pre view / FLEET
「ポストロックもエレクトロニカも通過した新世代の旗手」という言葉が彼らのキャッチフレーズだ。確かにそのサウンドに触れると、その言葉を体現しているだけでなく、とても瑞々しい感性を持った純度の高い良質なサウンドが、ちょうど熟しきる寸前の果実にナイフを入れるがごとくあふれ出してくる。low-bitのシーケンスがアコースティックなサウンドに融合する、近年のエレクトロニカ的なアプローチ。
日本最高峰と言っても過言では無いポストロックバンド「toe」の柏倉隆史のまるで歌うかのようなドラミングが、美しいメロディーに寄り添う。ミニマルか つクリッキーなシーケンスが、精巧かつ緻密に織り重ねられて構築されたサウンド。それらは言うなればカッティングエッジでありながら上質で、シルキーで、 かつ完璧にサウンドデザインされた、FLEET独特の世界観だ。
FLEETのメンバーは佐藤純一 、池田雄一、仲井朋子の三人。佐藤の作曲によるレイアウトとディテールが、池田のギター、仲井のサウンドデザインによりオーケストレーションされ、佐藤の 透明感がありしなやかな歌声が加わることによって完成される。それは、非常に合理的かつ機能的でありながら、彼らにとってはとても自然体なのだという。音源のリリースやライヴ活動が行われる以前に、ホームページ上で公開した楽曲のクオリティや、WEBサイトのデザインが、様々なブログやSNSサイトを中心にインターネット上で話題になったのもうなずける。 また、元スーパーカーのいしわたり淳治が作詞で参加するなど、サウンドだけではなく言葉を重要視する姿勢もFLEETのポップミュージックに対する意識の高さを物語っているようだ。
闇雲に新しさだけを追求するのではない。彼らが大切にしているもの、それはきっと美しい風景、人の温度、情感といったもの。
新世代のポップミュージックのモデルが、ここにある。
(naoichiro yamamoto@traksy)
2007/06/06