
日本でも絶大な人気を誇るヒップホップ・グループ"Jurrasic 5(ジュラシック5)"。そのDJ兼プロデューサーとしてお馴染みのCut Chemist(カット・ケミスト)が自身のソロ・アルバム『The Audience's Listening』を引っさげてのジャパン・ツアーを行った。東京公演が行われたのはツアー中日である10/6(金)。この日は、関東地方では記録的な大雨に加え、強風も相成って、まさに"嵐"の中、客足が心配されたが、なんのその、渋谷O-EASTには大勢のB-BOYが足を運んだ。
まずは東京公演のみのスペシャル・オープニング・ゲストということでオーサカ=モノレールが登場。総勢9名によるとにかく、ファンクでソウル、コミカルでエネルギッシュ、そして最高にクールなステージが繰り広げられる。今日はスペシャル! ということで登場したのはこちらも大阪からRomancrew。全くカラーの異なった3MCがオーサカ=モノレールのパワーに負けじとマイクを手に会場を盛り上げる。そして、そして、まさにスペシャル・シークレット・ゲストとしてRhymesterが登場! この2組が揃って披露すると言えば、もちろん「紳士同盟」。まさかのオーサカ=モノレール付き! このありえない豪華コラボレーションをオープニング・アクトとし、いよいよ登場しますのは、本日のメイン、Cut Chemist(カット・ケミスト)。
ステージ中央に高台のように大きなDJブースが設置されると、ダボっとしたTシャツに身を包んだ、まさに普段着という面持ちのCut Chemist(カット・ケミスト)が登場。軽く手など振りつつブースへ入るとライヴはアルバム同様「Motivational Speaker」でスタート。早々からまさに見事としか言いようのない手さばきでビートを繋ぎ続け、圧倒。しばらく2台のターン・テーブルで遊ぶと、今度は隣にあるCDJの2台で遊び始め、オーディエンスに問いかける言葉も全て彼の作り出すサウンドから発せられる。そう、まさに音も機材も自由自在に操っていくのだ。
サウンドは自身のナンバーを時折混ぜ込みながら、ヒップホップを中心としたものからエレクトロへと流れ、彼のアルバムを象徴とするような幅広い展開を見せていく。途中、レッスンのように説明が流れると、Cut Chemist(カット・ケミスト)が実践し、そのスキルの高さに会場がわっとどよめく。そして、聞き覚えのあるカウ・ベルの音が鳴り響くと、リード・トラックでもある「What's The Altitude」に。それまでも、彼のスキルを凝視しながらも思い思いに踊っていたオーディエンスが、一気に沸く。
ここまで約1時間ノン・ストップだったステージに音が鳴り止むと、カットがマイクを握って感謝の意を述べる。と、同時に「3人の声をもらおうか!」ということで、ステージを降り、パワフルな3人のオーディエンスにマイクを向けていく。最後にまた感謝の意を述べたのでステージが終わりかと思うと、なんとその一連の会話がサンプリングされており、Cut Chemist(カット・ケミスト)の手によりスクラッチされまくる。自らの声が、憧れのアーティストの手によって、目の前でサウンドにとして生まれ変わる。そんなファンには夢のようなこと"ゲーム・ショー"と称してさらっとやってのけ、ステージを後にした。
が、もちろんこんなことをされ、興奮がすぐに冷めるわけがない。アンコールが沸き起こり、再度ステージに登場すると、今度はこちらもファンが大喜びのジュラシック5のナンバーをまわしていき、幕を閉じた。
隅から隅まで、彼の"巧み"な技が盛り込まれ、そのサウンドが発する一語一語まで頭に入っているのではないかと思われる、まさに作りこまれた完璧なステージ。そしてそこに加わる遊び心に、一流DJであることの真髄と共に余裕も見せ付けられ、"オタク道"に魅せられたパフォーマンスを繰り広げてくれた。
(Mireia)
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