な場所で耳にすることは多くても、いざ自分で聴いてみようと思うと、何から聴いていいのかわからない……。とっつきやすいようで、とっつきにくいのが「ジャズ」だって。でも、実はジャズへの入り口は、思っているよりもすぐそばにあったりするのだ。
今回はそんな身近なジャズ・スポット、お茶の水にある国内最大級のジャズ専門ショップ「ディスクユニオンJAZZ TOKYO」で行われたイベントをレポートしたい。

インストア・ライブはコスパ最強の視聴チャンス

ディスクユニオンJAZZ TOKYOでのインストアライブの様子

インストアライブの様子を見つめる観客

ディスクユニオンでは定期的にインストア・ライブを行っている。しかも大抵が入場無料とあって、この日も多くのお客さんで店内は賑わっていた。

今回のイベントは、DJ大塚広子とトランペッターの類家心平の二人によるデュオ・ライブ。1990年代に「クラブ」という側面からジャズの世界へ飛び込んだのが女性ジャズDJ大塚広子だ。フジロックや東京ジャズといった大型フェスにも出演し、多くのコンピレーションCDの選曲/監修も手掛けている。

DJ大塚広子

その大塚が今最も注目しているのが、日本の音楽シーンにおいて、ファースト・コールといっても過言ではないトランペッター、類家心平だ。

トランペッター、類家心平


自身のバンド「RS5pb」をはじめとする数々のジャズ・バンドだけでなく、レキシやthe HIATUSなど様々なバンドでサポート・アクトとして活躍している。この日は大塚がプロデュースをつとめるバンド、RM jazz legacyの発売記念インストア・ライブとの事。
ステージにはDJセットとマイクが一つというシンプルなセッティング。類家の足元にはギター用のエフェクターが置かれていた。

一曲目「Night Flight」は、ファンク調のバックトラックに類家がストレートな音色でトランペットを重ねていく。DJがプロデュースするバンドらしく思わず体が動いてしまうようなリズムトラックが心地よい。続く「The Universe」はリズムのアクセントがきいたヒップホップ調の曲。たゆたう水面のようなエレピのサウンドに、類家もエフェクトを駆使したプレイで応対する。吹きすぎることなく慎重にディレイサウンドを重ねていくさまは、マーブリングで絵を描いていく様子を見ているようだ。

プレイ中の類家心平

アフロビートの「Move Your Red」を挟んで、ラストはこの日唯一のカバー曲、アル・グリーンによる「Let’s Stay Together」。ティナ・ターナーやロバータ・フラックだけでなく、マルーン5もカバーしたこの曲は、少し前にオバマ大統領がスピーチに引用したことでも話題になったソウル・クラシック。


30分ほどの短いライブであったが、この二人の、そしてRM jazz legacyというバンドのコンセプトを示すには充分なステージであった。ファンク、ヒップホップ、アフロビート、そしてソウルと、ジャズから派生した音楽からアプローチしていくこのスタイルは、クラブでジャズに出会った大塚らしく、いわゆるジャズ・リスナー以外にもフレンドリーな印象を与えていた。

ディスクユニオンの膨大なレコードの中から大塚広子がセレクト

ディスクユニオンでレコードをセレクトする大塚広子

せっかくレコードショップに来たのだから、DJの大塚広子に「トランペットもの」というくくりでおすすめのレコードをセレクトしてもらった。みなさんもレコードショップに行った際にはぜひ探してみて欲しい。

ターンテーブル上のRhythmstick(1989年)


・CTI All Stars『Rhythmstick』(1989年)

Rhythmstick(1989年)のジャケット

1970年代のフュージョン/クロスオーバーのムーブメントを牽引したアメリカの名レーベルCTI。ソウルやファンクを組み込んだアーバンな雰囲気と、リズムがくっきりとしたサウンドのコンセプトで、DJからも人気が高いレーベルだ。本作はトランペッターのディジー・ガレスピーを中心に、フィル・ウッズ、アート・ファーマー、バーナード・パーディ、ロベン・フォード、ジョン・スコフィールド、アンソニー・ジャクソンなど豪華な面々があつまったCTI All Starsによる作品。ジャズやボサノヴァから、大所帯のゴージャスなフュージョンサウンドまでを楽しめる一枚。

・Makaya McCraven『In the Moment』(2015年)

In the Moment(2015年)のジャケット

一方こちらはヒップホップを経過した音作りの近年作。シカゴを拠点に活動するドラマーのリーダーアルバムで、ギターにトータスのジェフ・パーカーが参加。トランペットを吹くのは、近年マーカス・ミラーのバンドでも活躍する若手マーキス・ヒル。生演奏に大胆なサンプリングやオーバーダブを施したサウンドは、まさにジャズの最前線を代表する一枚といえるだろう。


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大塚広子 オフィシャルサイトはこちら

類家心平 オフィシャルサイトはこちら

diskunion JazzTOKYO
http://blog-jazztokyo.diskunion.net


[ RM jazz legacy 「2」Release Tour ]

【名古屋】2017/9/13(水)
open start: 19:00
Live & Lounge Vio
名古屋市中区新栄2丁目1-9 flexビル B2F
前売 3,000yen
当日 4,000yen
・RM jazz legacy + DJ 大塚広子
[類家心平(tp) 、坪口昌恭(key)、守家巧(b)、横山和明(ds)、Omar Gaindefall(djembe) ]
・渡辺ショータtrio
[渡辺ショータ(p)、徳田智史(b)、崎田治孝(ds)]


【大阪】2017/9/14(木)
open: 18:00 start: 1st 19:30 / 2nd 21:15(2stages/入替なし)
Mister Kelly's
大阪市北区曽根崎新地2丁目4-1 ホテルビスタプレミオ堂島1F
前売 4,800yen
当日 5,000yen
・RM jazz legacy + DJ 大塚広子
[類家心平(tp) 、坪口昌恭(key)、守家巧(b)、横山和明(ds)]

【東京】2017/9/15(金)
open: 19:00 start: 19:30
Weekend Garage Tokyo – Cafe & Dining –
東京都渋谷区代官山町1-1グラヴァ代官山1F
前売 2,800yen
当日 3.300yen
・RM jazz legacy
[ 守家巧(b)、坪口昌恭(key)、横山和明(ds)、Omar Gaindefall(djembe) ]

【千葉】2017/9/17(日)
open start:17:00
Bar Byron
千葉市中央区中央1丁目11-1 三井ガーデンホテル千葉 2F
当日:3,500yen (+1D)
・ RM jazz legacy + DJ 大塚広子
[類家心平(tp)、坪口昌恭(key)、守家巧(b)、横山和明(ds)、Omar Gaindefall(djembe)、宮嶋洋輔(g)]
・DOBU SOUND SYSTEM.
[高橋保行 (tb,b)、後関好宏 (sax)、松井宏樹 (sax)、加藤一平 (g)、池澤龍作 (ds) ]

Text:花木 洸
Photo:Great The Kabukicho
Edit:仲田 舞衣
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